赤い屋根の屋敷、裏庭にて――
「・・・ん?」と、コハク。
青空と洗濯物を眺める。
「・・・・・・」(どういうことなんだろう、これは)
この日。ヒスイ、ではなく。コハクの下着が盗まれるという事件が起きた。
それから数日・・・
ふあぁぁっ・・・欠伸をしながら、ヒスイが二階から下りてきた。
当然、コハクのシャツ一枚で。
いつも通り、リビングの専用クッションで昼寝をし始めた。
そこにアイボリー登場。マーキュリーもいる。
「うし!寝たな」
「・・・本当にやるの?あーくん」
「当たり前じゃんか!コハクもぜってー喜ぶって!」
そう言いながら、アイボリーが取り出したのは・・・コードレスのローター。
トパーズの協力を得て、マーキュリーが作ったものだ。
悪戯に気乗りしない様にも見えるが、その割にはかなり凝ったローターである。
一般的なものより小型※あえて※だが、機能満載だったりする。
「んで、これだよ!これ!やっぱトパーズは一味違うよな!」
スプレー用の小瓶に、透明な液体が入っている。
アイボリーはそれをありったけローターに噴きかけた。
「かけ過ぎだよ」という、マーキュリーの忠告を聞かずに。
「どうせなら、ヒスイにも気持ち良くなって貰おうぜ!」
アイボリーがローターに噴きかけた液体は、開発者トパーズ曰く、コハクのフェロモン的なものらしい。
アイボリーが盗んだコハクの下着から、ありとあらゆる技術を駆使して抽出したフェロモン。
ヒスイを発情させるために使うのだという。
「えげつないけど、トパーズは頼りになるかんなー・・・よし」
準備完了――と、進化型ローターを手に、アイボリーがヒスイの傍へ寄る。
「ん・・・むにゃむにゃ・・・」
ヒスイは寝返りを打ち、体を横にしたところだった。
いい感じに裾が捲り返り、コハクに愛され尽くした女性器が見えている。
くちっ・・・そこにローターの先を埋めるアイボリー。
「お、すげ・・・」
フェロモンの効果か、押し込まなくても、自然とヒスイの膣内へ引き込まれていく・・・
「ん・・・はぁ・・・ん」
ぐぷんっ!ローターを丸々飲み込み、幸せそうな吐息。
「・・・どうだ?」と、アイボリー。
「起きないね」と、マーキュリー。
ヒスイはローターの挿入に気付いていないのか・・・
「あ・・・ん・・・おにい・・・」
セックスの続きを思わせる寝言を漏らしつつ、いつもと変わらぬ調子で眠っている。
双子の狙い通りだ。
「よっしゃ!次はコハクだ!」
――家庭菜園にて。コハク。
今年も豊作だったため、バーベキューパーティーを行うことにした。
身内への声掛けも済ませ、せっせと野菜を収穫しているところだった。
「おーい!コハクー!」
アイボリーが率先して駆けてくる。マーキュリーはずっと後だ。
「あーくん?どうしたの?」
「聞いて驚くなよ!」
ヒスイにローター入れてきた!
「へ〜・・・そう」
コハクの顔つきが変わる。
笑っているが、笑っていないものへと。
「どういうことか、説明してくれる?」
「コハクに喜んで貰おうと思ってさ!遠隔操作できんだよ!リモコンは・・・あ」
「・・・ん?」
「・・・どっかに落としたっぽい」←アイボリー、冷や汗タラタラ。
「・・・・・・」
今ここで、コハクにリモコンを渡せば、許されたかもしれない、が。
「ははは、やってくれたねぇ・・・あーくん?」
にこやかに、コハクが拳を鳴らす。
「!!」
危険を察したアイボリーがダッシュで逃げる。
すぐさまコハクが後を追うが。
子供達の中でも、断トツにコハクの“お仕置き”をくらっているアイボリー・・・
発達した脚力と独自の逃走ルートで、簡単には捕まらない。
こうして、父子の本格的な追いかけっこが始まった。
一方、こちら、リビングのヒスイ。
「も・・・おにいちゃ・・・てばぁ・・・」
引き続き寝言を交えつつ、ご機嫌な睡眠を貪っていたが・・・
「――!?」
膣内の異変に飛び起きる。
誰かがリモコンのスイッチを入れたのだ。
「えっ・・・ちょっ・・・なに!?」
ヒスイが下腹に手をやる。
消音タイプのため、音こそしないが、内側が激しく振動している。
コハクとのセックスを終えたばかりで、快感麻酔が効いていたせいなのか、ヒスイはそれを“ローター”と認識できなかった。
「!?あ・・・ッ!!んッ!!」
振動はどんどん強くなり。堪らず、お腹を抱えて蹲るヒスイ。
「はぁっ・・・はぁっ・・・」
膣襞が痺れる。その痺れは徐々に膣全体へと広がっていき。
そのうえ、振動元となっている一点がひどく熱をもっていた。
(これ・・・もしかして・・・あそこの病気とかじゃ・・・!?)
不安になったヒスイは、声を振り絞って、コハクを呼んだ。
「〜っ!!おにいちゃ!!おにいちゃぁんっ!!!」
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