赤い屋根の屋敷。
「ただいま、ヒスイ」
疲労を隠した笑顔で、裏口から帰宅するコハク。
「お兄ちゃんっ!おかえりっ!!」
すぐにヒスイが2階から駆け下りてきた。
コハクの腕の中へ飛び込み・・・べったり。
顔を擦り付けてみたり。匂いを嗅いでみたり。
再会を喜んでいるのが一目瞭然だ。
「ヒスイ・・・」
寝癖で少し曲がった前髪が可愛くて・・・キュンとする。
自慢ではないが、鼓動が乱れるのは、ヒスイといる時だけだ。
「・・・・・・」
(こんなに愛おしいものを得たら・・・人格も変わっちゃうよね)
コハクは瞳を伏せ、ヒスイを強く抱き締めた。
「あ・・・おにいちゃ・・・」
全身が、熱っぽい。
長年性交を重ねるうちに、いつしか膣に棲みついた淫獣が、飼い主のコハクに甘えたがっているのだ。
(ちょっと・・・だけど・・・へいきだよね・・・)
下腹部に違和感があったが、気付かぬフリ。とにかく、愛し合いたい。
「ヒスイ、すぐに欲しい?」
優しくそう尋ねられると、ヒスイは力いっぱい頷いた。
ヒスイの両肩を掴むコハク・・・唇に唇をそっと重ねて。
「じゃあ、先に一回、中出ししちゃおうね」
「うんっ!」
暖炉前の絨毯の上。セックススポットのひとつである。
コハクの手でパンツを下され・・・ヒスイは、恥じらいながらも嬉しそうだ。
夕べと同じM字開脚で、エアではない、本物のペニスを待つ・・・そして。
「あ・・・」
陰唇の間で感じる、ペニスの確かな温度。
コハクは、ヒスイの膣口でカウパー液と愛液を丹念に練り合わせ、ヌルヌルの状態にして、挿入を開始した。
前戯を省いてしまった代わりに、ゆっくり螺旋を描きながら、ペニスを進める。
「あふ・・・んんぅ・・・」
くッちゅッ、くッちゅッ、膣肉が撫で回され。
亀頭との、濃密な接触が続く。
「あ・・・あぁ・・・ッ!!!んいッ・・・!!!おにいちゃ・・・」
しきりに体を揺さぶるヒスイ。
「もう少しだから、いい子にしててね」
「あッ・・・!!!!!」
浮いた膝を押さえられ、引き続き、膣開きが行われた。
ぐちゅッ!と突き立つペニスに、ヒスイの太腿が引き攣れる。
「!!ひ・・・・・・ッ!!!!」
キラキラ光るコハクの陰毛が、充血したクリトリスを刺激する。挿入が完了したのだ。
「あ・・・ひ・・・」
本来ならば、受け入れられる質量。けれども。
「お、に、い・・・だめ・・・うごかさな・・・」
コハクの胸を叩き、ヒスイは必死に訴えた。
「ヒスイ?どうしたの?」
心配そうにコハクが覗き込むと、ヒスイはおろおろとした様子で。
「お・・・おしっこぉ〜・・・」
「うん?おしっこしたいの?」
こくり、超赤面+涙目のヒスイが頷く。
「・・・・・・」
(おしっこ我慢しちゃうなんて・・・可愛いぃぃぃぃぃ!!!)
子供の頃に戻ったみたいで、コハク的には大いに萌える。とはいえ。
以前、無理矢理おもらしプレイに持ち込もうとして、失敗したことがある。
「よしよし、じゃあ、トイレ行こうね」
その反省を生かし、今回はちゃんとトイレへ連れてゆくことにした。
ペニスを膣に入れたまま、ヒスイを抱き上げ、歩くコハク。
「ひぁ・・・あ・・・ゆらしちゃ・・・や・・・ん・・・」
途中、キスであやしながら、無事トイレへ送り届けた。
「・・・・・・」
こちら、ヒスイ。
両手で顔を覆いながら、用を足す・・・
(えっちしてる時に、いきたくなっちゃうなんて・・・最悪・・・)
国境の家で、ハーブティーを5杯も飲んだせいだ。
(もぉぉっ!!スピネルが美味しいの淹れるからぁっ!!)※逆恨みです。
折角のムードが台無しだ。
(お兄ちゃんだってきっとがっかりして・・・)
しょんぼり俯いた、その時。
「ヒスイ、トイレが済んだら出ておいで」と、コハクの声。
少しだけドアを開け、覗いてみると。
コハクは・・・笑っていた。ペニスも萎えていない。
「続き、しよう。今度はちゃんとベッドでね」
「うんっ!」
抱き合って。2人は夫婦の部屋へと向かった。
ベッドで裸になり・・・抱擁と口づけで仕切り直し。
「ここ・・・夕べはすごくいい音してたね」と、コハク。
正面から、ヒスイの腰を抱え、割れ目に顔を寄せる・・・
「ひぁ・・・おにいちゃ・・・!!」
痴態を思い出し、ヒスイの頬が紅色に染まる。次の瞬間。
「また、聞かせて?」
コハクの舌が、膣肉と膣肉の間に挟み込まれた。
「あッ・・・!はッ・・・!」
膣内でバウンドする度、天井からも底からも愛液の糸が伸び、コハクの舌に絡まってゆく・・・
ねちょねちょとお腹の中で鳴っている淫音が、内臓に響き渡り。
「はッはッ・・・あ・・・はぁ・・・」
ヒスイの興奮に伴い、子宮が動く・・・すべては受精のためだ。
「ヒスイ・・・」
その変化をいつも愛おしく思う。
コハクは、ヒスイの膣にペニスを貫通させた。
粘つく先端で、子宮口の輪をなぞり。
「まずは味見してみて?」と。
そこにカウパー液を塗り込んだ。効果は、媚薬と同じだ。
「あ・・・うぁ・・・」
ヒスイは腕を伸ばし、コハクの腰骨をさするようにして。
早く、早く、と射精を急かした。
「くすっ、今日は随分えっちだね」
夕べ自慰をさせたせいだと、わかっているが。
焦れるヒスイが可愛くて、つい言葉責めしてしまう。
(先に1回出す約束してるし・・・)
意地悪はこのくらいにして。
コハクは、ヒスイの上で射精を匂わせる腰使いを始めた。
「あ・・・あん・・・」
血管が浮き出たペニスの最も張り出した部分で、膣襞を梳いてやる、と。
「!!あ・・・あうぅぅん・・・ッ!!!っひッ!!!」
堪らなく、官能的だったらしく。
ビクビク両脚を震わせ、ヒスイはあっさり達してしまった。
追ってコハクが射精―先端をしっかりと子宮口に嵌め込んで、だ。
「あ・・・ああ・・・んぐ・・・」
後から後から噴き出す精液・・・放たれた精子が、頸管を通り、続々と子宮の中に入ってくる。
これぞ、待ち望んでいたものだ。
「あ・・・おにちゃ・・・いっぱい・・・」
「ヒスイ・・・」
このあと、一旦ペニスを引き上げ、いちから愛し直す予定でいたが。
悦ぶヒスイの顔を見て、予定変更。
射精を終えてもペニスは抜かず。そのまま、抉り込ませる。
「あッ―!!!」
「おまけ、だよ」
コハクはそう言って、ヒスイの片脚を持ち上げると。
ペニスにぶら下がったふたつの錘をものともせず、巧みに腰を振り続けた。
「あ・・・はうぅぅぅんッ・・・」
イッた直後の膣を掘り返されても、ヒスイは嫌がらない・・・快感に転じることを知っているからだ。
「あッ、あッ、あッ・・・あ・・・ひんッ!!」
膣口の縁が激しく竿と擦れ、極めて甘い痺れが膣いっぱいにひろがる・・・
「ふぁ・・・ッ!!あ・・・あぁ・・・」
ヒスイは30秒ともたずに昇り詰め。
そこからは、20秒、10秒、5秒・・・と、記録を更新しながら、絶頂を重ねた。
おまけの、おまけの、また、おまけ。
ヒスイの股ぐらにはまだコハクの腰が乗っていた。
(何回出したかな・・・9回?10回?)
コハクの精液は無尽蔵。対する、ヒスイの膣は飽和状態。
限界を迎え、もはやペニスを絞れなくなっていた。
そこで・・・申し訳なく思ってか、ヒスイ自ら直腸射精を提案する。
「おにいちゃ・・・こっちも・・・つかって・・・」
「いいの?」
「ん・・・」
「・・・・・・」(いつもなら嫌がるんだけどね)
快感の余韻で錯乱しているのだ。しかし、ここは甘んじて。
正常位のまま、ヒスイの尻肉を左右に開き、楕円に引き伸ばしたアナルに亀頭を吸わせた。
「んッ・・・」
ずぽんッ・・・スムーズに、それをお尻の中へと招き入れ。ヒスイは感じ始めた。
「あ・・・あん・・・」
腸内でペニスが動く・・・引かれると拡がって。押されると窄まって。
アナルがひらひら。快感の海をクラゲのように漂う。
「あ・・・はぁ・・・おにぃ・・・」
「・・・ん?またこっちも欲しくなってきたかな?」
拡げ過ぎて、些かたるんでしまった女性器に、コハクが視線を落とす。
「あ・・・おにいちゃ・・・」
直腸に精液を流し込まれながら・・・そこは、甘く香る蜜を滴らせていた。
「ちょっと待ってね」
衛生面を考慮し、抜いたペニスをよく拭いてから、膣へと戻すコハク。
「あ・・・んぁ〜・・・」
ヒスイはそれをつるりと飲み込み、表情を蕩けさせた。
「あッあッあッ・・・あんッ・・・おにいちゃ・・・」
絶頂の連続で、小さな体はどこもかしこも弛緩し。
目尻から涙が伝い。唇の端から唾液が零れている。そのうえ。
長時間に亘るピストンの末に、尿道口から出てきたものは、潮だけではなく。
微かに、小水が混じっていた。
素がハーブティーなので、匂いも色も殆どないが。
もれちゃうくらい、気持ちいい。
のだとしたら。やっぱり、嬉しい。
密かに感動するコハク。
ヒスイのおもらしには、特別な思い入れがあるので、尚更だ。
(なにせ、よくもらしたからなぁ・・・)
パンツとシーツの洗濯にどれほど尽力したことか。
純粋な兄と妹だった頃の、大切なメモリアル・・・。
関係こそ変わったが、愛は、深まるばかりだ。
気付けば、胸の奥が温かく。コハクの顔に自然と笑みが浮かぶ。
(これは・・・)
ヒスイがくれた、えっちのおまけ、かな。
‖目次へ‖‖前へ‖‖次へ‖