“その日”は、突然訪れた。


モルダバイト城、王室にて。

「シトリン?どうかした?」
現在の王であるジンカイトが、王妃シトリンに尋ねる。
「いや、窓辺にこんなものがな」と、シトリン。※人型※
それは・・・20cm以上ある、棒状の氷の彫刻で。
男性器をモチーフにしたように見える。
しかしそれはあくまでジン目線の話であって、シトリンは気付いていないようだ。
「なんだ、これは。キノコの像か?」
気色が悪いと、氷ペニスを訝しげに眺めた挙句・・・ふんッ!片手で握り潰し、粉々に。
(うわ・・・)←ジン、心の声。
なんとなく他人事とは思えない気がして。
同情の眼差しで、砕け散った氷ペニスを見ていた・・・のだが。
「・・・シトリン?」
キラキラ光る破片越し、シトリンの姿が消えていた――



エクソシスト正員寮、405号室にて。

「ね〜、コクヨ〜、見てぇ。これ、オ○ン○ンみたいじゃなぁい?」と、アクア。
シトリンと同じく窓辺で見つけた氷ペニスを、コクヨウの目前まで持ってゆき。
「ほらぁ、こ〜やってぇ、おっぱいで挟んでぇ〜」
アクアは、胸元が大きく開いた服を着ていることが多いが、今日もそう。
巨乳の深い谷間に、氷ペニスを挟み、色っぽく見せつける。
コクヨウを誘惑しているのだ。
「コクヨ〜のオ○ン○ンも、パイズリしたげよっか?」
「興味ねーよ」と、コクヨウ。※人型※
近付けられたアクアの胸元から、露骨に顔を背けるのは、照れているからだ。
「んふふ♪」
これはイケると確信したアクアは、コクヨウに体を寄せ。
ジーンズの股間部を撫でた。
「あは、も〜膨らんできたよ」
「うるせぇ・・・いちいち言うな・・・」
こうなるともう、氷ペニスは用済みで。
アクアはそれを、壁に向けて放り投げた。
当然それは粉々に割れ。破片がキラキラと光る。
「!?アクア!!おまっ・・・」
「え〜???」
こうして・・・アクアの姿も消えた――



赤い屋根の屋敷、リビングにて。

「何だろ???これ・・・」
コハクが菜園の様子を見に行き、ひとりで留守番をしていたヒスイ。
手にしているのは・・・氷ペニスだ。
シトリン、アクア同様、窓辺に置かれていたものだ。
「なんか変なカタチしてるけど、氷・・・だよね?」
ヒスイは、しばらくそれを眺めた末・・・
ぺろっ。先を舐めて。ぱくっ。口に含んだ。
その時。


「何でも食うな。この馬鹿」


ヒスイに会うため立ち寄ったトパーズが、口から氷ペニスを引き抜く。
ところが、それを一目見た瞬間。
「むぐッ!?」(な・・・なに???)
再びヒスイの口の中へと戻した。
「いいか、このまま割らずに溶かせ」


「連れていかれたくなかったら、な」


「んむ・・・ッ!!」
トパーズに氷ペニスを押し込まれた拍子に、ヒスイの腰がソファーへ落ちる。
そのまま、ヒスイの顎を掴み上げ、氷ペニスをスライドさせるトパーズ。
「えぅ・・・あ・・・」
得体の知れない冷たい棒に、唇から喉まで蹂躙され。
唾液と溶けた氷が混ざり合ったものが、口から溢れ出す・・・ヒスイの顎はおろか、トパーズの指までたっぷりと濡らして。
「なかなかいい眺めだ」
「っ〜!!!」(なんかこれ・・・)
フェラチオに似て。かなり恥ずかしい。
「ふ・・・」(わたし・・・なんて顔・・・)
舌の上に氷ペニスを乗せ、頬を赤らめている・・・トパーズの瞳に映る姿が、ひどく淫らで。直視し難い。
ヒスイは視線を外そうとしたが。
「目を逸らすな。こっち見ろ。じゃないと、もっと奥まで突っ込む」
トパーズに意地悪を言われる。
「ん〜!!!!」
(そもそもなんでこんなことしなきゃいけないのよっ!!)




(早く帰ってきて!!お兄ちゃぁぁぁん!!)







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