「ヒスイ、ジストが来てくれたよ」
耳へのキスを兼ね、囁きかけるコハク。
「ふぁ・・・???ジ・・・スト?」
実感の湧かない声で、ヒスイが名を呼ぶ。
「うんっ!」と、元気良く返事をしたジストだったが・・・
(うわ・・・ヒスイ、めちゃくちゃエロい顔してる・・・っ!!)
快感により半分落ちた瞼。
朱色の唇から、とろり、垂れるのは、コハクの唾液。
(ごめん!ヒスイっ!!)
好き、だからこそ、勃起してしまう。
スーツ着用とはいえ、そのうち誤魔化しきれなくなる・・・
ジストが申し訳けなさそうにコハクを見ると、コハクは笑顔で頷き、快く承諾。信用している証拠だ。
「それじゃあ、ヒスイの手、握っててくれる?」
そうジストに頼んでから、ヒスイの腰を引き寄せる・・・どうやらバックで挿入するようだ。
ヒスイの上半身が自然と前のめりになり。
「うんっ!」
ジストは、正面に立って、ヒスイと両手を組んだ。
「挿れるね」
コハクの告知の声は、ヒスイ、ジスト、両名の耳へと届き。
互いに無意識に、強く手を握り合った。
「あッ―!!!」
ッぷ・・・ずぽぽぽぽ・・・柔らかな音を立ててインサート。
前回のセックスから、まだそんなに時間が経っていないのだ。
それでも、コハクのペニスは愛おしく。
「あぁ〜・・・」
歓喜の涙を溜め、ヒスイの目尻が下がる。
重ねた手のひらにはじんわり汗が滲んでいた。
(ヒスイ・・・可愛い・・・)
ジストはしばらくその姿に見とれていたが・・・
「!!」(見ちゃだめだっ!!)慌てて顔を上げる。
ヒスイは、胸にもしっかりコハクの愛撫を受けていた。
制服のボタンはすべて外され。
ずれたブラジャーのカップに凝った乳首が引っ掛かっている。
コハクの手が時々そこに伸びて、先っぽを撫で回すのだ。
「よしよし、いい子だね〜・・・」
「ひぁ・・・おにいちゃ・・・!!」
子宮口スレスレのところで挿入を止め、ゆっくりと腰を引くコハク。
「あ・・・やぁ・・・」
奥へ奥へと亀頭を誘っていた肉襞が逆行し、切ない快感にヒスイが喘ぐ。
「はッ・・・あ・・・」
ペニスが抜けてしまうと、雁首で引き摺り出された膣肉がにゅるにゅると中に戻り始めた。
すると、その動きを助長するように再びペニスを入れられ。
「あぁぁん・・・ッ!!」
甘く痺れる快感に、また喘ぐ。どちらも欠くことのできない快感だ。
「あッ!あッ!おにいちゃ・・・!!あッ・・・はッ・・・はぁぁんッ・・・あッあッあッ・・・ひッ・・・!!」
継続される寸止めピストン。
ペニスの挿入により、膣口から弾き出された愛液が、水砲となって飛び散り、砂漠の砂に染み込んだ。
「あ・・・あぁ・・・イッちゃ・・・」
揺らされた子宮が、酔って、吐き出す絶頂液。
粘膜のすき間を流れ、コハクの亀頭を濡らし始める。
そこでやっと。待ち侘びた子宮口に、待望の瞬間が訪れた。
「ふぁッ!!あああ!!!」
密着したコハクの亀頭に輪の中心をほじられると、ソコ以外の感覚がすべて吹き飛んだ。
自分の足で立っているのかどうかさえ、わからない。
「ヒスイのココは吸うのが上手だね」と、褒めるコハク。
片手でヒスイの髪を掬い上げ、上品に口づけて微笑む。
「ふぁ・・・ふぁぁ・・・!!」(そんな・・・つもりじゃ・・・な・・・)
ぶちゅぅぅぅ・・・大口を開け、精液の出所にかぶりついている子宮口。
子宮を飢えさせ、こうなるように仕向けたのはコハクだが、そんなことを考える余裕もない。
「お待たせ」と、コハクが射精をして。
「!!あぁぁぁぁ・・・」
子宮の中に、ごぽごぽと精液が湧く。
それはまるで温泉のように、内膜を優しくあたため。
「は・・・ぁ・・・」(おにいちゃ・・・だいすき・・・)
「あ・・・おにぃ・・・」
子宮がいっぱいになると、今度は膣内に射精。延々と吐精を続けるコハク。
「はぁはぁ・・・も・・・おなか・・・いっぱい・・・あ・・・ひッ!!」
いつしかそれは度を越して。
「おにぃちゃ・・・も・・・はいらな・・・おにいちゃ・・・ひぐッ・・・」
ヒスイは嗚咽を漏らしながら、更なる快感に目覚めていった。
「あふ・・・あ・・・」
子宮も膣もパンパンに張り詰め。
コハクのペニスの先からほんの少し精液が出ただけで達し、目を回す。
「・・・あぁッ!!ひ・・・ひぁ・・・」
精液の圧力で、快感の回路がおかしくなってしまったのか、ヒスイは絶頂の度、潮を吹くようになっていた。
「だ・・・だめ・・・あ・・・あぁ・・・」
尿道口がいやらしく震えている・・・それを嫌悪しながらも、気持ちが良くて。
快楽のまま、ジストの足元まで飛ばしてしまう。
「あ・・・あ・・・んはぁッ!!」
その頃にはもう、ジストと手を繋ぐどころではなくなって。
胴体にぎゅっと両腕を回していた。羞恥にまみれた顔を擦り付け、シャツを噛んで。
「ん・・・ふぅぅぅ・・・」
狂おしい快感をどうにかしようとしている。
「ヒスイっ!頑張れっ!!」
上半身を抱きしめ、思わず応援してしまうジスト。
「くすっ、いじめてるように見える?」と、コハクが笑う。
「そうじゃな・・・わっ!!?」
その時――ジストの視界に金色の羽根が現れた。
コハクのものではない。ヒスイのものだ。
といっても、ヒスイは失神寸前で、自覚はないようだったが。
コハクが言うには・・・
「ヒスイは・・・魔力は申し分ないけど、体はあまり丈夫じゃない。こうやって、内側から、“熾天使体質”にしておけば、多少の補強にはなるからね」
もうちょっと我慢してね、と、ヒスイに声をかける。
「あ!そうかっ!」
(父ちゃんの精液って・・・ヒスイにとっては、体にいいサプリメントみたいなものなんだ!きっと!)
・・・と、ジストがひとり納得する一方で。
こちら、エクソシストの一団。
王室付きの召喚士・・・名をラピスラズリと言うが、事情聴取を受け、項垂れていた。
「大丈夫ですか?」と、マーキュリー。
落ちていた杖を拾い、ラピスラズリの顔を見ると。
「・・・・・・」(すごい鼻血だ・・・)
この状況下で、鼻血を出している意味がわからない。
「どうかしたんですか?」
「ぼ、ぼく、ああいうの見ると異常に興奮しちゃって・・・鼻血出ちゃうんですぅぅ〜」
そう言って、ラピスラズリが指差した先では。
コハクとヒスイがセックスをしていた。なぜかジストもいる。
「・・・・・・」(どういうこと?)
マーキュリーは、たまたま手にしていた杖をバキッ!と、折り。
「ひぃっ!ごめんなさいぃぃ!!」
思いがけない制裁に、ラピスラズリが平伏す。
「あ・・・こちらこそすみません」(僕は今何を・・・)
うっかり折ってしまった〜と説明するが、ラピスラズリはすっかり怯えて。
「まー怖ぇぇ!!!」アイボリーが影で叫ぶ。
フェア勝負のつもりで、アミダくじに名前を書いたのだが、もしかしたら取り返しのつかないことをしてしまったかもしれないと思う。
(ヒスイとふたりっきりで“向こう側”行って大丈夫なのか!?)
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