引き続き、夫婦の部屋――
「うん――ちゃんと濡れてるね」
コハクの舌が割れ目をなぞる。
そこには確かにぬるぬるとした感触があった。
「んッ・・・」
恥かしそうに俯くヒスイ。
コハクは微笑み。
「欲しいでしょ?」
ベッドの上、膝立ちになり、ペニスを出した。
「ヒスイはこれが好きだからね」
反り返ったサオに手をかけ、膣口の高さに合わせる。
「あ・・・おにいちゃ・・・」
くちゅぅぅっ・・・湿った肉ビラを捲り開き、ヒスイのなかにコハクの亀頭が潜り込んだ。
「あ・・・ふぁ・・・あ!!」
上向きのペニスが、お腹の皮を裏側から持ち上げるようにしてゆっくりと進む・・・
「んふぁ・・・あ・・・」
ペニスで拡がる割れ目から、太腿、膝にかけて、徐々に痺れてくる。
「はぁ・・・あ・・・ぁ」(おにいちゃんの・・・きてる・・・おっきくて・・・すごく・・・あつい)
慣れているはずのペニスだが、今夜は特にそう思う。
「は・・・あぁ・・・ッ!!」
早くも膣肉が溶かされ、ねっとりと、ペニスに被さっていた。
「はぁ・・・はぁ・・・おにい・・・ちゃ・・・」
罪悪感を覚えながらも、快感は止まらず。
気持ちよくなるばかりで。
「――んッ!!あ・・・」
ペニスの根元に張り付いた陰唇が、結合を確かめるように、にちにちと、いやらしく蠢いた。
「これはもう必要ないね」と、コハクが手錠代わりの服をほどき、そのまま顔を近付け、キス。
唇を離したあと「好きだよ、ヒスイ」――そう、甘く囁き。
「わ・・・たし・・・も・・・」
頬を寄せ、ヒスイが同じ答えを返すのを待ってから、コハクはペニスを律動させた。
「あッ!あッ!あッ!あはん・・・ッ!!あッ!あぁッ!!」
ヒスイの頭を撫でながら、拡げた両脚の間、腰を弾ませるコハク。
「あ゛ッ・・・んんッ!あぁぁ・・・ッ!!」
力強くペニスを突き込まれ、ぐちゅッ!ぐちゅッ!と、肉の崩れる音が連続して響く。
「あんッ!あぁ・・・んッ!!」
ペニスが何度も通過するうちに、恥骨までも熱くなり、間のクリトリスにも熱が入る。
コハクの唾液を纏ったまま、ヒクヒク、引き攣れ。快楽を発し。より感じやすく、ヒスイを導いた。
ぢゅくッ!ぢゅくッ!ぐちゅぐちゅぐちゅ・・・
「はぁ・・・ッ!!あ・・・あぁッ!!」(なか・・・どんどん・・・とろけて・・・)
肉も襞も愛液も、ペニスとぐちゃぐちゃに絡まって――どうしようもなく気持ちいい。
「は・・・ぁ・・・あぁぁ・・・」
快感が強くなるにつれ、瞳に浮いたハートの色が濃くなってゆく・・・
「あ゛ッ・・・おにいちゃ・・・あぁ・・・ッ!!」
コハクが腰を引くと、膣そのものが抜き取られてしまいそうで。
奥の子宮が揺らぐ。そこから女の欲望が溢れ出て。
「―――ッ!!あぁぁッ!!」
コハクのシャツを握り締め、達するヒスイ。
「はぁっ・・・はぁっ・・・う゛ッ・・・う゛ぅんッ・・・」
自身の膣が縮みあがるのを感じながら。
(こんなときに・・・こんなこと・・・してて・・・いいわけ・・・ないのに・・・)
僅かばかり残っていたヒスイの思考も、そこで完全に消滅した。
「はー・・・っ、はー・・・っ」
頭がからっぽになり。代わりにカラダが、コハクとのセックスの悦びに満たされてゆく・・・
「は・・・ぁ・・・おにぃ・・・」
ヒスイは一段と頬を上気させ、唇の端からとろとろと、官能の涎を垂らした。
「よしよし、いい子だね」と、コハク。
互いの股間を密着させたまま、ヒスイを抱き起こし、惚けた顔を撫でて、その唇にキスをした。
「んっ・・・ん・・・」
震える手でコハクに抱きつき、キスを返すヒスイ。
喉が焼けつくほど、熱く淫らなキスに夢中になる一方で、コハクの腰に両脚を絡め、更なる抽送を受けていた。
「んッんッ・・・んふッ・・・」
忙しなく収縮を繰り返すヒスイの膣肉を、コハクのペニスが擦り上げる。
「んふぁ・・・あ・・・んんッ・・・」
股ぐらから頭頂にかけて、ぞくぞくとした快感が、揺れに合わせて昇降を繰り返し。
「んッ・・・!んん・・・ッ!!」
二人の股間で、たっぷりと、糸引く愛液。内側の心地良い摩擦が絶頂を誘い。
「あ゛ぐ・・・ッ!!」「ひッうッ!!」「!!」「!!!」
ヒスイは続け様、何度も達した。
「んぁぁ・・・」
ハートの光を浮かべた瞳は半分瞼の裏に隠れ。次の瞬間。膣の緊張が途切れた。
一気に緩み、子宮を晒け出す。
「はぁ・・・はぁ・・・」
ヒスイは脱力しつつ、コハクの腕の中、その肩口に幸せそうな顔を埋めた。
「もうちょっと待ってね」と、丸くなったヒスイの背中を撫でてから。
再びコハクが腰を使い出した。
「はっ、はっ、は・・・」
ちゅぐちゅぐちゅぐ・・・コハクのペニスが優しく膣内を往復している間は、ぼんやりと目を細め、気持ちよさげに身を任せていたヒスイだったが。
子宮を突かれた途端。
「んあ゛・・・ッ!!」
両目を瞑り、激しく喘いだ。
「あ゛ッ!!ひッ!!」
トントンと、下から軽く叩かれ。
「あ゛ぁ・・・ッ!!おにぃ・・・っ!!」
コハクの濡れた穂先が子宮口を撫で回し始めた。
「ちょっと辛いかもしれないけど」
という言葉に続き、子宮に極上の快感が押し込まれる。
「――んい゛ッ!!あぁぁ・・・ッ!!!」
堪らず腰を捩るヒスイ。間もなく子宮から絶頂のサインが打ち上がった。
「――――!!!!!」
堕ちて乱れるヒスイとは対照的に、コハクは落ち着いた様子で。
菫色の瞳を伏せ、それは美しい所作でヒスイの子宮を貫き、言った。
「ヒスイのここ、ね。出す前に柔らかくほぐしておきたいんだ」
捏ねて、引き伸ばして、うんと気持ちよくして。
「僕の精子が、たくさんたくさん、入るように、ね」
――時は深夜を回り。
アイボリーとマーキュリーはひとまず自室へ。
リビングにはオニキスの姿があった。
「・・・こんな時間にどこへ行く気だ?」
二階から下りてきたコハクに、オニキスが声をかけた。
「訊かなくても、わかるんじゃないですか?」
オニキスに背を向け、コハクが答える。
「・・・ヒスイを残していくのなら、代わりにオレが共に行こう」
愛するものが同じ。
守りたいものが同じ。
戦う理由も同じ。
「ならば、オレ達は“仲間”だろう?」
「“仲間”?」
コハクは振り返り、苦笑いでオニキスを見ると、こう告げた。
「いいえ――“ライバル”です。永遠に、ね」
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