双子9歳 ――


「コハクがいっぱいいたら、便利だと思わねぇ?」
ある日突然、アイボリーがそんなことを口にした。
「確かにそうかもしれないけど・・・」と、相棒のマーキュリーが答える。
エクソシストの仕事をこなしつつ、家事全般は完璧。料理も絶品。
とにかく器用で、手芸、園芸、芸術、対人、ありとあらゆるスキルが高く。
頭も顔もセンスも抜群な、自慢の父親・・・と、いうことは。
「使い道、多いじゃんか!コハク増やしたら、サルファーに貸し出すとかさ」
教師にしても良し。モデルにしても良し。アイボリー曰く。
「ジンザイハケン、ってやつ?儲かりそうじゃんか!」
「・・・・・・」(そんなに都合良くいかないと思うけど・・・)
「ってことで、これを使うぜ!俺は!」
アイボリーが懐から取り出したのは、『魔法代行券』。
毎年、誕生日に祖父メノウから贈られるものだ。
この券一枚で、どんな魔法でも一回使える。←孫甘やかしアイテム。
今年はコハクの分身魔法に決め。
「本物のコハクがいない今がチャンスだろ!」
こうしてアイボリーは、コハクを4人増やした・・・のだが。


「ただいまー!」


シトリンと遊びに行っていたヒスイが帰宅した。その途端。
4人のコハク・・・B、C、D、Eは、アイボリーをスルーして。
「おかえり、ヒスイ。待ってたよ」
こぞってヒスイを出迎える。
「わ!?」(お兄ちゃんがいっぱい!?)
4人の中に、オリジナルのコハクAがいないことにはすぐに気付いた、が。
(どうなってるの???)
わけがわからないまま、ベッドルームへと連れ込まれてしまう。


「ヒスイ ――」


ヒスイの頬を両手で包み、顔を持ち上げるようにして、唇を重ねるコハクB。
その間に、コハクCがヒスイの服を脱がせてゆく・・・
「おにいちゃん・・・は?」裸にされたヒスイがそう尋ねるも。
「全員、“僕”だよ」との答え。確かに、その通りだ。
「でも・・・」という、ヒスイの言葉を遮り。
コハクB、C、D、Eは、声を揃えてこう言った。
「このまま ――」


「朝までたっぷり可愛がってあげる」


ベッドの上、仰向けにされた体。
コハクBとコハクCが、両サイドからヒスイの脚を掴み、広げた。
「ひぁ・・・おにいちゃ・・・!!」
晒された陰唇は朱色の小さな花のようで。
そこにコハクEが勃起ペニスを近付ける。
「だ・・・だめだよ・・・いくらおにいちゃんでもこんな・・・あッ!!」
亀頭が中心部に触れた瞬間、ぐちゅッ・・・思った以上に濡れた音がして。
「っ〜!!!!!」
ヒスイは顔を真っ赤にした。
コハクの“区別”はできても、“差別”はできないのだ。
体は期待を隠せない。


「これって、欲しがってるよね?」


くすっ、コハクEが笑い。
コハクBとコハクCの手により、M字開脚させられたまま、ペニスの挿入が始まった。
「あ・・・あぁッ!!」
ずぷんッ・・・亀頭が膣肉の中へと消え。
続けて、太く逞しいサオが、ずぷずぷと入り始める・・・
「あ・・・ひぃん・・・」
その長さに感じて、ビクビク、内腿を震わせるヒスイ。
膣奥に到達した亀頭が、子宮口に挨拶のキスをすると。
「あんッ・・・!!」ヒスイは、ひときわ甘い声をあげ。
肉襞から、生温かい愛液を滲み出させた。
それを纏ったペニスが、ぬちゅり、ぬちゅり、膣穴で動き出す。
「はッ・・・あ!!あッ!!あうッ・・・!!」
慣れているはずのペニス・・・けれどもそこには、いくつもの視線が絡まって。
より太さを増しているように思えた。
「あッ・・・おにぃ・・・ちゃ・・・あ・・・あぁん・・・」
極上のピストンに酔い痴れ。
「んぁ・・・あ!!!」
快感を得ている証拠とばかりに、ヒスイの口元から唾液がこぼれる。
それを舐め取り、唇にキスをするのは、コハクDだ。
両サイドから、ヒスイの脚を抱えているコハクBとコハクCは、それぞれ空いている方の手でヒスイの乳房をまさぐり。
こよりを作る時のような繊細な指づかいで、左右の乳首を捻じりあげた。
「ふぁ・・・あ・・・あぁ・・・」
カラダの内側も外側も快感に支配されてゆく・・・
淫らなペニスの抽送は絶え間なく続いていて。
厚みのある括れに、粘膜ごと肉を抉られるのが、気持ち良かった。
その様子を、他のコハクに見守られるのも気恥ずかしくて。
「あッ・・・うぅぅん・・・おにぃちゃ・・・」
否応なく高まる、性的興奮。
「あ・・・はぁ・・・」
それが表情に現れ始めた頃。


「これと同じものが、ヒスイの中に入ってるんだよ」


そう言って、コハクDが自身のペニスをヒスイに見せた。
フェラチオをさせるつもりではなかったようだが、ヒスイはペニスに顔を寄せ。
裏スジに何度か舌を這わせたあと、亀頭を口に含んだ。
(おにいちゃん・・・すき・・・)
膣が夢中で味わっているものを、同時に口で味わう。
「ん・・・んん・・・!!」
それが更なる快感の呼び水となって。
コハクEを乗せたヒスイの腰がビクンと跳ねる。
「いいね、こっちもすごく濡れてきた」と、微笑むコハクE。
存分に愛液を吸ったペニスは、より強固になり、ヒスイをこれまで以上に喘がせた。
「あうッ!!あ!!あぁぁぁ!!!」
コハクEが律動を早める・・・

ぐっぷ!ぐっぷ!ぐぶッ!ぐぶッ!ぐぷんッ!

濡れすぎたヒスイの膣から、ひどく濁った音が出た。
「はぁはぁ・・・あ・・・あぁッ!!」
そのまま痙攣し、絶頂が迫っていることをペニスに知らせると。
コハクEは、ヒスイの手の甲に紳士的なキスをして。
「出すよ?」優しく耳元で囁き、射精した。


「んぁ・・・ぁ・・・あぁぁぁぁ!!!!」


精液を浴びたことで、ヒスイも達する。
コハクは決して射精を焦る方ではないが、分身はそれなりに立場をわきまえているようで。
「僕等はたぶん、オリジナルより貪欲にできてる」
コハクEは、己のペニスを美しい所作で引き抜き、ヒスイにそう告げた。
「遅かれ早かれ消える存在だからね。少しでも多く愛の証を残したい」
「お・・・にいちゃ・・・あ・・・あぁッ!!」
イキたての膣に、今度はコハクDのペニスが入れられた。
「!!ひあッ!!あぁ〜!!!」
そこはまだ収縮していて。新たなペニスにも射精を要求してしまう。
「よしよし、好きなだけあげるからね」
コハクDは笑顔でそれに応じ、射精。
「あッ!!ふぁぁぁッ!!あ・・・ぁ・・・」
ヒスイもまた達し、収縮が継続する。
その中に、次のペニスが入ってきては射精し。
ヒスイを絶頂へと導いて。収縮を絶えず更新させていった。


「あ・・・ひ・・・んんッ・・・!!」


抜け出せない、絶頂ループ。
ヒスイの膣は、狂ったように、4本のペニスから精を絞り続けていた ――



「はぁはぁ・・・あッ・・・ふぁぁぁッ!!」
射精をされているのは膣なのに、頭の中が白濁し、意識が朦朧とする。
手練れのコハクが4人も相手では、正気を保つ方が難しかった。
精液がどんなに逆流しようとも、盛んにペニスの交換が行われ。
その度に、悦びを露わにしてしまう。
股間に咲いていた小さな花は今や大輪の花となり、片っ端からペニスを誘い込んでいた。
「あんッ・・・あ!あんッ!あんッ!あッあッ・・・あぁ・・・ん」

ズッ!ズッ!ズプッ!ズプッ!

激しい突き上げの中に、キュンキュンとするものが混じる。
それは、愛あればこその感覚で。
「んッ・・・あッ・・・んんッ・・・あッ・・・はぁ・・・ッ!!」
ヒスイは、より確かなものにするために、コハクB〜Eと濃密に腰を振り合った。
「僕等の愛は――伝わってるみたいだね」
コハクのひとりが、耳元で囁き。嬉しそうに笑う。
ヒスイもまた嬉しくなって。いっそう腰を弾ませた。
「あ・・・おにぃちゃ・・・おにぃちゃぁぁぁぁ・・・!!!」



次第に、快感を知るアナルが濡れてきた。
素になる腸液は、開発され尽くした今となっては愛液と変わらない。
コハクBは、それを指先で掬って舐め。言った。


「そろそろ、こっちにもあげないとね」


コハクCのペニスを膣に入れたまま、コハクBのペニスをアナルで受け止める。
「あッ!!ん〜!!!」
ペニスと一緒に送り込まれる快感に背中を反らせると、突き出た乳首がコハクCの口の中に入った。
すぐさまそこにコハクCの舌が絡み付く。
「あ・・・あぁん・・・」
睫毛を震わせるヒスイ。
膣もアナルもそれぞれのペニスに擦り上げられ。
薄肉を隔てて結び付く、2つの贅沢な快感を、いつしか、進んで受け入れるようになっていた。
「・・・っはぁ・・・んんッ・・・あ〜!!!!」
ぐにゅぐにゅ、2本のペニスに子宮を追い回され。
内臓の位置が変わってしまうかと思うほど、ぐちゃぐちゃにされて。
それが、怖いくらい、気持ちいい。


「好きだよ、ヒスイ」


コハクEはエロティックな口づけと、愛の言葉を絶やさず、ヒスイの官能を煽り。
コハクDは、ペニスを孕んだ膣に指を紛れさせ、Gスポットを刺激しては、ヒスイに潮を吹かせていた。
「あ・・・ひ・・・ぁ・・・・ぁ・・・」



ベッドルームのドアの隙間から、双子兄弟がこっそり覗いていた。
「・・・どうすっか、アレ」と、アイボリー。
「僕に聞かないでくれる?」と、マーキュリー。
ヒスイが嫌がっているようには見えないが、このままではマズイと子供心に思う。
「・・・兄弟増えたりして」アイボリーが呟き。
「・・・かもね」マーキュリーが相槌を打つ。

・・・と、その時。

「どうして“僕”がこんなにいるのかな〜?」
振り向くと、本物のコハクが満面の笑みで立っていた。
「!!!!!」×2
この状況で、怒られない訳がない。
「・・・あーくん、一枚貸しだからね」
マーキュリーは素早く自身の『魔法代行券』を取り出し、コハクの分身を消すことに使用した。
4本のペニスから解放されたヒスイは、ベッドに倒れ込み。
「ヒスイ・・・!!」
コハクはベッドルームへと入っていった。




「お・・・にぃ・・・ちゃ?」
ヒスイを抱き起こそうとするコハクだったが。
「だめ・・・わたし・・いますごく・・・えっちになってる・・・から・・・」
ヒスイは、コハクに触れられることを拒み。
「・・・気持ちよかった?“僕”とのセックス」
コハクが尋ねると、こくり、頷いた。
「ならいいんだ」
余裕の笑顔でそうは言ったものの。内心、悔しくてしょうがない。
自分への嫉妬で身を焦がす、一番不毛なパターンだ。
(わかってはいるんだけどね)


“セックスは、甘く、優しく、気持ちよく”


(でも、今夜はちょっと・・・無理かもしれない)
上着を脱ぎ、ズボンのジッパーを下ろすコハク。
「ヒスイ、見てごらん」
思惑あり気な声でヒスイを呼び。
「ん・・・」
ヒスイが見上げる・・・そして。
「っ!!ふぁんッ!!」
コハクの勃起を目にした途端、凄まじい勢いで膣が縮み上がった。
さっきまでの快感がフラッシュバックし、達してしまったのだ。
「や・・・こんな・・・つもりじゃ・・・な・・・」
美少女顔を羞恥に歪め、半ベソをかくヒスイ。
コハクは苦笑いでヒスイを抱き上げ、頭を撫でた。
「コレ見ただけでイッちゃうなんて、“僕”に相当仕込まれたみたいだね」
それを確認するために、わざと見せたことは言わずに。
「おに・・・ちゃ・・・ごめ・・・」
「ヒスイが悪いわけじゃないよ」


「おにぃちゃ・・・だめ・・・またイッちゃ・・・」


「僕のでは、まだちゃんとイッてない、でしょ?」
コハクの手がヒスイの両膝を掴み、広げる。
「そ・・・だけど・・・あッ!あぁぁぁ!!!!」
ぬりゅぅぅぅ・・・
捲れた陰唇を更に捲るようにして、コハクがペニスを入れてきた。
「ひッ・・・んぁ・・・あぁ・・・ッ!!!!」
再びペニスを得た膣から、腰、背中、うなじに至るまで、ビクッ!ビクッ!ビクンッ!!と、快感が走り抜け・・・ビクビクビクンッ!!!瞬く間に全身へと行き渡る。
「ああ、やっぱりここが緩んでる、ね」と、コハク。
ヒスイの股間に密着させた腰を捻って、膣奥を探り。
精液まみれになっている子宮口に亀頭を嵌め込んだ。
「いいかな?」一応、了解を取ってから。

ゆっくりと子宮口を開く・・・

「ん・・・ふぅ・・・」
ペニスを子宮に迎え入れながら、コハクと口づけを交わすヒスイ。
湧き上がる淫らな感情を知らせるかのように、両手でコハクの髪を掴んで、一心不乱に唇を重ねる・・・が。
「ひぁうぅッ!!あ!!あー・・・ッ!!!!」
射精が始まると、キスを中断し。高々と声をあげ、体を硬直させた。
大量の精液が天井を叩き、子宮のカタチに沿って流れる。
「あ・・・あ・・・ひ・・・ぃん」
射精が済むと、子宮に入った亀頭が抜かれ、膣穴を引き返していった。
「んぁ・・・んぁぁッ・・・!!!」
ペニスを産んでいるかのような異質の快感に。
絶頂を超える絶頂がヒスイに訪れた。

「んふぁ・・・」

薄く開いた唇の間で、少女ちっくな舌が揺らめき。
コハクへの愛を示すハート型の光が瞳の奥に宿る。

「うん、いい顔」

コハクはキスを再開し、「好きだよ」と、告げた。
それでもまだ、コハクの気は済まないようで。
ヒスイをうつ伏せに寝かせると、片手で腰を持ち上げた。
ヒスイの尻穴に指を入れ、精液を掻き出しながら。

「次はこっちだよ、ヒスイ」



・・・そう言ったコハクと目が合ったのは、アイボリーだ。
先程と同じ場所で、マーキュリーと共に立ち尽くしていた。
にっこり、コハクに微笑みかけられ、ゾッと背筋が寒くなる。
島流しにでもされそうな気配だ。
「コハクが増えたらどうなるか、よーくわかった」と、後ずさりするアイボリー。そして。


「―― 逃げろっ!!」




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