アイテムの研究開発を趣味とするメノウの部屋は、相変わらず見事な散らかりっぷりだった。


そこに、娘ヒスイの姿。


こそこそと忍び込んで。何かを探している。
「・・・あ!あった!」
メノウの部屋には、本当に何でも揃っているのだ。
ヒスイが手にしているのは・・・毛生え薬。
(これを、あのへんに塗れば・・・ちゃんと生える・・・よね?)
ヒスイには、アンダーヘアがない。
しかし、今・・・そう、今だけ欲しい理由ができた。
(女の子のあそこの毛って、お守りになるんだよね、確か・・・)
戦記物の本を読んだ時のことを思い出したのだ。
戦地に赴く男性の無事を祈って持たせたり・・・災いを退け、幸運を呼び込む効果があるとされていた。
そんなに縁起の良いものならば、と。この考えに至る。
(お兄ちゃんにプレゼントしたい!!サプライズで!)
心もカラダも、コハクの愛を感じない日はない。
(私もこれで・・・)愛を見せつけたいのだ。
意を決して、ショーツをおろすヒスイ。
液体の毛生え薬を浅皿に移し、ハケで患部に塗ってゆく。
「・・・・・・」(なにこれ・・・恥ずかしいぃぃ!!!)
作業中、猛烈な羞恥心に見舞われるが。
“お兄ちゃんにお守りを!!”の一心で、ヒスイは耐えた。



それからしばらくして・・・



「お兄ちゃん!私、今夜は先にひとりでお風呂入るからっ!!」
明らかに、パニックに陥った風のヒスイが言った。
「じゃっ、じゃあねっ!!」と。
不自然に赤い顔で、バスルームへ急ぐ。
「・・・メノウ様の部屋に行ってから、ヒスイの様子がおかしいんですけど」と、コハク。
セックスムードになるのを、露骨に避けられている。
キスより先に進ませてくれないのだ。
「心当たり、ありますよね?」
「気になる?」悪戯に、メノウが笑う。
ヒスイの口から直接聞いた訳ではないが、先程自室で、埋もれていた筈の毛生え薬が発掘されているのに気付き、おおよその事情は察した。
(今頃ひとりで悩んでるだろ)
「そんじゃ、ヒスイんトコ行ってみるか」
「そうですね」



屋敷内には、バスルームと呼べる場所がいくつかある。
和風檜づくりの個室露天風呂もそのひとつだ。
月の光が入るよう設計されているので、照明は淡く控え目。
脱衣所は趣深い板張りとなっていた。
鏡の前で、恐る恐るスカートを持ち上げるヒスイ・・・
ショーツの上からでも、それとわかるくらい効果が出ていた。
「・・・・・・」(ホントに生えちゃった)
ショーツをおろして直に見ると、想像以上に卑猥な感じがして。
自身の見慣れないカラダに、動揺してしまう。
「なんか・・・」(ここだけ、大人の女のヒトみたい・・・)
早く剃ってしまおう、と、思ったが。
当然のことながら、ヒスイに剃毛の経験はない。
(お兄ちゃんには頼めないし・・・うまくできるかな・・・)
はぁ。息を吐いた、その時。


「よっ!」


「お、おとうさん!?」(と、おにいちゃん!?)
慌てて逃げようとするヒスイだったが、下までおろしきっていないショーツが邪魔で。
「わ・・・と・・・」
モタついているうちに、コハクに捕まってしまう。
「ヒスイ、これはどういう・・・」
後ろから片腕で抱きしめられ、もう片方の手が、銀の毛の茂るそこに入れられる。
「!!や・・・さわらな・・・あぁんッ!!ふ・・・」
生えたての毛を逆撫でされると、仰け反るほど感じてしまう。
「あ・・・あぁ・・・」
興奮したクリトリスが、自力で包皮を押し退けようとしていた。
「それにしても、立派に生えたモンだなぁ」と、メノウ。
両手に顎を乗せ、低くしゃがんで、ヒスイを見上げている。
「あの薬、使っちゃったんだ?」
「お・・・とうさ・・・ごめんなさ・・・」
「ま、いいけどさ。最初から俺に相談してくれれば、こういうコトにはならなかったと思うよ」
「うん・・・あ・・・はふ・・・ッ!!」
返事をしたヒスイの唇が、快感に、震える。
コハクの指の間から、くしゃくしゃになった銀の陰毛と、剥けたクリトリスが見えた。

そこで――

「メノウ様」
コハクがにっこり笑いかけると。以心伝心。
メノウは立ち上がり、パチンと指を鳴らして。大人の姿へと変化した。
準備運動とばかりに、体を捻じり。
「しょうがない、付き合ってやるか」


「剃るつもりだったんだろ?」


洗面台に置かれた剃刀を見て、メノウが言った。
「おにいちゃんのお守りにしたくて・・・あっ!」
(言っちゃった・・・)
サプライズにするはずの、それが今やコハクの手の内・・・予定が狂いっ放しだ。
「そのために?」と、コハク。
「うん」ヒスイは真っ赤な顔で瞳を伏せ、小さく頷いた。
「嬉しいよ、すごく」
ちゅっ。頬へのキスを合図に。
「あ・・・おにいちゃ・・・」
唇を重ね、本格的なキスへと移行。
互いの舌を上にしたり下にしたりしながら、その肉感的な厚みに陶酔してゆく・・・
「ん・・・」
それと兼ねて、ヒスイのクリトリスを指で挟み、優しく扱くコハク。
「あッ・・・はぁ・・・」
すると、これ以上ないくらい綺麗に尖り。
「あ!!!」
下腹部の内側が激しく蠕動しているのか、膣口で、ぷくっと愛液が膨れて割れた。
「はぁはぁ・・・んあ・・・あ・・・あふんッ!!」
キスをしながら喘ぐヒスイを見て。
「そんなんなってちゃ、剃るに剃れないしさ、どうせヤル気だろ」と、メノウ。
「もちろん、そのつもりです」コハクは笑顔で回答し。
「これは脱いじゃおうね、ヒスイ」
慣れた手つきでヒスイのショーツを脱がせた。
「え・・・ふぁ?おにいちゃ・・・おとうさ・・・???」
目元も口元もとろんとさせたまま、状況が掴めずにいるヒスイをよそに。
男2人が体勢を変える。
「!!ひぁ・・・おとうさ・・・!?」
コハクに代わり、まずはメノウがヒスイを後ろから抱きしめ、共に腰を下ろした。
あぐらの上に、小さなお尻を乗せ。
「!?お、おとうさんってばぁっ!!なにす・・・」
ヒスイの両脚を持ち上げ、コハクの目の前で左右にひろげた。
育ちきったクリトリスが丸見えの格好だ。
「やっ・・・やめ・・・」
「恥ずかしがることないじゃん。ヒスイにとっては“男”じゃないだろ、俺は」
「そ・・・だけど・・・」
炸裂するメノウ理論に。
意識する方がおかしいのかもしれないと思えてくる。
ヒスイは、洗脳されやすいタイプなのだ。


「ほら、尽くしてもらいな」


メノウの言葉に続き、コハクがクリトリスを口に含んだ。
「あ!!おにいちゃ・・・んうッ!!!」
たっぷりと舐めて濡らしておいて。
滴る唾液を、さも、クリトリスの先端から出たもののようにして吸う。
ちゅうぅぅ・・・唾液まみれのクリトリスを引っ張る唇の動きがいやらしい。
「あ・・・ひ・・・ひぅぅんッ!!」
ここでも、感じずにはいられなかった。
「も・・・だめ・・・おにいちゃ・・・」
快感の涙と一緒に、ねっとりとした愛液を垂らすヒスイ。
(もう少し待ってね)
コハクの顔は銀の陰毛に埋もれたまま。
ペニスを咥える前の、まだハリのある肉ビラを舌でなぞり、記憶していた。
セックスを終える頃にはもう、このカタチではなくなっているのだ。



次にコハクは、左右の人差し指を使って、ヒスイの膣口を拡げた。
こうしてできた穴の中に“好きだよ”、秘密の告白。
コハクの声が直接響き。
「んふぅッ・・・!!!」
(だめ・・・これ・・・うれしすぎて・・・)
「あ・・・ひくッ・・・」
愛撫のため、熱い舌が膣に入れられる・・・けれども。
「おにいちゃ・・・あッあッ!!あー・・・!!」
どんなに舌ピストンを受けても、膣に宿った愛の言葉は消えなかった。
むしろそれが快感を増幅させ。
「あふ・・・はぁ・・・」
ヒスイはイッたも同然の表情をしていた。



そして、男2人がかりの挿入――

床板の上、仰向けになり、メノウの膝枕に頭を乗せ。
コハクの手により、両脚を開かれる・・・
今夜は新月。従って、室内はいつも以上に薄暗く。
勃起ペニスの気配はするが、湯けむりがかかってよく見えなかった。
「あ・・・」
ぬぽ・・・音がして。亀頭が膣内に現れる。
「あぁ・・・おにぃ・・・ひ・・・ひんッ!!」
逞しく開いた肉の傘を押し込まれ、ぐちゅぐちゅぐちゅ、膣襞を退かしながら、奥まで掻き分けられた・・・その時。
「はっ・・・はっ・・・・・・あッ!!」
一声あげたヒスイが、発作的に腰を振り始めた。
「あうんッ!あうぅんッ!!あッ!あッ!あッ!ああんッ!!あ!!!」
それは、さほど長い時間ではなく。
「あくッ!!あ・・・あ・・・」
コハクに擦り付け、高々と躍り上がらせた腰をビクン!とさせたあと、ぴたりと止まり。
結合部から、どぷっ・・・と、絶頂液らしきものを出した。
「あ・・・」
全身の力が抜け、用意されていたコハクの手のひらに、ストンとお尻が落ちる。
「はぁはぁ・・・」
「ちゃんとイケたみたいだね、よしよし」と、コハク。
恥かしがりなヒスイでも、こういう日があるのだ。前戯次第、だが。


「んふぁ・・・あ・・・」


ペニスを深々と受け入れ、大きく捲れた肉ビラの縁まで快感が行き渡っていた。
中も外もぴくぴくしている。
「お、気持ちいいか、良かったなぁ」
「お・・・とうさ?」
熱を持った頬を包むメノウの手は、ひんやりとしていて心地いい。
「ついでに俺にも甘えてよ」
「そんな・・・あ・・・」
両脚をひろげたまま・・・膣がぐじゅぐじゅと唸りをあげて、ペニスを喰い締めている。
こんなにも淫らな姿を晒しているというのに。愛おしんでくれるのだ。
ヒスイは、頬に添えられたメノウの手に自分の手を重ね、目を閉じた。
「おとう・・・さん・・・」
親子愛を見せつけられたコハクは苦笑いで。
「そろそろ動かしてもいいかな?」


「あッあッ!あ・・・ああん・・・ッ!!」


ぱちゅんッ!ぱちゅんッ!
引き寄せられるカラダとは逆の方向に愛液が跳ね上がる。
混ざり込んだ空気が、ペニスと膣壁の間で押し潰され。
ぶちゅぶちゅ、内側で弾け飛ぶ。それがまた刺激となり。
「あッあッ・・・あッ・・・んんッ!!」
爪先から何度も絶頂快感が抜けていった。
「あ!!ひぃんッ!!」
ペニスの先を捻じ込まれた子宮口が甘く毛羽立ち。ぞくん、とする。
ヒスイは背中にたっぷり汗をかいて。ひたすらそれを悦んでいた。
「ん・・・く・・・んふぅ・・・」
理性も羞恥も尊厳も何もなく。ヒスイに残されているのは、もはや愛だけ。
(ったく、どんだけ気持ちいいんだよ)
ヒスイの口の端に浮き出た泡を拭ってから、耳元でメノウが囁いた。
「???」
ヒスイはもう自分が何を言おうとしているのかわかっていない。
ただ、耳に注ぎ込まれた言葉を復唱し。
「お○んこ・・・ずぼずぼして・・・せーえきいっぱいちょうらい」
「・・・メノウ様、ヒスイにこんな事言わせて、どうする気ですか?」と、コハク。
メノウはニッと笑って。
「お前も早くイッちゃえよ。ヒスイもう何回もイッてるしさ」
するとコハクもニッコリ笑い。
「これくらいじゃ足りないよね、ヒスイ」
もっと欲しい?と尋ねると、ヒスイは頷き。
コハクはペニスの抽送を再開した。
巧みな腰使いで、疲弊しているはずの膣から、大量の愛液を引き出す。
「あッ・・・あー・・・」
ヒスイはうっとり微笑んで。
その体に繰り返し絶頂を迎え入れていた。
「ちえっ、淫語責めは効かないかぁ。じゃあ、これならどうよ?」
ふたたびヒスイの耳元に口を寄せ、次なる作戦を吹き込むメノウ。

そのあと・・・


「ふぁ???ひぁ・・・あ・・・おにいた・・・!!」


ヒスイが幼な言葉を発し。
「!!」(まずい・・・)
それを耳にした途端、ペニスのコントロールが利かなくなった。
「ひしゅい・・・きもちぃの・・・おにいたん・・・あッあッ」
「・・・これは反則でしょ、メノウ様」
「好きだろ?」
「・・・ええ、まあ。かなり」
はぁ、と。敗北の溜息。続けてそれが射精の息遣いへと変わる・・・
「!!あ!!ああ!!おにいちゃ・・・!!!」
ヒスイは一瞬、自我を取り戻したが。
子宮口でコハクの精液を飲んでいるうちに、快感に呑まれ。
ゆっくりと意識を失っていった。



ヒスイの知らない時間が過ぎて――

ちゃぷん・・・コハクのお姫様抱っこで湯船に浸かり、目を覚ます。
(あ・・・つるつるになってる・・・)
剃られたものが、きちんと瓶で保存されている。
(お兄ちゃんとお父さんで剃ってくれたんだ)
最後のシメは、3人でお風呂、だ。
「・・・・・・」
(メノウ様がすっかり馴染んでる・・・)コハク、心の声。
セックス後のバスタイムが、男×女×男になっても、ヒスイが嫌がる様子はない。
(まあ・・・親子だからなぁ・・・)
楽しそうにしている2人を見て、ほのぼのするコハクだったが。
「沢山とれたから、お父さんにもあげるね」と、ヒスイ。
「お、サンキュ。そだ、オニキスにもやっとけば?世話になってるだろ」
「あ、そうだね!じゃあオニキスにもっ!」
「・・・・・・」(メノウ様・・・余計なことを・・・絶対わざとだ)
聞き捨てならない親子のやりとり。そこで、すかさずコハクが言った。
「じゃあ、お守り袋は僕が作るよ。あとは任せて」
「うんっ!!」




そして、後日――

「これ、あげるっ!」と。
日頃の感謝の気持ちを込めて、オニキスにお守りを渡すヒスイ。
「中は見ないでね、絶対」
さすがに恥かしいので、コハクにもメノウにもそう念を押した。
当然オニキスにも、だ。
「ああ、わかった」
オニキスは、ヒスイの意にそぐわないことはしない、が。


こちら、メノウ。
「ほーら、やっぱりな」
手には、開封済みのお守り袋。
その中身は、銀の陰毛ではなく、金の毛髪・・・つまり、コハクがすり替えたのだ。
「あはは!!」(本物を、他の奴に渡してたまるか、ってか?)


あいつなら、やると思った!


「やっぱり開けちゃったか」と、窓辺で笑うコハク。
(“中は見ないでね”ってヒスイに言われたのに、いけない人だなぁ)
「でもまぁ・・・」


メノウ様なら、やると思った。






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