※『世界に咲く花』のパラレル現代ストーリーです。(トパーズ27歳・ヒスイ20歳設定)
「ホラ、餌だ」
てっぺんの美しい顔とは裏腹に、赤黒い一物をヒスイの目の前に翳す男。
(おかしいわね・・・コレが新人教育??)
大手IT企業のグループ総帥である父メノウに・・・
「ちょっとここで社会勉強してこいよ」
・・・と、この春系列会社に無理矢理入社させられた、深窓の令嬢、ヒスイ。
これまで花よ蝶よと育てられ、世間知らずもいいところだった。
個人別に行われる“新人教育”。
何故かそこで首輪を嵌められ、床に膝をついて。
「咥えろ、犬」
頭上でそう言い放つのはシステム開発会社の取締役にして新人教育係のトパーズ。
「犬じゃないもん!ヒスイだも・・・むぐっ!!?」
「目上の者には敬語を使え。それと・・・」
「返事は“ワン”だ」
最初に犯されたのは口だった。
口内に深々とペニスを突き刺され。
「・・・・・・」
ヒスイは目も口も丸くして茫然としている。彼氏イナイ歴20年。
フェラチオなどした事がない。
(こ、この状況は、何なの??犬?なんで???)
「こうやれ」
トパーズの両手がヒスイの顔を掴み、手前、奥と前後させた。
「舌を使え」
「んっ・・・けふっ・・・」
「全部舐めろ。タマまで舐めろ」
翌日。
「ヒスイサン?どうカしましたカ?」
「サファイア、新人教育・・・受けた?」
もしやと思い、同期のサファイアに尋ねてみる。
「受けましタヨ?」
「ど・・・どうだった?」
「電話対応、接待ノ仕方、正シイ敬語、その他諸々デ〜ス」
社会人としてのマナーを初歩から上級まで、丁寧に分かり易く教わったと言う。
「・・・・・・」
(やっぱりおかしい・・・)
そんなことはひとつも習っていない。
覚えたのはフェラチオの仕方と精液の味だ。
何故自分だけ首輪なのか・・・大いなる謎だった。
「カッコイイですネ〜♪」
「え?誰が?」
「トパーズサン」
毎年新人教育を担当していて、評判も上々らしい。
(そんなマトモなヒトに見えなかったけど・・・)
「でも、お父さんがここで働けって言うし・・・」
首を傾げつつも、根が真面目なヒスイは休まず毎日出社した。
そして、数ヶ月。
トパーズの秘書的お役目に就いていた。
出社してすぐ首輪を嵌められ、毎日使っているのは頭ではなく、体。
すっかりフェラチオ調教されていた。
キュムッ。チュッ。
「今日は口?中?」
「中だ」
初めのうちは口に出していたものが、いつしか胎内へ。
その比率は日増しに高くなり3/5は中出しされる。
とりあえず、土日祝は鎖で繋がれずに済むが・・・
「ホラ、さっさと足開け」
「・・・・・・」
脱ぐのはパンティだけ。
床の上で、もう何度入れられたかわからない。
ギリギリまで口でして、挿入、即、射精。
「あうっ・・・んっ・・・ん!!」
えっちはいつも着たまま。
裸で抱き合った事がない。
(私・・・何しに会社来てるんだろ・・・)
(お父さんに言われたから?ううん、そうじゃない)
(たぶん・・・好きなんだ)
自分の前では鬼畜な変態男だが、仕事は完璧にこなす。
サファイアら同僚が口を揃えて言うように、カッコイイのだ。
これだけの事をしているのだから、愛があると信じたい・・・が。
「キス・・・しないの?」
「するか、馬鹿」
ペシッ!
キスをねだると決まって額を叩かれる。
(ちょっと・・・心が病んできたかも)
本当に愛はあるのか。悩んでしまう。
同日午後。
「おぅっ!元気かっ!!」
トパーズの双子の妹、シトリンが会社に顔を出した。
本日2度目の“餌の時間”。口で済ませた直後だった。
シトリンはスタイル抜群の売れっ子モデル。
サングラスで顔を隠しているが背が高く、目立つ。
「“面白い生き物を飼った、今度見に来い”っていうから、てっきり
犬か何かだと・・・」
そう言いながら、身長150cmに満たないヒスイの頭を撫でてみたりして。
「ん?苛められてないか?」
(苛められてるわよ!見ればわかるでしょ!!)
言い返したくても、口の中は飲み込めなかったトパーズの精液でいっぱいだった。
しかも、吐き出すと怒られる。
「可愛いなぁ、私も欲しいくらいだ」
「・・・・・・」
「・・・兄を頼む。どうやら繋いで離したくないほど、君の事が好きらしいから」
・・・が、言葉の真意はヒスイに届かず。
シトリンにまで犬扱いされた事で、ハッとするヒスイ。
(私っ!!人間じゃなくなってる!?)
急に何もかもが馬鹿らしくなり、退職を決意。
「こんなトコっ!辞めてやるっ!」
(愛のない男なんてもう御免だわ!!)
そして翌日。
バンッ!
トパーズの机に叩きつけたのは、辞表だった。
「・・・何だこれは」
「見ればわかるでしょ?辞表よ!辞表っ!」
「短い間でしたけど、お世話になりましたっ!!」と吐き捨てて。
(これで犬生活ともおさらばだわ!人生やり直すのよっ!)
「さよならっ!」
「待て、犬」
「犬じゃないっ!!」
「・・・わかった。これが最後だ」
ガタッと音をたて、トパーズが席を立った。
(あれ?いつもと・・・)
いつもなら腰掛けているトパーズの元へヒスイが侍り、奉仕する。
最後は床に転がされ、穴奥に精液を排出されるだけ。
会社に泊まり込んだ時の仮眠用ベッドまで連れていかれるとは思ってもみなかった。
「脱げ」
「え?」
「下だけでいい」
「・・・・・・」
やっぱりいつもの通りかと、失望。しかし。
ベッドの上、いきなり股間に顔を埋めるトパーズ。
ヒスイの割れ目を舌で愛撫しはじめた。
「ちょ・・・っ・・・あ・・・あぁんっ!!」
後ろの穴から舐め上げられ、中央部に舌先がこじ入れられる。
「ひぁ・・・っ!あぅっ!」
「そのまま足開いてろ。イカせてやる」
性器全体を指で広げられ、尿道口を舌で突かれて。
「や・・・っあ・・・んっ!」
トパーズは更に深く顔を埋め、鼻先を擦りつけ、前髪までヒスイの愛液で濡らした。
「うっ・・・ああっ!!い・・・っ」
絶頂間近・・・そこに、硬く鋭いトパーズのペニスが入ってきた。
「あうんっ!!!」
快感に快感が重なり、涙腺まで緩んで。涙が溢れる。
くちゃっ!ぐしゃっ!
乱暴な抜き差しで、結合部から生々しい音が洩れた。
「んっ!あくっ・・・!あっ!あ!」
最深部へと勃起ペニスを押し込めるトパーズ。
「っ・・・馬鹿」
先にイッたヒスイの内側に締め上げられ、続けて射精。
はぁ・・・っ。はぁ。
「ト・・・パーズ・・・」
今こそキスが欲しい。
涙でいっぱいの瞳で両手を伸ばす、が。
トパーズは、プイッと顔を背けた。
その瞬間にブチッ!ヒスイがキレた。
「ホント最低っ!!!」
「・・・自業自得だ、馬鹿」
「自業自得!?何でそうなるのよっ!!」
「わからないならいい」
トパーズも負けじと腹を立てた様子で腰を引いた。
解放されたヒスイは父メノウの元へ。
(そもそもお父さんがあんな会社に入れたりするからっ!!)
文句の一つも言ってやりたい。
ところが・・・
「あはは!あいつ何も言ってないの?婚約者なんだよ、お前の」
「え?ええっ!!?」
「覚えてないの?お前が決めたくせに」
「え?私が?」
「あいつは、子供の頃からお前の事知ってるよ」
それは15年前の約束。
(そ、そういえば・・・)
パーティの席で「絶対このヒトと結婚する!」と駄々を捏ねた。
(トパーズだったの・・・)
完全に忘れていた。
(もしかしてキスしてくれなかったのって、私が約束覚えてなかったから・・・?)
怒りが急激に冷め、ヒスイは慌てて会社へ戻った。
「トパーズっ!!ごめんっ!!私が結婚してって言ったのにっ!!」
「・・・思い出すのが遅すぎる。馬鹿め」
「ごめん、ホント。それであの・・・約束は・・・え?」
そこでやっぱり首輪。
トパーズはヒスイを片手で抱き寄せ、待望のキスをした。
「ん・・・」
唇と唇が重なるキスを繰り返しているうちに、トパーズの手が胸をまさぐり・・・
ブラウスのボタンが外される。
肌に触れる、指先と唇。
(ああ、これでやっと普通のえっちができるわ・・・)
長い夜が明けて。
今日は休日。誰も出社してこない、静かな朝だった。
ヒスイが身に付けているのは首輪だけで、肌にはうっすらと吸われた跡が残っていた。
「むにゃぁ〜・・・んぐっ!!?」
トパーズに鎖を引かれ、首が絞まって目が覚める。
「起きろ。散歩行くぞ」
犬扱いは相変わらずだが。
瞳を伏せて・・・甘いキス。
「・・・お前は一生オレに繋がれてろ」
「返事は?」
「・・・ワンっ!」
‖目次へ‖‖コハクの場合‖‖オニキスの場合‖ 順序は関係ありません。