“ヒスイの泣き顔が好きだ”
赤い屋根の下。二人で留守番。
「・・・・・・」
すぴ〜っ・・・
トパーズのベッドでヒスイが熟睡している。
(警戒心ゼロ。学習能力ゼロ。こいつはやっぱり馬鹿だ)
一人でいるのは嫌だと言ってトパーズの部屋へ転がり込んだヒスイ。
(わざわざ犯られにくるとは・・・)
くくっ。
トパーズの口元が歪む。
ヒスイの泣いた顔が大好きなのだ。
泣かせることができるなら何だっていい。
「う〜・・・ん。おにいちゃぁん・・・」
むにゃむにゃとヒスイの寝言。
いつものお昼寝タイム。丁度良い具合に夢の世界を漂っている。
「あ、ぁ、ん、おに、ちゃ・・・」
悩ましげな声。夢の中までもコハクと繋がっているようだ。
が、その夢は現実の影響を受けたものだった。
「!!!!」
無機質なモーター音が鳴ると同時に、全裸にされたヒスイが飛び起きる。
(うっ・・・そぉっ!!?何コレっ!!)
見たこともない物体が股の間に突き刺さっていた。
しかも二本。中央と後ろの穴に。
「・・・気分はどうだ?」
ベッド脇にトパーズ。上からヒスイを見下している。
「大人のオモチャというやつだ」
アダルトグッズ。ピンクローター。スティックタイプ。
自ら製作したのか、はたまた購入したのか・・・入手方法は謎だ。
本体はヒスイの中。そして右手にリモコンを持っている。
設定は当然“強”。
「えっ!?あっ、やっ、あん・・・っ!!!」
引き抜く隙を与えないように、超振動・フル活動でヒスイを攻める。
「やぅ・・・っ!!」
2点同時の手酷い刺激に心も体もパニックだった。
「うぅ・・・っ」
コハクとのセックスの最中、あまりの快感に泣けてくることはある。
しかし、今流す涙は全くの別物。
モノに犯される悔し涙だった。
(泣けばいい。涙の種類など知ったことか)
ビクッ、ビクッ、と小刻みに震えながら、のたうちまわるヒスイの姿に興奮する。
「あ・・・っ!くっ!やめ・・・っ」
「・・・オレを産んだから、何だっていうんだ?」
日頃のトパーズからは想像できない行動だった。
器械の力で自然と開いてしまった股間にトパーズの舌が潜り込んできた。
「だらだら垂れてるぞ?」
「ひ・・・やぁっ!!」
ジュルッ。
無理矢理呼び出されたヒスイの愛液をトパーズが啜る。
それから、クリトリスと呼ばれる場所を正確に探り当て、舌を這わせた。
「あぅんっ!やう・・・っ!だ・・・めぇ・・・っ!」
“息子”の舌。
そう思うと、なぜかいつもの何倍も恥ずかしかった。
(な、な、な、何が起こってるの!!?)
凄まじい動揺で心の声までどもるヒスイ。
トパーズに口で愛撫されるのは初めてだった。
それだけでも衝撃なのに、内側の振動は続いている。
「ん、はぁ・・・あぁんっ!」
流れに沿った行動なだけに、抵抗のタイミングを失う。
「ト・・・パーズ・・・だめ・・・」
「・・・オレのほうが強い。力も・・・想いも」
ガリッ・・・
「いたぁっ!!!」
それまで優しく舐めていた肉の粒に歯を立てる。
強烈な痛みがヒスイを襲い、涙、倍増。
それだけでなく、愛液の量もどっと増えた。
・・・気持ちが良いのだ。
ヒスイは痛みが快感に変わるMタイプ。
驚いて暴れはするが、真から拒めない。
一方トパーズは支配欲の強いSタイプ。
ヒスイを押さえつけて嘲笑する。
「・・・オレに従え」
SとMの攻防。
・・・と、言ってもSの圧倒的勝利だった。
ズルッ。ヌポッ。
ヒスイの膣とアナルに差し込んだスティクを抜き、たっぷり付着している蜜を舐めて笑う。
「あぅぅ・・・ん」
途絶えた快感を惜しむように、鼻にかかった甘い声でヒスイが喘ぐ。
「さて、どうするかな」
トパーズは両手の人差し指でヒスイの割れ目を左右に開いた。
ぴちゅっ。
肉と肉の狭間で淫猥な音が響き、ヒスイの羞恥心を更に煽り立てる。
「やっ・・・みない・・・でっ!」
「・・・次はコレだ」
「!!!」
特大バイブ。ボツボツとアヤシイ突起が目立つ。
人工的なものだけに普通では考えられない大きさだった。
嫌がらせとしか思えない。
ごくっ。
(どう考えても無理・・・ショック死するかも)
流石のヒスイも引く。羞恥心など吹き飛んだ。
(せめてナスかキュウリなら・・・)
「・・・オレとコッチとどっちがいい?言ってみろ」
渡りに船。ヒスイは瞳を輝かせて答えた。
「トパーズっ!」
「・・・もう一回」
「トパーズに決まってるでしょっ!」
「・・・・・・」
(馬鹿な女・・・)
誘導尋問にあっさりひっかかる。
軽すぎるヒスイのノリに呆れるが、求められれば・・・嬉しい。
トパーズはズボンを下ろした。
「・・・間違ってあいつの名前を呼んだら、中で出すぞ」
脅しをかけてから正常位で挿入。ヒスイは大人しく迎え入れた。
「ん・・・ぅ」
硬直した先のつるつるした部分が触れると、愛液が更に溢れ出す。
「あぁ・・・ン」
(トパーズ・・・すっごく固い・・・)
抉り込まれた快感が下腹部から全身に広がってゆく・・・
「は・・・ぁっ」
「く・・・」
トパーズを飲み込んで蜜を浴びせかけるヒスイ。
「・・・っ・・・」
キシキシと甘美な締めつけに経験の差を感じながら、トパーズは腰を叩き込んだ。
「あっ!ンっ!ふっ!」
何度往復したかわからない。
ぎゅぷっ。ちゃぷっ。
捏ねくりまわされた愛液が、押し引きの度に結合部から飛び散った。
「はっ・・・あっ・・・あんっ!トパー・・・ズぅ」
「・・・・・・」
名前を呼ばれても返事をする余裕はない。
昂ぶる射精感に相当な我慢をしていた。
「・・・すき」
そう呟いて、ヒスイがぎゅっと抱き締める・・・
「!!?」
次の瞬間、リズミカルな痙攣と共に大量噴出。
純白の熱い液体がヒスイの内部を満たした。
「あ・・・出ちゃった・・・ね」
「・・・この馬鹿」
トパーズ、逆ギレ。
子供ができてはまずいことぐらいわかっている。
中出しするつもりはなかった。
ヒスイの口から“おにいちゃん”が出たとしても。
「・・・いきなりおかしなことを言うな」
完全に手遅れだが、とりあえず引き抜いて、ヒスイを責める。
「おかしなこと・・・じゃ、ないよ?」
ヒスイは仰向けのままトパーズを見上げた。
「おにいちゃんに対する“好き”とは違う。オニキスに対する“好き”とも違う。でも・・・好きなの」
「・・・そういうことは先に言え」
ぺちっ!とトパーズに額を叩かれる。
「言ってたら、もう少し優しくしてくれた?」
ベッドの上。
嬉しい痛みが残る額を両手で押さえ、ヒスイは美しく微笑んだ。
トパーズは私の一部だから。
溶け合って、当たり前。
いちばん近い生き物だから。
愛おしいのも、当たり前。
いつか、手放す時が来るのなら。
今ぐらい・・・いいよね。
「・・・キスする?」
トパーズの頬を撫でてヒスイが誘う。
「・・・・・・」
一回イッたせいか、妙に素直な気持ちになって、上からヒスイの唇を塞ぐ。
「ん・・・」
「はぁ・・・っ」
混ざり合う唾液は蜜より甘く。
お互いの牙で唇を傷つけても、止まらない、情熱。
「・・・入れる?」
垂直に反り返っている、その勃起に手を添えて、濡れた中心へと導くヒスイ。
「いいよ。今日は大丈夫だから」と、無邪気に笑って。
「・・・どうなっても知らないぞ」
馬鹿な女。
しかしなぜか・・・この女しか愛せない。
「んっ・・・あ・・・ん」
ヒスイの熱い溜息。
ぬかるんだ肉壁が締め付けてくる感触に、トパーズも声を洩らす。
「・・・っ・・・」
「はぁ・・んっ!」
二度、三度、と射精を繰り返し、トパーズは膣を占拠する喜びに浸った。
「・・・でもね、“息子”じゃなかったら、噛み殺してるわよ?」
耳元でヒスイが囁く。
「・・・上等だ」
トパースはヒスイの肩を噛んで笑った。
“息子”だから、許される、罪。
ならばあえて・・・その罪を。
‖目次へ‖