これ以上先に進んだら、理性も何もなくしてしまう。
(するんなら・・・いましか・・・)
意を決し。コハクの下で更に小さくなるヒスイ。
頭の位置をずらし、コハクの胸元に唇を寄せる・・・
「・・・ん?」と、コハク。
何をするのかと思えば、恐る恐るコハクの胸をまさぐり。ちゅっ・・・くちづけ。
ヒスイなりのおっぱい責めだ。
(や・・・やっちゃったぁぁぁ・・・)
次の瞬間、カーッと一気に赤くなる。
「っ〜!!へんなことして、ごめ・・・」
ヒスイは羞恥パニックに陥り、あたふたしている。早くも涙目だ。
(可愛いなぁ・・・)
コハクは笑って、ヒスイを懐に抱き込んだ。
「気持ち良くしてくれようとしたんだよね。ありがとう、ヒスイ」
その気持ちが嬉しい、と、しっかり伝えてから、キス再開――
「あ・・・おにい・・・」
目を閉じきる前に、唇が掴まってしまう。
「ん・・・ふ・・・」
舌と舌が絡まって、ほどけない。
深く、浅く、唇が触れ合う度、官能の波が押し寄せる。
ヒスイはうっとりとコハクのキスを受けた。
(おにいちゃ・・・きもちい・・・)
コハクのまだ少し湿った毛先を指で摘むのが精一杯で。
もう自分から責める力は残っていない。
「ふ・・・はぁ・・・」
舌がほどけ、唇が離れる頃には、すっかりいつものヒスイに戻って。
コハクに身を捧げていた。
「ヒスイはもう知っていると思うけど、僕はね――」
コハクはそんなことを話しながら、ヒスイの脇下あたりから、腰骨まで、薄いボディラインに沿って、ゆっくりと撫でた。
「尽くされるより、尽くすほうが好きなんだ。だから、今夜も――」
「尽くさせて?」
ヒスイの鼓膜に響くその声は、限りなく甘く。全身がざわめく。
お臍の裏側が熱を持ち、吐く息も自然と熱くなった。
「はぁはぁ・・・おにぃ・・・ちゃ・・・んッ!!」
コハクの唇がヒスイの乳首に被さる。
「んんッ!!あ!!」吸われた途端に勃ち。
じんじんとした快感が乳房を巡る。
「は・・・あん・・・」
乳首は蕩けて、ねっとりと。コハクの舌にくっついていた。
「はふ・・・あ・・・」
側位でヒスイの片脚を持ち上げるコハク。
「あ・・・おにぃ・・・」
開きかけているヒスイの陰唇と、自身の唇の方向を揃えてキスをした。
「ひぁ・・・あッん!!」(これ・・・はずかし・・・)
唇と唇がぴったり合わさり。
「んッ・・・ぅ・・・!」
本物の唇にするのと同じようにするから・・・堪らない。
上下を軽く啄んだり、強く全体を押し重ねたり、そっと表面を舐めたり。
「!?ふぁッ・・・あ・・・」
愛を実感した陰唇・・・肉ビラが、より濃厚なキスを欲しがり。
コハクの口元で、にゅちゅにちゅ、音をたてて動いた。
「や・・・も・・・やめ・・・」
本心なのか、そうではないのか、自分でもわからないまま、口走るヒスイだったが・・・
その言葉はあえて聞き流され。
「ヒスイのココは、キスが好きだね」
涎に見立てた愛液を、指で拭ってコハクが言った。
「いいよ、もっとしようか」
優しく笑いながら、そこに唇を当て。ほつれ目に舌を入れた。
「!!っあッ!!あ!!」
シーツを掻き毟り、喘ぐヒスイ。
腰、肩先、頭・・・体の曲線に快感が走る。
膣内も痺れて。コハクの舌にされるがままになっている。
「あッあッ・・・ん、あぁ・・・」
膣の深いところで、コハクが舌先を遊ばせる。
濡れ肉の中、ぐぷぐぷと音が鳴り響き。
そこからどんどん快感が広がって。
「う・・・ぁ・・・あぁッ!!」
(お○ん○んまだ・・・なのに・・・きもち・・・よすぎ・・・て・・・がまんできな・・・)
「あッ・・・きちゃうっ!!おにいちゃ・・・あ!!」
持ち上げられた足が震える。
舌で淫らに繋がれ。到来する飛翔感から逃れる術がない。
「あ・・・あぁ・・・ッ!!!」
高い声を発し、ヒスイが達すると、コハクは舌を抜き。
ヒスイの体を仰向けにして、上からその姿を眺めた。
(うん、やっぱりコレだよね)
愛らしくハの字になった眉と、下がり気味の目尻。
左右の頬は真っ赤に熟れて。
口の端は完全に力が抜けている。
“気持ちいい”涎を止めることができない。
(僕にとっては――)
感じてるヒスイの顔が、ご馳走だから。
ヒスイが落ち着くまで少し待ってから。
「好きだよ、ヒスイ」
手の甲にキスをして。いつもの告白。それから。
伸ばした状態で両腕をベッドにつき、ヒスイの顔を見ながらペニスを挿入した――
「あッ!!んぁッ!!あぁ・・・ッ!!!」
コハクの腕を掴むヒスイ。
背中を反らし、膝を開き倒しながら、迎え入れる。
途中、ブルッ・・・震えて。
コハクが収まりをつけると、くの字に曲げたヒスイの両脚がビクン!と一回跳ねた。
「・・・ね、ヒスイ。僕の顔、気持ち良さそうに見えない?」
「ん・・・はぁ・・・」
「気持ちいいよ、ずっとこうしていたいくらい」
「はぁっ・・・はぁっ・・・ん・・・」
声をかけられたヒスイは、懸命にコハクの顔を見ようとしていたが・・・
「あッ・・・うぅんッ・・・」
膣内のペニスが気になって、どうしても視線が定まらなかった。
絶頂のあとで、敏感になっているのだ。
「んッ・・・ふ・・・ッ!!」
コハクの下、体を捻じり、悶えている。
そんなヒスイの髪を撫でながら、キスを繰り返すコハク。
「僕も気持ちいいんだ、わかるよね?」
何度もそう言い聞かせた。
どこまで効果があるかわからないが、ヒスイは頷き。
「よしよし、いい子だね」
ご褒美とばかりに、コハクはペニスの抽送を開始した。
「んぁッ!!はッ・・・あ!!あッあッあッ・・・んッ!!」
ずぷッ!ずぷッ!ずぷんッ!!ぱちんッ!ぱちんッ!
「んひッ!!あ・・・!!」
肉の矢尻で内側を深く抉られる快感のあと、肉の重しで外側を甘く叩かれる。
男性器の二重の快感をたっぷりと、余すところなく味わって。
「あ・・・あぁッ・・・!!ひッ・・・あ・・・あんッ!!あんッ!!あうん・・・ッ!!」
突き上げられながら、翡翠色の瞳も一緒に揺れ動く。
鼻先、額、頭のてっぺん、あらゆる場所から快感が突き抜け。
蕩けていた筈の乳首までも、ピンと張って。気持ちいい。
「あッはッ・・・おにい・・・んくッ!!あッ・・ふぇッ!?」
すっかり滑りの良くなった膣肉が、突き込みの勢いのまま、亀頭を子宮まで運び込み。
「――!!!!!」
その瞬間、ヒスイが昇り詰めた。
白い光が瞼の裏で弾ける。
「あ・・・あ・・・ひ・・・」
追って、子宮の中に熱い精液が沸き上がった。
「!!んふぁぁぁぁッ!!!」
「あ・・・おにぃ・・・ちゃ・・・」
コハクの綺麗な顔が近付いてくる・・・が、ぼやける。
「ん・・・・・・」
唇にキスをしてくれているのは、なんとなくわかったが。
そのまま意識が吹き飛んだ。
「す・・・き・・・」
最後にそう言い残して。
「僕もだよ、ヒスイ」
手慣れた様子でヒスイのアフターケアを済ませ、自身もジーンズを穿く。
それから・・・
「どうだった?」と、コハク。
その声は、息子アイボリーに向けられていた。
「やっぱわかりづれーよ」
そう言いながら、夫婦の部屋に入室するアイボリー。
「そんなにわかりにくいかな?昔、アクアにも言われたんだけど」
コハクは苦笑いだ。
「表情があんま変わんねーよな、コハクって。心ん中は違うんだろーけど」
アイボリーはそこまで言って。
「俺にいい案があるぜ」と、続けた。
「へぇ、何?」
「ちょっと屈んで、目つぶれ」
「こう?」
すると、キュッキュッキュッ・・・両頬にマジックペンの感触。
「・・・何これ」
スタンドミラーで確認するコハク。
「よく漫画であんだろ!ほっぺに////ってヤツ」
“照れ”の描写、と、アイボリーが胸を張る。
「これでコハクも照れてるように見え・・・」
「あーくん?コレは何の冗談かな?」
拭いても、落ちない。強力油性。
「じょ・・・冗談じゃねーし・・・」
コハクの怒りを察知し、アイボリーの声が小さくなる。
「お揃いにしようか、あーくん」
マジックペンをひったくり、コハクが笑顔でにじり寄る。
「俺はいい!自力で出せる!!」
「まあ、そう言わずに」
その時。
「う〜ん・・・」と、ヒスイの声。意識が戻ったのだ。
「!?お兄ちゃん!?何、その顔・・・」
驚き、目を丸くする。
そして・・・お腹を抱えて大笑い。
「あははっ!!漫画みたいだよ、お兄ちゃん」
「・・・・・・」
アイボリーには逃げられてしまったが。
(まあ、いいか。ウケてるし)
笑ってるヒスイの顔も、ご馳走だから。
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