赤い屋根の屋敷、リビング――
いつものように過ごしているヒスイに、アイボリーが言った。
「なー、ヒスイ」
「んー、なに?」
「俺さ・・・」
「“髪コキ”やってみたいんだけど」
「・・・は?」
クッションから顔を上げ、ヒスイが聞き返す。
言葉の意味がわかっていない様子だ。
アイボリーは、クッションの側でしゃがみ込み。こう説明した。
「ヒスイの髪を、ひとりえっちに使わせて、ってこと」
「髪???」
ヒスイは少し考えてから。
「私は別にいいけど、お兄ちゃんに聞いてみないと・・・」
「じゃ、コハクんとこ行こうぜ!」
「うん」
コハクは一階のバスルームにいた。
その手には、デッキブラシ。掃除中なのだ。
「――で、あーくんが“髪コキ”っていうの?試してみたいんだって」と、ヒスイ。今日も暢気だ。
「・・・・・・」
コハクは当然、どういうものか知っている。
「・・・じゃあ、あとは、あーくんと僕で話すから」
「ん!」
男同士の方が良いと思い、ヒスイはそそくさとその場を去った。
そして――
コハクがリビングにやってきた。
「お兄ちゃん!どうだった?」
駆け寄るヒスイにキスをして。
「部屋で待ってて」
「うんっ!」
夫婦の部屋にて。ヒスイ。
(お兄ちゃんもするのかな?)
だったら〜と、ドレッサーの前で髪を梳かす。
ヒスイの、健康的で艶やかなロングヘアは、コハクの日々の努力の賜物だった。
そこには、愛情が宿っている。故に、大事にされているのだが・・・
(これを、お○ん○んに巻くのよね???気持ちいいものなの???)
「・・・ま、いっか」
「ヒスイ、お待たせ」
間もなくして、コハクが姿を見せた。
アイボリーも来るのかと思いきや、コハクひとりだ。
「あれ?あーくんは?」
コハクはにっこり笑ったっきり、答えない。
そのうえ、いきなりヒスイの唇を奪った。
「んっ!?ん・・・」
頭を撫でながら引き寄せ、キスを深くする。
「ん・・・ふ・・・」
驚きながらも、ヒスイは応じ。口の中に、コハクの舌を迎え入れた。
「はぁはぁ・・・」
舌と一緒に、唾液が絡み合う。
それが段々と粘りを増し、互いの口内から、いやらしい音が漏れ出す。
ちゅっ・・・ちゅくっ・・・くちゅくちゅ・・・ちゅ・・・
いつしか、唇同士のキスから、舌同士のキスになり。
とろとろ・・・どちらのものかわからない唾粘液を垂らしながら、舌と舌を擦り合わせ、時には舌で舌を舐め合った。
「は・・・はぁ・・・」
疑問は、キスで痺れる頭の隅に追いやられ。
ヒスイはもうすっかりその気になって。
シャツを脱がされるのにも、無抵抗だった。
ベッドインと同時に、コハクは仰向けになったヒスイの上に乗り。
「はぁはぁ・・・おにちゃ・・・んッ!!」
早くも緩み始めたヒスイの膣口を撫でながら、空いた手で、乳房を愛でた。
「あッ・・・!!」
コハクの手が軽く触れただけで、乳首がぷっくりと膨れ。
「んッ・・・!!」
指先で摘まれたり、捻じられたりしているうちに、先端の乳管が開き・・・コハクがそこにキスをする。
それからたっぷりと唾液を塗り込められた。
「は・・・はぁぁ・・・ッ!!」
乳管から乳腺へ流れ込んでくる快感。
胸の奥が快感で満たされたところで、それを馴染ませるように、優しく揉みあげられる・・・
「あ・・・んぅ・・・あ・・・はぁはぁ・・・」(おっぱい・・・きもちい・・・)
一方で、濡れた膣口の上をヌルヌルと、コハクの指が滑る。
「はっはっ・・・は・・・!!」
どちらも甲乙つけ難い快感で。ヒスイの息が上がっていく・・・
白肌は朱に染まり、しっとりと全身に汗が浮いていた。
そんなヒスイの姿を見ながら、コハクが上着を脱いだ。
「さっきしたばっかりだから、大丈夫だとは思うけど、一応慣らしておこうね」
左手でベルトを外し、勃起ペニスを出すまでの間、ヒスイの膣に右手の指を二本入れ。
ぐちぐちぐち・・・ぐぱぁ・・・奥までペニスのサイズに拡げた。
「あッ!!あぁッ!!」
張り詰めたヒスイの声を聞きながら。
「好きだよ、ヒスイ」
ちゅっ。額へのキスと愛の告白を済ませ。
コハクは、指とペニスを入れ替えた。
「あ!!あぁぁぁ!!!」
ちゅ・・・ちゅちゅちゅちゅちゅ・・・!!膣襞に亀頭が片っ端からキスをする。
「あ・・・はぁ・・・んッ!!」(おにいちゃ・・・すき・・・すき・・・すき・・・っ!!)
亀頭にキスされた膣襞はメロメロになって、逞しい幹に付き従った。
「んはぁ・・・」
カラダの内側から、コハクのものになっている感覚にゾクゾクする。
これから訪れるであろう浮遊感に先駆けて、視線が上方を漂う。
「あッ・・・あッ・・・」
続けて、全身がビクビクし始めた。
もともと残っていた快感に、新たな快感がプラスされ、あっという間に一線を越えてしまったのだ。
「イッ・・・イクッ!!いっちゃ・・・!!」
ヒスイが絶頂を訴える中。
「もう迎えにきてくれたの?」と、挿入を終えたコハクが微笑む。
子宮が降りてきていた。そのため・・・
「!!ひッ!!んあぁぁぁ・・・ッ!!」
初っ端から、亀頭が子宮口にキスをする。
「んぐッ!!あ・・・あぁ・・・ッ!!」
息をつく暇もない、本気のキスを与えられ。
子宮口もまた、本気のキスを返す。
「あ゛ッあ!!あぁぁぁ!!」(おっきいの、くるっ・・・!!)
潮騒に似た耳鳴りと、痙攣。
「―――!!!!!」
絶頂ボイスを発したヒスイの喉元から、唇、舌まで、すべてが快感に震えている。
コハクはそれを自身の唇で確かめるように、ひとつひとつ口づけていった。
「よしよし、いい子だね」
夫婦の部屋の扉は数センチほど開いていた。
廊下には、アイボリーと、アイボリーに誘われたジストがいる。
コハクの指示で待機していたのだ。
「相変わらずエロいよなー・・・」と、呟くアイボリー。
「・・・だなっ!」
ジストも同感の意を示す。
「・・・・・・」「・・・・・・」
互いの股間に目を遣ると――立派な男の反応。
「父ちゃんに呼ばれるまで、我慢しないとな」
ジストが熱っぽい息を吐く。
アイボリーもまた辛そうではあったが、無駄に美しい顔で、言った。
「俺達にとっちゃ、これからが本番だぜ」
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