「・・・え?」
骨盤に内側から圧力がかかり。下腹が少し出っ張っていることに気付く。
散々キスに溺れた結果、ヒスイは10個近くの卵を膣に宿していた。
「はぁはぁ・・・」(どうなってるの・・・これ・・・)
そこにヒスイが手のひらを乗せたところで。
バイブレーション機能のスイッチが入れられた。
「!!ひッ!!あ!!!!」
仰向けで床にひっくり返る・・・トパーズはそのままヒスイを放置。
窓辺でネクタイを緩め、傍観、だ。
「ふぁ・・・ッ!!あ!あああ!!!」
おびただしい振動が膣内から発生していた。
たちまちお腹の奥から爪先まで痺れ。足を閉じることもできない。
「あ・・・ひ・・・んぐッ!!」
今にも孵化しそうな卵達の暴走に、ヒスイは背中を大きく反らし。
頭を床に擦りつけるようにして悶絶していた。
「んッ・・・ふ・・・ふぁッ!!!」
Gスポットに当たっているのか、尿道口がひとりでに開いて。
「や!!はぁ・・・ッ!!!」
泣きながら手で押さえるも、指の間から、ぷしゅぷしゅ、潮水が飛んだ。
「あ・・・あ・・・」
そんな自分に向けられたトパーズの視線を避けようと、懸命に身を捩る・・・が。
その拍子に、膣内の卵がせり上がり、子宮口へ。
「あッ!!?」曲面が小さな輪に嵌り。
「あぅッうぅぅんッ・・・」
振動が乗り移るまで、そこを刺激され。
快感に侵食されたヒスイの表情が変わる。
「あ・・・あ・・・あふぁ・・・ッ・・・!!!」
舌を伸ばして、艶めかしく喘ぎ。
「あぁ・・・トパ・・・」
イキながら、トパーズの名を呼ぶ。すると。


「いいか、どんな格好をしていようが、お前は“女”だ。二度とここに来るな」


「わかったら――」
トパーズは、ヒスイを後ろから抱え上げ、両脚を持ち上げた。
耳を甘噛みし、それから・・・
「好きなだけ、産め」ゾクリとする声で囁きかける。
「あ・・・んんんッ・・・」
トパーズに促され、ぽこんッ!ひとつ目の卵が、内側から陰唇を押し拡げて出てきた。
ローターなのだが、本物の卵を産んでいるようにしか見えない。
絶頂の収縮が、排卵の手助けをして。産道に卵を流す。
「はぁはぁ・・・あ!!!」
ヒスイは、かつてないほど頬を上気させていた。
卵が膣口を破り抜ける度に、達する。
女ゆえの、産卵の快感を覚えてしまったのだ。
「あッ・・・あぁ〜・・・」
ひとつ産み落としては、どろッと愛液を垂らし。
それに引っ張られるように、どぷッ・・・膣口から次の卵が出てくる。
粘液に包まれた卵が、床に何個も転がって。
「あ・・・ん・・・あぁ・・・」
ヒスイは全身から、狂おしいほど甘い香りを立ち上らせていた。



疑似産卵プレイを終えた後。
ふたたび、床の上で仰向けにされたが、ヒスイはぼんやり・・・
目は開いていても、その瞳には何も映っていない。
トパーズがベルトを外す音も聞こえていなかった。
左右に開いたままの太腿を掴まれ、引き寄せられる膣口。
その先には、トパーズの勃起ペニスが待機していて。
男と女の結合が始まった・・・
ヒスイの股間が真向いの陰毛に被さり。
べったりと張り付いた陰唇が、更に、にゅるりと捲れるまで、深く交わる。
「さっさと戻ってこい」
ブチュッ!トパーズのペニスが膣に刺さる度、ビクッ!ヒスイの体が無言で跳ねる。
ブチュッ!ビクッ!ブチュッ!ビクッ!
それを繰り返しているうちに・・・
「・・・ふあッ!!」ヒスイが息を吹き返す。
膣がペニスの快感を思い出したのだ。
「あんッ!あ!あッ!!!あッあッあッ・・・」
声を出して喘ぎ始めると、一方的だったピストンも合意のものになり。
互いの性器を求め、凹凸で愛撫し合う行為へと変化していった。そして ――


「はふ・・・ッ!!あ!!!!!」


より多くの精を得るため、先に達するしたたかな体。
収縮する膣肉の中で、トパーズのペニスが太くなる。
送り出された精液が、鈴口から勢いよく迸り。
「あ!!トパ・・・トパぁ〜・・・あぁぁぁ!!!」



壁際で改めて腰を下ろし、煙草を咥えるトパーズ。
ライターを出し、火をつけようとしたところで。
ヒスイが懐に飛び込んできた。これは――不意打ち。
「・・・何だ?」と、ヒスイの鼻を摘む。


「だのね」訳:あのね


構わず話し出したヒスイの言葉は、濁点だらけで、何を言っているかわからない。
「・・・・・・」
トパーズはヒスイの鼻から手を離し。
「もう一度言え」
「うん、あのね・・・」
ヒスイは、たどたどしい手つきで、トパーズの緩んだネクタイを直してみせた。
あまり上手とは言えないが・・・
「ネクタイ、結べるようになったよ」
せめてこれくらいはできるようになりたかったの、と、ヒスイ。
「これからは、私が結んであげるね、毎朝ずっと」
激しいセックスの余韻を残した顔で笑う。
「・・・・・・」
黙って、抱きしめて。
トパーズが頬に口づけた時にはもう、ヒスイは眠っていた。


「覗きか、趣味が悪いな」


校長室の扉に向け、トパーズが言い放つ。
「ヒスイが心配だったものでね」と、答え、入室するセレ。
「最近はこういうのが流行りかね?年寄りには些か刺激が強い」
「クク、タヌキめ」
口だけだとわかっている。要は、ヒスイを擁護しているのだ。
「こいつは、これくらいやらないとわからない。自称“男”で、校内をうろちょろされたら面倒だ」
睡眠中のヒスイを残し、校長室を出て行こうとするトパーズに。
「おや?ネクタイが曲がっているようだが?」
あえてそのままにしているのを知っていて、セレはわざとそう言った。
「・・・今日は、これでいい」



ところが。

“今日は”では済まず。
翌日も、翌々日も、トパーズのネクタイは不格好だった・・・。
「なかなか辛抱強いね、これも愛故かな」
練習相手になった時から、薄々気付いてはいたが。
(ヒスイは随分と不器用のようだ)
こっそりと、セレが笑う。



柄にもなく、曲がったネクタイ。
でもそれが・・・しあわせの、しるし。




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