「ん・・・ぅ・・・」
コハクBから血を吸うヒスイ。
後方ではコハクAの律動が続いている。
雁首で捲り返したものを押し戻すように、丁寧に腰を使って。
吸血を妨げないよう、加減してくれてはいるが、発情した性器に発情した性器を送り込まれれば、どうしたって感じてしまう。
甲斐甲斐しく背中にキスを落とされては尚更だ。
「んふぅ・・・」
ヒスイの素肌や、髪の生え際に珠の汗が浮く。
一定のペースで挿入を繰り返す、ペニス先端の浅い切れ目には、たっぷりとヒスイの愛液が入り込んでいた。
「ん・・・ッ・・・!!」
ぶちゅッ・・・ぐちゅッ・・・ぶちゅッ・・・ぶちゅッ・・・
擦れ合う粘膜の表面で、泡が生まれる音と消える音がする。
お腹いっぱいに響くその音が、子宮を魅了し。
子宮もまた、コハクAに愛されたがって、位置を変え始めた。
下へ下へと、さがってきたのだ。そうなると・・・
「んふぅッ!!!」
コハクAがどんなに加減していても、子宮口に届いてしまう。
ヒスイの弱点ともいえる場所を、亀頭で突かれ。
「ひッ・・・あ!!あぁッ!!」
コハクBの血管から、ついに牙が外れてしまった。
といっても、体調を整えるには充分な量をすでに摂取していたため、ここからは、セックスがメインになってくる。
コハクAが徐々にピストンのスピードを上げ始めた。
「あうッ!!ふぁ・・・ッ!!あ!!!」
ペニスが激しく動けば動くほど、肉ビラの縁が痺れ。
溢れ出た愛液がクリトリスを濡らし、その頂から滴る。
「ああ・・・んッ!!」
何より、開きかけた鈴口の感触が、膣と子宮を悦ばせて止まなかった。
「あぁー・・・」
喉が焼けつくような快感が込み上げてくる。
「あぁぁぁッ・・・んッ!!」
大きく開けた口から、度々出かかっていた舌を、コハクBの舌が絡め取り。
そのまま、唇と唇が重なった。
腰を掴んでいた手で、体の側面を優しく撫で上げられ、ここでも、快感。
「ふ・・・はぁ・・・」
溶け合った唇の間から、ヒスイのくぐもった声が漏れた。
コハクBの口内愛撫と、コハクAの膣内愛撫。
それは、夢のように気持がよくて。
(おにいちゃん・・・と・・・おにいちゃん・・・)
ヒスイの中で、どんどん現実味を失っていった。
「あ・・・むぅ・・・」気分が淫らに昂揚し。
コハクBの肩に掴まりキスをしながら、腰から下はコハクAのペニスと踊り狂っている。
「んッ・・・ふ・・・ふぁ・・・」
「・・・ひゃあうッ!!」
下向きになっていた乳首をコハクBの指が摘んだ。
ごく僅かではあるが、乳房全体に重力が働いているため、卑猥な伸び方をする。
「あッ・・・やぁッ!!」
刺激の連鎖反応で、ペニスを咥えた膣肉がキュッと締まるも。
コハクAの律動は一層強まり。亀頭が膣奥に通い詰める。
「あッあッ!!ああぁぁッ・・・!!!」
何度も擦り合わされて。小さな肉の輪が溶けて崩れる気がした。
「ひぐッ!!あ!!あー・・・」
堪らずヒスイがしゃくり上げた、その時。
「んむ・・・ッ!?」
コハクBの濃厚キスで口を塞がれ。
快感の嗚咽を封じられてしまった。
「!!?」
逆流した声が、子宮を振動させる。
埋め込まれたコハクAの亀頭で、そこをさらに揺さぶられ。
「んッ!!んんん!!!!」
コハクBの腕の中、跳ね回るヒスイ。そして。
「―!!!!」
子宮の内側から、生々しい汁が出る・・・絶頂を迎えたのだ。
「僕も出させてね」と、穏やかなコハクAの声。
ヒスイは、コハクBの舌を口に入れたまま、コハクAの射精を受けた。
「あぅ・・・あ・・・」
膣の中でペニスが脈動し続けている。
ヒスイは熱っぽく潤んだ目を細め、しばらく子宮を開放していた・・・が。
コハクAは射精を終えてもペニスを抜かず。
後背位から、対面座位へと体位を変えた。コハクBを無視して、だ。
「ヒスイ・・・」
「おにいちゃ・・・ん・・・・」
ヒスイの唇を溺愛する、コハクAの唇。
・・・ところが。
「ひぁん・・・ッ!!」
コハクBが、ヒスイの背筋を指先でなぞり、微笑んだ。
「・・・君、まだ消えないの?顔色悪いよ」と、コハクA。
「なんのこれしき」コハクBが言い返す。
分身は瀕死状態に陥ると自然消滅する・・・その時がくるまで、ヒスイを分け合う口約をしていた。
「“僕”を甘く見ないで欲しいな」と、コハクB。
「わかってるでしょ?」続けてコハクAを見据え、言った。
「全然、愛し足りない」
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