それは金曜日の、夕暮れ時のこと。
「おかえりっ!!」
仕事を終えて帰宅したトパーズに、ヒスイが駆け寄り、抱きつく。
「トパーズ〜・・・」
ヒスイのおねだりは主に“食べ物”。
お腹すいた〜と続くのが、定番ではあるが。
この日は珍しく・・・とんでもないおねだりをしてきた。
「あのね・・・」
「アンデット商会に大人のおもちゃのモニター頼まれたんだけど。協力してくれる?」
「・・・・・・」
さしずめ、営業部長のウィゼにでも言いくるめられたのだろう。
レポートを提出するのだと、ヒスイは妙な意気込みを見せていた。
人から頼りにされることが滅多にないため、柄にもなく張り切っているのだ。
「・・・・・・」(まあ、いい)
大人のオモチャのモニター・・・悪くない話である。
ところが。
アンデット商会から送られてきたという箱の蓋を開ければ・・・温度計とスポイト、ピンセット、試験官、ロート・・・大人のオモチャというより、理科の実験道具が詰まっていた。
「これ・・・大人のおもちゃ・・・なの???」
さすがのヒスイも首を傾げる。
「・・・・・・」
発送ミスだということは、すぐにわかったが、トパーズは知らん顔で。
来い――と、ヒスイの腕を引っ張った。
「・・・え?ここ、理科室???」
瞬間移動など、造作もないこと。
トパーズは準備室から持ち出した白衣に袖を通し、近くにあったアルコールランプに火を灯した。
「いい雰囲気だろう?感謝しろ」と、トパーズ。
白衣がとても似合っていた。
クールビューティぶりが際立ち、美形慣れしているヒスイでも、思わずドキッとしてしまう。
「が・・・学校で・・・着たり・・・するの?」
「たまにな」
トパーズは数学教師として勤務しているが、人手が足りない時は、化学でも物理でも教える。
従って、白衣も実験道具も珍しいものではないが、セックスで使うとなれば、また別である。
「ホラ、さっさと脱げ」
「あ・・・うん」
裸になったヒスイは、実験用テーブルの上に裸で寝そべった。
「始めるぞ」
「ん・・・」
箱からトパーズが最初に取り出したのは、温度計だった。
足の裏がしっかりとテーブルにつくよう、ヒスイに両膝を曲げさせ。
「動くなよ」と、温度計を膣に埋めた。
「あッ・・・んんッ・・・」
挿入に際し、つい声が出てしまう。
細いガラスの棒・・・こんなもので興奮している自分が恥ずかしく。ヒスイは顔を赤らめた。
「ん・・・は・・・」
しばらく膣肉で温めると、赤い線がぐんぐん伸び、38度を記録。
検温が済むと、今度はスポイトの先が差し込まれた。
「ひぁ・・・なっ・・・」
膣内のヌメリを一気に吸い上げられ、それがポタリ、ヒスイの唇に落とされる。
「あ・・・」
精液ならともかく、自身の愛液を口にする機会は殆どない。
その濃厚なとろみと甘酸っぱさにヒスイが困惑していると。
トパーズが上から唇を重ね、揉み込むように、ヒスイの唇へと馴染ませた。
「ん・・・ふぁ・・・」
スポイトで抽出した愛液を、間から継ぎ足し、キスをより滑らかなものにする。
愛液はどこで使っても極上のオイルであることに変わりないのだ。
「ん・・・んぁ・・・はぁはぁ・・・」
唇の上で動く唇が気持ちいい。
(くちのなか・・・べたべた・・・)
それがちっとも嫌じゃない。
キスをしながら、トパーズの息を吸って、吐いて。吸って、また吐いて。
何度も繰り返しているうちに、それが血液に溶け、全身を巡り・・・
頭から爪先までトパーズのものになってゆくのを感じる。
「ん・・・ふ・・・トパぁ〜・・・」
膣口からは拭いきれないほどの愛液が流出し、テーブルを侵食していた。
次にトパーズは、ピンセットでヒスイの乳首を挟み。引っ張りながら先を舐めた。
「あッ!あんッ・・・!!」
唾液で濡らされると、そこは淫靡な輝きを放つようになり。
幼稚なヒスイの体でも、ちゃんと女に見える。そればかりか・・・
「ふぁ・・・あ・・・だめ・・・」
息子であるトパーズに乳首を吸われると、胸の内部がひどく疼き。
熟れた乳頭をこれ以上刺激されたら、出る筈もないミルクが、出てしまいそうな気がするのだ。
「も・・・やめ・・・あぅッ・・・うぅんッ・・・」
母性を孕んだ乳首を、ピンセットで弄ばれるヒスイ。
そこに時折絡んでくるトパーズの舌が、愛おしくて堪らない。
「はぁ・・・あ・・・あぁん・・・はぁはぁ・・・」
ピンセット責めから解放されたヒスイは、乳首の先端からトパーズの唾液を滴らせ、しばらく余韻に浸っていた。
根元がじんじん痺れて、乳房がぱんぱんに張っているが、それが心地好いといえば、心地好い。
しかし――
その間に、ピンセットの標的となったのは・・・包皮。
「!!ひゃぅんッ!!」
素早く綺麗に剥かれ、代わりに唇が被せられる。そして。
ヒスイのクリトリスにトパーズの熱い舌が這った瞬間・・・
「っあ〜・・・!!!!!」
快感に、負けてしまう。
「あ、あ、ひッ・・・」
体の芯から震えが起こり。絶頂を告げる粘液がドロドロと出た。
「・・・早くイキすぎだ、バカ」
「そ・・・なこといったって・・・ひぁ・・・」
額をぺちっと叩くのは、トパーズの愛情表現。
そうやって、堪え性のないヒスイをたしなめてから。
トパーズは、ズボンのチャックを下ろした。
勃起ペニスを引き出す一方で、白衣のポケットを探り。
「!?あッ・・・いや・・・あぁぁ・・・ッ!!」
オーガズム真っ只中の膣に、ペニスではなく試験管を咥えさせた。すると。
「うッ・・・あ・・・」
膣肉がヒスイの意志を無視して、べっとり張り付き。
ガラスの筒に媚を売り始めた・・・尽くせば精を得られるものと、勘違いしているのだ。
トパーズは再び白衣のポケットに手を入れ、ペンライトを取り出した。
アルコールランプをはるかに凌ぐ光源で、ヒスイの膣内を照らす。
「!!や・・・やめ・・・」
濡れて、光って、蠢く膣肉。
ガラスの筒に求愛している様が、内側から鑑賞できる。
「クク・・・こうやって、男を絞ってる訳か」
「んん〜・・・ッ!!!」
女の部分を暴かれ、あまりの恥ずかしさにヒスイが息む、と。
「そのままこっち見てろ」
トパーズに、勃起ペニスへと視線を誘導された。
「!!ひくッ・・・あ・・・あ・・・」
肩を竦め、目を細めるヒスイ。
試験管と関係を持ちながらも、膣はペニスの姿に反応し、急激に昂ぶった。
「あッあッあッ・・・はッ・・・あッ・・・あぁぁッ!!」
敏感になったところを、トパーズの操る試験管に突き上げられ、何度も何度も達する。
・・・が。焦がれる気持ちは大きくなるばかりで。
「ぜんぜん・・・たりな・・・」
そんな言葉が口をつく。
「これだけイッても足りない、か?」
「ちが・・・」
トパーズがなじると、ヒスイは赤くなった目元に涙を浮かべ、こう主張した。
イキ足りないのではなく。“トパーズが足りない”のだと。
「・・・・・・」
溺愛している女に、こんなことを言われれば、心が動かない筈がない。
トパーズは試験管を抜き捨て、ヒスイをテーブルから抱き上げた。が。
「トパーズぅ〜・・・て、え?あれ???」
予想に反し、床に転がされ。甘え損ねるヒスイ。
「残念だったな。まだこれが残ってる」と、トパーズが笑う。
それから、ヒスイをマングリ返しにして、膣口にロートを嵌め。
次の瞬間には、そこへ向けて射精していた。
「う・・・うそ・・・や・・・」
管の細いロートだった。
ぼたっ・・・ぼたっ・・・、精液が少しずつ膣の中に落ちてくる。
「あッ・・・・・・あッ・・・・・・」
開いたままになっている膣肉の間を伝い、子宮口の真上に溜まる・・・
「ふぁ・・・」
いつも溢れんばかりに与えられている精液が分割される、初めての感覚。
良いか悪いかもわからない。けれど。
凝縮された塊は、子宮への浸透力が高い気がして。
「あ・・・んぅ・・・」
なぜだかとても、精子の動向を意識してしまう。そこで。
「漏斗は液体を注ぐためのものだ。使い方は間違ってない」
どこか楽しげに、トパーズが語る。
「はぁはぁ・・・あ・・・あ・・・」
ヒスイは浅い息を吐き。種付けの間、ずっと下腹を痙攣させていた。
「これで一通り試した、が、まだ続けるか?」
ヒスイが頷くのを見越してトパーズが尋ねる。
「だったら尻をこっちに向けろ」
「ん・・・」
後背位で行うのだと理解したヒスイは、よろよろと立ち上がり。
テーブルに両手をついて、体勢を整えた。
だが・・・生挿入の前に、もうひとつ、試練が待っていた。
「な・・・にこれ・・・」
「見ればわかるだろう」
テーブルの上には、レポート用紙と筆記用具。
「忘れないうちに、書け」と。
ヒスイに無理矢理ペンを持たせるトパーズ。
「引き受けたからには、最後まで責任持ってやれ」
「っ・・・!!」
「心配するな」
「終わるまで、乾かないようにしてやる」
トパーズはヒスイの腰を掴み、亀頭で膣口を突き破った。
ペニスを迎えた膣が、ぶわっと、瞬時に濡れる。
「ひッあッ・・・!!」
襞にこびりついていた精液を奥へ奥へと押し込まれ。
「だ・・・だめ・・・あ・・・あぅぅぅんッ・・・!!」
気持ち良すぎて、何も考えられない。
「どうした?手が止まってるぞ?」
「いじわ・・・あッ・・・ん・・・」
サボるとペニスを止められてしまうので、ヒスイは必死に手を動かした。
とはいえ、ペン先がブレて、自分でも何を書いているのかわからない。
辛うじて読めるのは、“トパーズがいちばん気持ちいい”の一文だけ。
(上出来だ)
目にしたトパーズは、満足気な笑みを浮かべ。
「これはオレが預かる」
そう言って、ヒスイからレポート用紙を取り上げた。
提出するのではなく。快感の証拠として、押収するのだ。
「よし、イケ」
「あッ――」
ジュププププププ・・・ッ!!
シュプールを描くように。
襞を掻き分け、飛沫を上げて、トパーズのペニスが滑り込んでくる。
「ひ・・・ぁ・・・あぁぁんッ!!!」
膣肉をもみくちゃにされた後、力いっぱい腰を引き寄せられ。
射精を確信した瞬間に、ヒスイが達する。
「あー・・・!!!!!」
「なかなか面白かったぞ」と、ヒスイの頭を撫でるトパーズ。
(あ・・・なんかほめられた・・・)
幸せそうに、ヒスイが顔を綻ばせる。
トパーズがアルコールランプに蓋をすると、辺りは一瞬にして暗くなり。
「ん・・・あ・・・」
ヒスイの意識もまた、暗闇に飲まれてゆく・・・
「トパー・・・ズ・・・」
「なんだ?」
最後の望みを聞いてやろうと、トパーズが耳を寄せる、と。
「お腹すいた〜・・・」
「・・・・・・」(結局それか)
快感レポートは・・・これで、おしまい。
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