エクソシスト正員寮。405号室。


人型で寛いでいたコクヨウ・・・だったが。
突然、悪寒がして。全身、鳥肌。
「なんだ???」
その原因は、すぐさま明らかになった。
「ただいま~」と、アクアが帰宅し。
「今日はねぇ、すっごいお土産があるんだよぉ~」
堂々と公開される、ペニスバンド。
目にした瞬間、コクヨウの顔から血の気が引く。
「今日はこれで~、コクヨ~を気持ちよくしてあげる~」
「そんなモンで気持ちよくなれるわけねぇだろがっ!!」
コクヨウが怒鳴り散らす一方で。
「はぁ~い、両手こっちね~」
早くもアクアのペース。
実は、大人のオモチャをもう一つ隠し持っていた。拘束用の“指錠”だ。
「そうそう~、親指揃えて~」
ペニスバンドにばかり気を取られていたコクヨウは、あっさりアクアの罠に嵌り。
「んなっ・・・!?」
いつの間にか両腕の自由を奪われ、うつ伏せに転がされていた。


「おまたせ~!」


全裸にペニスバンドを装着したアクアに腰を掴まれ。
コクヨウの心拍数が嫌な具合に跳ね上がる。
「それじゃあ、イクよぉ~!」
「!!いきなりかよ!?」
ズボンと下着を同時に引き摺り下ろされ、思わず声が裏返るコクヨウ。
男女逆ではあるが、後背位で。
「やめっ・・・入るわけねぇっ!!!うぁ・・・!!」
アクアは、コクヨウのアナルに疑似ペニスの先を無理やり埋め込んだ、が。
すぐに押し出され・・・一向に開く気配がない。
何度やっても結果は同じ。赤く充血してゆくばかりだ。
「いっ・・・てぇんだよっ!!やめろって・・・」
「ママのお尻には~、パパのお○ん○ん、ちゃんと入ったもん。大丈夫だよ~」
「“開発済み”と一緒にすんな!!ボケ!!」
「でもぉ~、コクヨ~のお○ん○んだって、大きくなってるよ~?痛いの結構好きだったりして~」
「そんなんじゃねぇ・・・よっ!!」
それは、アクアが・・・
肛辱の合間にじゃれついて、たわわに実った胸を背中にのせてくるからだ。
「やるならやるで、勉強してこい・・・っ!!」
コクヨウは、ついに自棄になって叫んだ。するとアクアは。
「一応、パパとママのとこで勉強してきたんだけど~?」
心外そうに、唇を突き出した。
「アクア、勉強きら~い。いいじゃん、勉強しなくたって、死ぬわけじゃないし~」
「そりゃ、テメェは死なねえだろうが・・・」
(テキトーにケツ掘られたら、オレが死ぬんだよ!!クソッタレ!!)



その時――アクアの携帯が鳴った。



「もしも~し、あ、クジャぁ?」
バイト仲間からの電話のようだ。
これによって、強制挿入は一時中断となり。
コクヨウがホッとしたのも束の間・・・。
少しの間、仕事の話をして、次の話題へ。
「そ~、今、ペニバン使ってるんだけど~、なかなか入んなくて~。え~?ローション?そ~なのぉ?」
お喋りを続けながら、キッチンの方へと移動するアクア。
それから数分・・・電話を切って、戻ってきた時には。
ペニスバンドが、進化を遂げていた。卑猥なヌメリを帯びている。
「おまっ・・・なんだ・・・そりゃ・・・」
「んふふ。卵白だよ~」
どうやら、ローションの代用らしい。
「玉子、買い置きしといて良かったぁ~。これでひとつになれるよぉ~」
「いやだ・・・なりたくねぇ・・・」
コクヨウが、必死に床を這い回るも。“S”の捕獲力の前では無力だ。
再び後背位で、マウントポジションを取られてしまう。



「!!ち・・・っくしょう・・・」
先程までとは明らかに違う挿入感。
滑って、押し戻すことができない。
「うう・・・っ!!!」
皺に沿って中心を突破され、コクヨウの口から嗚咽が漏れる。
もうこのまま受け入れるしかなかった。
声を殺し、疑似ペニスによる開門に耐えていると。
「コクヨ~はぁ、キスもエッチもサンゴちゃんが初めてでしょ~?」


「アクアだって、ひとつくらいコクヨ~の初めて欲し~の」


「・・・・・・」
なんとなく、もっともらしい、アクアの言い分に。
つい、流されそうになるコクヨウだったが・・・
「そういう問題じゃねぇ!!」と、辛うじて踏み止まる。
「女が男のケツにブチ込むなんて、おかし・・・っあっ!!」
大声を出すと、穴まわりに痛みが走る。何もかもが手遅れだった。
「はぁはぁ・・・も・・・やめろって・・・」
アクアは見事な腰使いで、疑似ペニスをまるで生き物のように動かしていた。
腸内を食い荒らされる音が、ぬっちゃぬっちゃと、腹部に響く。
(な・・・んだよ・・・これ・・・あり得ねぇ・・・)
“痛い”はずが、“気持ちいい”。M的快感に翻弄されるコクヨウ。
「!!く・・・うぁ・・・ッ!!」
時折、ひどく感じて。体を震わせるようになっていた。
「はぁっ・・・!はぁっ・・・!」
羞恥と屈辱と・・・驚きと戸惑い。怒りはあるが・・・憎しみはない。
心も体もアクアを生涯の伴侶として認めているため、抗いきれないのだ。
「んふふ・・・コクヨ~、可愛い~」
アクアの手が、コクヨウのペニスを掴む。
「!?なにすん・・・」
扱かれれば、こんな時でも、ぐんと伸びて、硬くなる。
アクアはそれを操縦桿として握り、コクヨウに腰を振らせた。
「バカッ・・・やめ・・・」
「あっ・・・いいカンジぃ~・・・」
アクアもまた、一緒になって腰を振り。楽しそうに乳房を揺らす。
腰の振り合いを5分ほど続けた後・・・
「そろそろイかせてあげる~」と、アクア。
コクヨウの嚢のヒダを優しく手で撫で。
ふたつの玉を擦り合わせるようにして揉んだ。
カウパー濡れした切っ先に、爪を割り込ませ。尿道口を刺激すると。
「はぁっ!はぁはぁ・・・!!」
コクヨウの息が一段と激しく乱れた。


「はっ・・・っあ・・・あ・・・はぁはぁ・・・」


何が、何処が、気持ちいいのか、もうわからない。
精を放った瞬間、あらゆるものから解放され――すべての感覚を失うコクヨウ。
糸の切れた操り人形が如く、一気に床へと崩れ落ち。
ぴくりとも動かなくなった。
「あれぇ~?コクヨ~???」



「・・・・・・」
気が付くと、見慣れぬ天井。
コクヨウは、診察台の上で横になっていた。
(病院???じゃねぇ・・・)
雰囲気は限りなく近いが、医療プレイ用にリフォームされた客室。
ここは、赤い屋根の屋敷だ。
「大丈夫?」と、コハクが部屋に入ってきた。
「アクアがね、気絶した君を、ここまで担いできたんだよ。“コクヨ~が不能になった”“ど~しよ”って」
事情を知ってはいるものの、さすがに驚いたと話す。
「塗り薬持ってきたんだけど、使う?」
「いらねぇよ!!ででげ・・・」
「じゃあ、こっちを」
コハクは、のど飴をコクヨウの口に放り込んだ。それから。
「声が枯れるほど、喘いだ?」と、笑う。
「・・・・・・」(このドS親子が!!)
しかし、正直今は、虚勢を張る気力すらなかった。
顔を合わせまいと、黙って体の向きを変えようとしたところで。
不意に、コハクに肩を掴まれ。
「本当に災難だったね。でもこれは――」


「男として、なかなかケジメをつけない君への罰だ」


「・・・なんてね」
穏やかな口調だが、冗談に聞こえないから、怖い。
「まあ、これに懲りたら、指輪のひとつでも買ってあげることだね」



ゆっくりしていって、と、コハクに言われたものの。
「・・・クソッ!」
根性で体を起こす。と、そこに。アクアが顔を出した。
「コクヨ~?無理しないほ~がい~よ?」
「大したことねぇよ」
強がりを言って、床に両脚をつくコクヨウ。
鈍く深い痛みが残っているが、今は構ってなどいられない。
立ち上がった理由は、ひとつ。
「指輪、買いに行くぞ」
「!!うん!!イクイク~!!」



「ね~、コクヨ~。指輪買うの、初めて?」

「初めてだよ!!文句あっか!?」

「ん~ん~!ないっ!アクアが、超~嬉しいだけ!!」





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