人間界で暮らす吸血鬼の間で、摩訶不思議な病が流行った。
内臓機能が、人間そのものになる病。
命に関わるものではなく、特に治療は必要としない。
数日で元に戻るが、中には稀に、人間女性特有の出血・・・生理の症状が現れることがあるという。
その病に、ヒスイは感染して――いなかった。
コスモクロア。三階建ての家。
「ヒスイ、こっち来い」
「うん?」
名前を呼ばれ、傍に寄ろうとしたヒスイだったが・・・トパーズの顔を見て足を止める。
「・・・・・・」(なんか嫌な予感がするっ!!)
近頃、危険察知が早い。
トパーズは、その手に注射器を隠し持っていた。
例の病に、人為的に感染させるためのものだ。
「なんで!?なんでそんなことするの!?」
感染した状態で、セックスを行う。
表情ひとつ変えず、トパーズが言い放つ、と。
「!!嫌だってば!!」
ヒスイは本気で逃げ回り。
「トパーズのへんたい!きちく!どえすっ!!」
物陰に隠れ、ささやかな罵声を浴びせた。
「ならいい」
あっさり引き下がるトパーズだったが・・・
夕食時のことだった。
「・・・・・・」(あれ?)
ヒスイが軽く首を傾げ。
「これだけ?」と、テーブルを指す。
いつもより、おかずが一品少ない気がする。
「これだけだ」と、トパーズ。特に変わった様子はない。
「・・・・・・」(たまたま・・・だよね?)
気のせい〜で、済ませようとしたヒスイだったが・・・
更に次の日の夕食時。
「・・・・・・」(やっぱり減ってる・・・)
しかも昨日より、もう一品、少ない。
ヒスイの好きな前菜とスープが間引かれていた。
更に次の日の夕食時。
「トパーズぅ・・・デザートは?」
「ない」
「・・・なんで?」
自分で考えろ、と、意地悪に笑いながら、ヒスイの鼻を摘むトパーズ。
「う〜・・・」
理由はだいたいわかっている。
トパーズのセックス要求に応じないからだ。
「・・・・・・」(なんでわざわざ血が出てる時にえっちしたいのかな???)
非常に疑問だったが。
(でもこのままじゃ・・・)
食卓から、おかずが全部消え。
(パンかゴハンだけになる!!)
それはヒスイにとって深刻な問題だった。そして・・・
「・・・わかった。えっちする」
「わかればいい」
トパーズはヒスイの耳元に唇を寄せ、言った。
大人しくオレに抱かれろ。
ベッドルームに連れ込まれ、「脱げ」と、命令される。
ヒスイは素直に従った。
トパーズは一糸纏わぬヒスイを抱き上げ、ベッドへと放り込み。
ヒスイの上に乗ってから、シャツを脱ぎ、上半身を露わにした。
それから・・・キス。
ヒスイの顎を持ち上げ、唇を奪う。
「は・・・ぁ・・・トパ・・・」
ちゅっ。ちゅっ。唇が触れ合う音と、合間に吐く息の熱さに気持ちが昂る。
「ん・・・ふ・・・」
惜しみなくキスを与えられるのは珍しく。
トパーズの首元に腕を回し、愛らしく頬を上気させ、キスに夢中になるヒスイ。
混ざり合った唾液が口の端から溢れ、ヒスイの顎を伝い、首筋まで流れてきていた。
「はぁはぁ・・・ん・・・」
唇を幾度となく重ねながら、トパーズの指がヒスイの割れ目をまさぐる。
そこはぬるぬるとして、肉ビラが開きかけていた。
「あ・・・ん・・・」
トパーズの指が膣前庭を撫で。
つぷんッ・・・ヒスイの中に入ってきた。
「っあッ・・・んッ!!」
キスに溺れていたヒスイは、驚きの声を出したが。
「ん・・・・・・はぁ・・・」
睫毛を伏せ、長く息を吐き、内側の力を抜いて。
トパーズの人差し指と中指と薬指・・・三本同時に受け入れた。
するとすぐその指が動き出し。
「あッあ・・・あんッ・・・!!」
お腹の裏側を掻き回され、腰が反る。
「んん・・・ッ!!!」
子宮を呼び寄せるような快感が、一気に膣内へ広がった。
「んッ!!は・・・はぁ・・・」(なんか・・・しびれ・・・)
トパーズの首元に回していた腕がほどけ、ぎりぎり肩に掴まってキス続行。
「ん・・・」
口づけに酔い痴れながらも、ぐちゅぐちゅと股ぐらに響く音を聞いて。
鼓膜でも快感を得るヒスイ。
「はっ・・・はっ・・・あ!!!」
ぐちゅっ!ぐちゅっ!
指の抜き差しが繰り返される。
さすがに指三本となると、膣全体が揺らぐ。
「ん・・・んふ・・・」
挿入が浅い時はキスに応えることができるが・・・
「あぁ・・・ッ!!」
深くなると、ヒスイの唇は離れ。そこから喘ぎが漏れる。
トパーズはそれを楽しむかのように、ヒスイの膣を愛撫した。
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