「あ・・・っ・・・はぁ・・・」
オニキスの舌が改めてヒスイの入り口を拡げた。
「あッ・・・」
窄めた舌をしきりに出し入れされ。濡れた粘膜同士が激しく擦れ合い。
「！！ふあッ・・・あ・・・」
体の芯まで熱が入る。
「んぅ・・・オニ・・・」
ヌチュッ・・・ヌチュッ・・・
二人の間で滴るものが、唾液か愛液かもわからぬまま。
「んッ！！」（きもちいの・・・くる・・・っ！！）
溜まり過ぎた熱を処理しようと、膣全体が激しく煽動する。
「あッ――」
両目を瞑ったヒスイの下腹が、甘く引き攣れる。
毎回こんな風に。ほとんどフェラチオができないまま、イカされてしまうのだ。
「――あぁぁんッ！！」


シックスナインを解消し、ヒスイをベッドに寝かせるオニキス。
「はぁっ・・・はぁっ・・・」
仰向けになったヒスイは、両腕で顔を隠すように額の上で交差させている。
オニキスは、それを無理に解こうとはせず、今度はヒスイの小さいながらも形の良い乳房に唇を寄せた。
乳肉の根元あたりを優しく揉みながら、先端を吸い上げる、と。
「んッ・・・」
感じたヒスイが声を漏らした。
「んぅ・・・」
乳奥から快感が引き出され、乳腺を巡る・・・
「あ・・・はぁッ！！」
乳頭の細かな穴が開き、軽く握られただけで、オニキスの口内に快感を噴き出しているようだった。
「あ・・・あん・・・」
快感を放出し続けている乳首はとても敏感で。
そこを舐められると、快感が何倍にも膨れ上がった。
「っ〜！！んんッ！！」
下唇を噛み、一層顔を赤らめるヒスイに。
「そろそろ、顔を見せてくれんか」と、オニキス。
「ん・・・はぁはぁ・・・」
肩で息をしながらも、ヒスイは素直に応じ。
乳房を包むオニキスの手に手を重ねた。
「はぁ・・・あ」
蕩けた瞳から溢れる、蜜のような涙。
男なら、啜らずにはいられない。
「ヒスイ――」
「あ・・・オニ・・・」
目元に優しく宛がわれる唇。
一方ヒスイは・・・
オニキスのペニスにそっと触れ、言った。
「くちで・・・うまくできなかったから・・・こっちで・・・」
細い指先で撫で上げ、膣への挿入を促す。
「・・・・・・」（自覚はないようだが・・・）←オニキス、心の声。
ヒスイは、時折ひどく男を煽る言動をする。
他の男には、絶対に知られたくない一面だ。
生涯、自分だけのものにしておきたい。強引にでも結婚して正解だった。
そんなことを考えながら、オニキスは息を吐き。
いつも通り、正面からゆっくりと・・・愛しい肉の泥濘へペニスを沈めた。


「あッ・・・んッ・・・オニ・・・」
オニキスの、程良く筋肉が付いた太腿の上に乗ったヒスイの両脚がぴくぴく震える。
膣で得た快感が爪先まで届いているのだ。
「ヒスイ・・・」
「ん・・・」
互いに、愛欲に彩られた唇でキスを交わす。それから・・・
「あッ、あッ、あッ・・・は・・・！！んんッ！！」
ずちゅずちゅ、ずちゅッ、ずちゅッ、ずち・・・ッ！！
浅いところを往復しながら、徐々に奥へと進んでくる亀頭・・・
ふたたび膣内が熱くなってくる。
「はぁ・・・あッ！！くッ・・・」
膣壁をまんべんなく擦られ、お腹の底から競り上がってくる快感に喉が痺れる。
「んッ！！」
度々官能が鼻腔を抜け、ヒスイの鼻先を赤く染め上げた。
「あ・・・ッ！！」
奥を突かれれば、膣がうねり、ビクつき。
「あッあッ・・・オニキス・・・・オニキスぅっ！！」
ヒスイはオニキスの名を呼びながら、乱れていった。


「んッ！ふッ！！あ！！」
絶頂が近いことを予感しながら。
オニキスの首に腕を絡め、キスで舌を絡め、ペニスに肉襞を絡め、腰に脚を絡める。
「んんッ・・・あ！！あぁぁぁ！！！」
「ヒスイ――」
イッた膣に反応するペニス。
汗ばんで震える下腹同士を重ね合い、オニキスの射精が始まる――
「ふぁ・・・ぁ・・・あ！！」
子宮に放たれた精子が逞しく泳ぎ回っていることを知らせるように、ヒスイは長い間全身を小刻みに戦慄かせていた。





朝日が差し込み、ヒスイが目を覚ます。
――と、同時に、ふふっと笑う。
「機嫌が良さそうだな」
オニキスの穏やかな声に、ベッドの中、振り向いて。
「成功したから、教えてあげる！」と、ヒスイ。
枕の下から、“あるもの”を、取り出す。
それは・・・水族館で撮ったオニキスの写真だった。


「あのね、好きなヒトの写真を枕の下に入れて眠るとね、そのヒトの夢が見られるんだって！」


「そうか」
得意気にジンクスを語るヒスイが何とも微笑ましく。
ベッドの中、抱き寄せるオニキス。
「こんなに一緒にいても足りないか？」
二人きりの時間が少ない反面、公務で共にいる時間は長い。
「女の子は欲張りなの」
・・・このあたりは、ローズの受け売りだが。


「夢の中でも、好きなヒトと一緒にいたいものなのよ」


そう言って、オニキスの腕の中、ヒスイが微笑む。
あまりの愛おしさに、堪らず抱擁を深くするオニキス。
重なる体温で、二人の体の中心が熱くなる。昨夜のように。
「・・・する？」と、ヒスイ。
「お前さえ良ければ」
オニキスがキスと共に答える。そして・・・
「うん。いいよ」





epilogue・・・

高台から平地へと下る階段で、パシャリ！
オニキスに向けて、ふたたびヒスイがシャッターを切る。
“今夜の分”らしい。
「オニキスにもあげようか？私の写真」
ヒスイは冗談のつもりで言ったのだが・・・


「写真などなくとも――オレはもう、お前の夢しか見ない」


そう返され、赤面。
「・・・ホント？」
「本当だ」
「じゃあ私は、まだまだ修行が足りないってことよね！うん、頑張る！」
その言葉にオニキスが笑い。ヒスイも笑った。
「帰ろ！お城に」
ヒスイがオニキスの手を引く。
「昨日ちょっとサボっちゃった分、今日は忙しいもんね」
「ああ、そうだな」



夕方までは、二人で公務。






――そしてまた、幸せな夜がくる。









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