愛しさで、牙を剥く。傷付けるつもりはないのに――




場所は、エクソシスト教会の最上階。
総帥セレナイトの愛弟子、ということもあり、マーキュリーには特別な部屋が与えられていた。
スイートルーム風の・・・そこは皮肉にも、初めて夢精をした時の景色に似ていた。


「・・・ん?まー・・・くん?どうしたの?え?あれ?ここ・・・どこ???」


眠るヒスイを攫い、ベッドへ連れ込んだマーキュリー。
マウントポジションを取ったところで、ヒスイが目を覚ました。
きょとんとした顔で、上に乗ったマーキュリーを見ている。
「丁度良かったです」
マーキュリーはにこやかに微笑むと、無造作にTシャツを脱ぎ捨てた。
性差のない、優しげな顔立ちをしてはいるが、体はもう男の色気を含んでいる。
マーキュリーは笑顔でヒスイを見下ろし、こう告げた。


「今から貴方を犯します」


「なんで?」と、ヒスイが聞き返す。
するとマーキュリーは。
「言いましたよね?一生童貞は嫌だって」
「・・・・・・」
改めてそれを言われてしまうと、何も言い返せない。
ヒスイは口を噤んだ。
「心配しなくても、ちゃんとゴムはしますよ」
「――なら、好きにすればっ!!」
そう言って、ベッドの上、両手両足を投げ出すヒスイ。
むすっとした様子で、顔を背けている。
一方、マーキュリーは。
「ご協力、感謝します」と、告げ。
ヒスイの白シャツのボタンを順に外していった。
「っ・・・」
マーキュリーの視線に晒される裸体が静かに緊張する中・・・
「んッ・・・」
首筋を撫でられ、戸惑うヒスイが目を細める。
マーキュリーはそこから手を滑らせ、肩、胸脇、腰と、小柄なヒスイの輪郭をなぞった。
その過程で、ヒスイが怯えていることに気付いたが、あえて知らないふりをして。
股間に手を差し入れると、中指と薬指をヒスイの膣に捻じ込んだ。
「――っ!!」
反射的にヒスイが腰を退こうとしたため、マーキュリーは親指をヒスイのクリトリスに乗せ、包皮越しに強く揺さぶった。
「!!ひあ・・・ッ!んッ!やめ・・・」
途端にヒスイの腰から力が抜ける。
「あ・・・んぅ・・・」
クリトリスの愛撫と膣の愛撫を、マーキュリーが同時に行うと、ヒスイは肩を竦め、小さく喘いだ。
「・・・・・・」
ヒスイの襞に指を絡めながら、膣内を探るマーキュリー。
他の男の精液が残っていると思っていたが、そういう手触りではなく。しっとりと滑らかなものだった。
ほぐせばほぐすほど、愛液が分泌され。クチュクチュといやらしい音が響いてくる。
「!!んッ・・・そこ・・・だめ・・・」
マーキュリーが深く指を入れると、子宮に触れられることを恐れたのか、ヒスイが抗う仕草を見せた。
両手でマーキュリーの肩を掴み、押し離そうする・・・が。
愛液を纏った指先が、容赦なくヒスイの子宮口を撫で回した。


「あぁ・・・ッ!!」


マーキュリーの肩を掴んだまま、ヒスイが喉を反らせる。
「――ここ、ですよね。突かれて、悦ぶのは」
「んッ・・・!ひッ・・・!ちが・・・」
見え透いた嘘をつくヒスイ。
「認めるまで止めませんよ?」と、マーキュリーは激しくそこを擦りあげた。
「ひッ・・・んッ!!んん・・・ッ!!」
激増する愛液。膣口から、たちまちお尻の方まで流れ。シーツへと染み込んでゆく・・・
「はぁっ!はぁっ!あッ・・・あ!!」
マーキュリーの下、ヒスイは腰を跳ね回らせて逃れようとしたが、その度に捕まり。
「やめ・・・おねが・・・あぁ・・・ッ!!」
お仕置きとばかりに指先で刺激を送り込まれた。
「あッあッ・・・」
痺れて、徐々に拡がる両脚。太腿の内側がじっとり汗ばむ。
日々“開発”が進んでいるヒスイのそこは、ヒスイが思うよりずっと感じやすくなっていたのだ。
「んぁ・・・あ・・・!!」
そしてついに。


「――ひぐ・・・ッ!!あ!!」


責められる子宮口に、生温かい絶頂液が滲んで。
マーキュリーの指を咥える膣全体がキュゥゥッと縮みあがった。
「・・・まさかこれだけでイッたんですか?お母さん」
「イッ・・・イクわけないでしょっ!!」
ムキになって否定するヒスイ。
「お○ん○ん、挿れるなら、さっさと挿れればっ!!」
強気な口調で、下からマーキュリーを睨む。
「そうですね」と、マーキュリーは頷き。ヒスイの膣から指を抜いた。
弛んだ膣口からトロ・・・ッと、愛液が漏れる。
そこから立ち昇る銀の雌の甘い匂いが、強烈にマーキュリーの雄を煽った。
マーキュリーは自身の勃起に手をかけ、言った。


「そうします」







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