「誰もいない、か」
巡り巡って、コハクは赤い屋根の屋敷に居た。
そこに・・・ヒスイが現れる。
「お兄ちゃんっ!」
「ヒスイ?」
一瞬目を疑うが、見間違える筈がない。紛れもなくヒスイだ。
「あーくんと、会ってきた!」
「・・・そう、先越されちゃったね」
コハクは、瞳を伏せた笑顔で、溜息ひとつ。
「どうだった?」
「あれこれ話する前にえっちしろって!」
それがあーくんの答え!と、ヒスイが声高に説く。
「だから・・・真剣にえっちする!!」
「僕は、いつでも真剣だよ」と、笑うコハク。
わかった――そう返事をして。ヒスイと抱き合った。
「お兄ちゃん・・・」
ヒスイがコハクの胸に顔を埋めると、コハクはヒスイの髪に顔を埋め。
「ヒスイは、本当にそれでいいの?」
「うん」
「・・・僕は、愚かな男だから、また同じようなことをするかもしれないよ?」
「でも好き!!好き・・・なんだもん・・・」
「ヒスイ・・・」
「お兄ちゃんが私についた嘘は、これから・・・その・・・きっ・・・気持ちよくしてくれたら、許ひっ・・・許してあげるっ!!」
らしくない気を遣って、そう言ったものの、照れてカミカミになるヒスイ。
「くすっ、ありがとう。頑張るよ」
スーツと制服で、暖炉の前。
何度もキスをするうちに、互いの唇が濡れ・・・
直に伝導する熱で口元がとろとろになる。
「はふ・・・」
酔ってふらつくヒスイの舌を、コハクの舌が介抱し。
「ん・・・ふ・・・」
甘い蜜を垂らしながら、より深い官能の世界へと誘う。
「ヒスイ」
その途中で名前を呼び。
「好きだよ」今夜は早めに愛の告白。
「好きだよ」もう一度口にして「ごめんね」と、続ける。ところが。
「“ごめんね”なんて、いらない」
真っ直ぐコハクの目を見て、ヒスイが言った。
「“好き”しか、いらない」
蜜にまみれた唇で、愛らしく笑う。
「ヒスイ・・・」
赤味の差した頬にキスをするコハク。
それから、ヒスイを絨毯へと押し倒し。
自分から先に上着を脱いで、ヒスイの制服に手をかけた。
タイをほどき、ボタンを外すと、次に見えるのは、純白レースのブラジャーだ。
カップを少しずらし、ヒスイの乳首に息を吹きかける、と。
「あッ―」
それだけで、先端が力んでしまう。
ヒスイが恥じらいの表情を浮かべる一方で、凝ったそこにコハクが唇を被せてきた。
「んッ・・・!!」(おっぱい・・・ぐらぐらする・・・)
舌先で乳首を揺さぶられ。濃厚な唾液が絡まる。
「はふ・・・」
コハクの口に入った時と、出てきた時とでは、まるで違う姿になっていた。
大きさも、張りも、潤いも、女らしさも。格段に増している。
暖炉の明かりのみという薄暗さの中、ヒスイの乳首は、グロスを塗ったように艶めかしく光っていた。
「は・・・ぁ・・・おにいちゃ・・・」
内側にじんじんとした痺れを残し。外側はとろとろ。
これから思いっきり吸って、味わって欲しいのに。コハクの唇は離れ。
乳首がそっとカップの中に戻された。恐らくは、わざと。
「あうッ・・・!!」
発情したまま閉じ込められて・・・擦れて。感じて。堪らない。
「あうぅぅんッ!!はぁはぁ・・・」
コハクの下で悶えながら、いつにも増してエッチな気分になってくる。
(わたし・・・が・・・きもちよくしてって・・・いったから?)
「・・・んくッ!!」
股間がキュンとするのは、膣が蠕動しはじめたからだ。
「そろそろいいかな」と、コハク。
ヒスイのショーツを一旦膝まで下ろし、片足だけ抜かせ。行為を続ける。
「おにいちゃ・・・」
ヒスイが脚を広げると、小陰唇の間に、結構な大きさの穴が見えた。
あからさまな空洞となっている、そこから、とろみのある愛液がこぽこぽと溢れ出していた。
「よしよし」
指先でヒスイの濡れ穴をあやしてから、ズボンを下ろすコハク。
正常位で手を繋ぎ、指を絡め、腰と腰を寄せ合う・・・
「んぁッ!!は・・・!!!」
ちゅぷッ・・・直角に亀頭が入ってきた瞬間、膣奥まで痺れが走る。
完全に開いてもいないのに、子宮口がぐぐんと突き出て。
「ひッ・・・!!っあ!!!」
目をつぶっても、ぢゅるぢゅる・・・膣がペニスを啜る音が聞こえてくる。
「んッ・・・あッあッあッ・・・」
ヒスイは、細い腰をカクンカクン縦揺れさせながら、すべてを呑み込んでいった。
「あ・・・あふ・・・」
愛しいペニスを挟んで・・・恥骨と尾てい骨がとろけそうだ。
(だめ・・・おかしくなっちゃ・・・う・・・)
怖いくらい、気持ちいい。
我を忘れてしまいそうで、つい逃げ腰になるが、その度にペニスが追ってきて。
「あッ!!!」
深く差し込まれては、ぶちゅんッ!膣口で、愛液が四方八方に飛び散った。
ぶちゅんッ!ぶちゅんッ!ぶちゅんッ!
「あッ!あッ!!あ・・・ひッ!!!」
「逃げちゃだめだよ」
コハクは少し困った様に笑い。
両手でヒスイの腰を掴むと、力強く引き寄せた。
「あッ・・・あぁぁぁ!!!!」
あまりの快感に、瞬きすらできない。
「あ・・・あ・・・」(きもちぃ・・・きもちぃ・・・よぅ・・・)
尿道口と子宮口。互いに開きかけた状態で、嵐のようなキスを交わしていた。
チュッ、チュッ、クチュクチュクチュ、チュパッ・・・!!
ヒスイのお腹から、あられもない音漏れがするほど、激しく。
「ふぁ・・・ん・・・ふはぁぁぁ・・・!!!」
捲れたスカートを握り、ヒスイが眉尻を下げて、喘いだ。
「ふぁ・・・あ・・・おにいちゃ・・・おにぃちゃぁ・・・・」
絶頂液を滲ませながらも、股を広げて、ピストンをせがむ。
「・・・ヒスイ?」
ペニスを愛しすぎて、自分がイッてしまったことに気付いていないようだ。
「は・・・あ・・・」
とろんとした目で。恥丘の茂みを見ている。
(すごく可愛い・・・けど)
「もう一度、ちゃんとイこうね」
そう言って、コハクは腰に反動をつけた。
ズブブブブッ!!!とろけた膣が鳴る。
「!!あッ!あぁッ!!あッあッ・・・あッ・・・ふぁんッ!!!」
ぴゅッ!ぴゅッ!突かれる度に子宮に入ってくる、カウパー液。
「あッ・・・おにぃっ・・!!」
すぐにそれは精液へと切り替わり。どぷんッ!大量に、子宮へと流れ込んできた。
「んあッ・・・んぁぁぁぁー!!!!」
ヒスイは、誰の目にも明らかな痙攣を見せて、達した。
ソファーで眠りはじめたヒスイに、毛布を掛けるコハク。
そのタイミングを待って。
「ヒスイ、寝たか?」
アイボリーがリビングに顔を出した。ちゃっかり帰宅していたのだ。
「あーくん・・・おかえり」
コハクはさほど驚いた様子もなかった・・・が。
「・・・ん?」
アイボリーの手元に視線が釘付けになった。
なぜか、ボールとグローブを持っている。
「キャッチボール、やろうぜ!コハク!」
「うん?キャッチボール???」
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