翌日。学校帰りの双子は、寄り道をしていた。
城下市場に時折出没するという、“仮面の男”に会うために。
学校で噂になっているのだ。
オレンジ色の仮面を被ったその男は、ハロウィンの仮装めいた格好をしているという話だが、季節外れもいいところで。
大人達には気味悪がられ、反面、子供達の興味を惹く謎の人物・・・。
仮面の男と話をすると、それはそれは美味しい飴玉が貰えるとかで、好奇心旺盛の子供はきまって挑戦したがる。
これは、度胸試しのようなもので。仮面の男とのコンタクトに成功すれば、一躍ヒーローなのである。
「マジでいた!!!」
アイボリーは興奮気味に瞳を輝かせた。
「なんだか怪しいよ、あの人」
マーキュリーは警戒している。
とはいえ、二人揃えば怖いものなどない。前進あるのみだ。
「何やってんの?」
物怖じせず、仮面の男に話かけるアイボリー。
仮面の男の前には、摩訶不思議な品物がたくさん並んでいる。どうやら、路上で商売をしているらしい。
「御覧の通り。おひとつ如何でしょう?」と、仮面の男。口調はとても紳士的だ。
「おいくらですか?」敬語で聞き返すマーキュリー。
どの品物にも値札がついていなかったため、不審に思ったのだ。
対して、仮面の男は。
「試供品のため、無料で差し上げます。これなど如何でしょう、お坊っちゃん」
勧められたのは、小型のキャリーバッグ。
「蓋を開け、呪文を唱えれば、どんな物でもこの中に収まります」
その性能は、ブラックホールが如し、と。仮面の男の、商品説明。
「それ欲しい!!!」
すかさず名乗りをあげたのは、アイボリーだ。商談成立で、握手を交わす。
こうして、アイボリーは、仮面の男からキャリーバッグと・・・アンデット商会のメンバーズカードを受け取った。
市場を離れたあと、アイボリーがポケットを探ると、噂通り飴玉が入っていた。
マーキュリーのポケットにも、だ。
それぞれ一粒ずつ、ビー玉そっくりの飴玉はとても美味しそうで。
二人とも生唾ゴックン・・・だが。アイボリーはすぐにそれをポケットにしまった。
「あーくん?食べないの?」
「食べない!これ、めっちゃウマいって話だからな!ヒスイに食わしてやるんだ!」と、アイボリー。
「知らない人から貰ったものを、お母さんにあげるのはどうかと思うけど・・・」と、マーキュリー。
物事にやたらと慎重な姿勢は、7歳児とは思えない。
「それで、これどうするの?」
思いがけず手に入れた、魔法のキャリーバッグ。当然、悪戯に使う。
「ヒスイとコハクがえっちしてたら〜」と、早速アイデアを述べるアイボリー。
“えっち”の意味は、兄ジストから教わった。なんとなくではあるが、わかる。
「・・・なっ!!超、面白くねぇ!?俺って天才!!」
声高らかに、自画自賛。一方、マーキュリーは・・・
「それまた、お仕置きされるよ。昨日みたいに、僕らも同じ目に遭う」
「できるもんか!洋服ぜ〜んぶ隠したら、ヒスイもコハクもスッポンポンだぜ!」
外に逃げてしまえば、追ってはこられない筈。アイボリーが熱く語る。が。
後のことは・・・考えていない。
「バカな弟を持つと苦労するね」
マーキュリーは、柔らかな銀の癖っ毛を弄りながら文句を言ったが、今日もやっぱり悪戯の片棒を担いでしまう。
「なんだよ、ちょっと背が高いからって。大人ぶってさ。女子にチヤホヤされちゃって」
と、脱線気味に不貞腐れるアイボリー。
「・・・それ、今関係あるの?」
「関係ないけど!俺の方が、まーより100倍イケてんだからな!」
「はいはい、それでいいよ」
「・・・・・・」(なんだよ、今の・・・)
適当にあしらわれている感が否めない。
口を尖らせ、見上げるアイボリー・・・すると、マーキュリーは。
「とりあえず、目標達成したらスピネル兄さんのところへ行こうよ」
「!!いいな!それっ!」
双子は元気よくハイタッチを決め。
「そんじゃ!」「うん」
「「作戦開始!!」」
その頃、ベッドの上では。
「あ・・・はぁ・・・おにいっ・・・んん・・・ッ!!」
2度目の射精を終えたペニスが、ヒスイの膣から抜け出たところだった。
「はふ・・・」
うつ伏せで横たわり、うっとりしているヒスイ。
よほど激しかったのか、全身に汗をかいている。まるでサウナのあとだ。
コハクはヒスイの髪を撫で、それから頬にキスを落とした。
「!!ひぁ・・・おにいちゃ・・・あッ・・・」
尻肉の片方を手中に収め、むにむにと揉む・・・
「あんッ・・・だめ・・・だよ・・・も・・・あーくんとまーくんがかえってきちゃ・・・」
「大丈夫、大丈夫」
いつにも増して、ヒスイを抱きたがるコハク。
時計も見ずに、あと1回できる、と。強引に押し切るのはいつものことだ。
(ヤれる時にヤっておかないと!!ヒスイ不足で死ぬ!!)
徹夜で池を作り、夕べは一緒に眠ることもできなかった。
しかも今夜は、任務で家を空けなければならない。
“ヒスイ不足”に陥ると、凶暴性が増すなどの症状が出るため、その予防の、いわばヤリ溜めだ。
「あん・・・ぁ・・・」
お尻を揉まれているうちに、ヒスイも段々その気になって。
とろッ・・・膣口から愛液が垂れた。
窪みを伝って、前方へと流れ込む・・・包皮を割って微かに芽を出したクリトリスも濡れていた。
「ヒスイ、ちょっとだけ腰あげて」
「ん・・・」
コハクはヒスイの陰部に手を入れ、指先をクリトリスにはりつけた。
「あッ・・・んんッ!!!」
強めに擦って、成長を助ける・・・
「おおきくなぁれ」
そう言って、コハクが指を動かすと、ヒスイのそこは本当に大きく膨れ。
ほんの少し包皮をずらされただけで、ぽろり、だ。
「あ・・・おにぃ・・・」
コハクの指が拾って、押し戻す。と。
「っあッ!!あ!!!」
ぶるるッ!!ヒスイのお尻が震え上がった。
指を被せられた、その一点から、快感の波が起きて。どっと膣に押し寄せる。
「あ〜・・・・・・!!!」
溺れて、息が苦しい。このまま、頭のてっぺんまで飲み込まれてしまいそうだ。
「あッあ・・・あぅ・・・うぅんッ・・・」
得も言われぬ快感に沈んでいく中、唯一の拠り所であるペニスを求めて。
ヒスイはひっきりなしに腰を揺すった。
「よしよし、今あげるからね〜・・・」と、コハク。
ヒスイは、潰れかかった四つん這いで、後ろを振り返り。
挿入のため、コハクがペニスの根元・・・自身の茂みに指を忍ばせるところを盗み見る・・・が。
「ん?」
そこでコハクと目が合い、どきり。慌てて前に向き直る。
「挿れるね」
脇腹に手を添えられ、にゅくッ・・・膣口に亀頭が捻じ込まれると、ヒスイは逃げ腰になり。
「あ、まっ・・・おにいちゃ・・・」
「ヒスイ?」
「なか・・・も・・・ぶよぶよ・・・だよ?ゆるい・・・かも・・・だし」
期待に沿えないかもしれないと、すまなそうな素振りを見せた。照れ全開だ。
「ヒスイ・・・」(か・・・可愛いぃぃぃぃ!!!)
ヒスイの膣がどんな状態でも、愛し尽くす自信がある。
コハクは亀頭が抜けてしまわないようヒスイの下腹を支え、その背筋に舌を這わせた。
肩甲骨の辺りを、上から強く吸って。
「あッ!!んぅ・・・ッ!!」
コハクの口づけに、ヒスイが悶えると、くちゅくちゅ、亀頭が膣粘膜に擦れ。
「っひッ・・・あぅぅ・・・ッ!!!」
自分で自分を追い詰めてしまう。抜け出せない、快感の連鎖に陥っているのだ。
「あ・・・ふぁ・・・」
膠着したまま、じわじわとペニス先端の熱に侵され、膣から溶け出た愛液が、ぽたぽた、ぽたぽた、落ちる。
待ったをかけておきながら、膣は挿入を望んでいるのだ。もはや、誤魔化せない。
「ヴ〜ッ・・・」
恥ずかしくて、頭に血が昇る。ヒスイはぎゅっと目を閉じた。
それを見たコハクは、これ以上ないくらいに優しく笑って。
「大丈夫だよ、ヒスイ」と、声をかけた。
「ゆっくり息を吐いて・・・うん、その調子」
「は・・・・・・ぁ・・・・・・」
言われた通り、息を吐く・・・ずくずくずく、と、膣にペニスが仕込まれて。
「あッ・・・」
満タンを知らせるように、ヒスイの背中がしなった。
「ヒスイのなか、すごく気持ちいいよ」
「ほ・・・んと?」
「うん」
「よか・・・ったぁ・・・」
気持ちがいい、と言われて、気持ちがいい。セックスの、基本。
ヒスイは嬉しくなって。コハクの茂みにお尻を擦り付けた。
「んッ・・・おにいちゃ・・・あ・・・あぅッ・・・」
自ら腰を上げ、奥まで差し出す行為は、愛と呼ぶ他にない。
もちろんそれは、コハクにも伝わって。
「ヒスイ・・・」
(ああぁぁ・・・好きだ!!!めちゃくちゃにしたい!!!)と、感動の嵐だ。
勃起ペニスはいっそう硬く尖り。
「・・・好きだよ、ヒスイ」
コハクは愛の衝動のまま、それをヒスイの奥にくい込ませた。
「んぅッ・・・!!!あッ!!あぁぁぁッ!!!」
お尻に腰を押し付けられて、ヒスイの背中が反り返る。
「!!あッ・・・あぁぁぁぁん!!!!」
ググッ!コハクが深く腰を入れると、ヒスイは今日一番の、艶かしい声で喘ぎ。
「あ・・・とけ・・・ちゃ・・・ぅ」シーツを掴んで悶絶した。
ペニスの熱を感知して、ヌルヌルと。膣は、溶けるものなのだ。そう――
愛する男の体温で、蕩けるようにできている。
「あッ!あッあッあッあッ、あッあッあッ、あッ、あッ、あ・・・あッ・・・」
熱狂的な突き上げを受けている間、ドロリとしたものが奥の方から何度も出てきて。
すべての輪郭が曖昧になり、膣だけでなく頭の中までドロドロに溶けていくようだった。
何も考えられないまま、コハクのペニスに身を任せ。
「あ・・・はぁ・・・おにぃッ・・・!!!」
膣を完全に開かれて、絶頂への扉も開く。そこに、子宮と一緒に押し出され。
「あ、あ、あ・・・」
オーガズムの到来。蕩けていた膣が、信じられない力で締まる。
「あ・・・おにちゃ・・・」
「うん」
そしてコハクは、本日3度目の射精をし。
愛するヒスイの子宮へと精子を奉納した。
「お疲れ様」と、ヒスイをキスで労ってから。
コハクは、着替えを取りにベッドを出た。ところが。
「・・・どういうことだろう。これは」と、裸のまま両腕を組む。
「服が・・・一着もない」
クローゼットも衣裳部屋も。帽子、靴、バッグ類は残っているが、下着からエクソシストの制服まですべて忽然と消えていた。
ランドリーボックスの衣類も、外に干した洗濯物も、行方不明だ。
本当に、着るものが何もない。
そこで双子の顔が浮かんだが・・・
(子供の悪戯にしては出来すぎてる・・・)
服の数も下着の数も相当なもので。気付かれずに、そのすべてを隠すなど、魔法を使わなければ不可能だ。
「何か・・・悪戯道具でも手にいれたかな」
コハクは苦笑いを浮かべ。
(さて、どうしようかな)
こちら・・・国境の家。
ここにも、驚きで唖然とする人物がいた。スピネルだ。
「あーくん、まーくん・・・何してるの?」
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