赤い屋根の屋敷、リビング。

「はぁっ・・・はぁっ・・・」
男二人に挟まれたヒスイが、氷ペニスを溶かし終えていた。
拡げた両脚の間、大きな水たまりができている。
「んっ・・・」
鼻から抜ける官能の声。
肩先と膝先が度々攣りあがる。イキかけなのだ。
いつの間にか勃ってしまった乳首が僅かにシャツを持ち上げて。
もはや自制が効かなくなっていた。


「あとは任せて」と。コハクがトパーズに告げる。
「お客さんも来たみたいだし」
「・・・・・・」
トパーズは黙ってヒスイから離れた。
「はぁはぁ・・・おきゃく・・・さん?きたの?」
「ヒスイは気にしなくていいからね」
コハクがそうヒスイに言い聞かせている間に扉が閉まり。
コハクとヒスイの二人きりになった。



「ご褒美の時間だよ」



コハクのその声に、ヒスイの下腹がピクピクと反応する。
「っ・・・!!」
床の上で仰向けになったまま、唇を噛むヒスイ。
(だめ・・・なのに・・・えっちしてるばあいじゃ・・・ない・・・のに)
この姿を“お客さん”に見られでもしたら、と思う反面、イキたくて堪らない。
膣奥が甘く燻り、脚を閉じることができずにいた。
「くす・・・これはもう必要ないね」
視線を遮っていたカーディガンをコハクが優雅に投げ捨て。
「!?や・・・」
隠しておきたい場所が晒される・・・
氷ペニスのピストンを受け、収まりきらなくなった肉ビラの縁が、物欲しそうにうねり、露を滴らせていた。
「あ・・・おにぃ・・・ちゃぁ・・・」
ヒスイはこれ以上ないくらい頬を真っ赤に染め、今にも泣き出しそうな顔でコハクを見上げた。
「大丈夫、綺麗だよ」と、ヒスイの頬を撫でながら、唇を啄むコハク。
「ん・・・おにいちゃ・・・」
一旦唇を離し、念を押すように、ヒスイの顔のあちこちにキスをして。
ふたたび唇を唇に戻す。
「んッ・・・ん・・・」
大好きなコハクのキスに身を任せ、発情していく・・・
コハクを求め、肉ビラがいっそう激しく蠢いた。
一方、コハクは。
キスを続けながら、股下の浅いジーンズのジッパーを下ろし。
ヒスイの両脚を抱え上げ、勃起を一気に押し込んだ。

ずぷ・・・んッ!!!

「!!?」(あ・・・あつ・・・い・・・っ!!)
あまりの温度差に、呼吸が止まりそうになる。
ヒスイの膣も熱をなくした訳ではなかったが、氷ペニスをすべて溶かす頃には、その大部分を奪われていた。
「あ、あ、あ・・・!!」(おにいちゃ・・・の・・・あつすぎ・・・るっ!!)
入口から奥まで灼熱の塊で満たされ。
浮いた汗が燃え上がるようだ。
「ふぁッ・・・んッ!んッ――!!」
喘ぐ唇を唇で捉えられ。
コハクの下、ヒスイは腰を跳ね回らせて。
間もなく、ビクン・・・ッ!!大きく痙攣。
「――!!!!!」
繋がった唇を介し、コハクの口内へ、声にならない声を放ち、脱力した。




「びっくりしちゃったかな?」
長いキスで濡れた自身の唇を親指で拭い、コハクが微笑む。
「あ・・・あ・・・」
ヒスイは全身をビクつかせ、息を吐く度、口の端から唾液を溢した。
「中が同じ温度になるまで、こうしていようね」と、コハク。
絶頂中の膣にペニスを入れた状態で。
ヒスイのシャツのボタンを外し、左右に広げた。
両手でシャツを掴んだまま、唇をヒスイの浅い胸の谷間に寄せ。
ちゅっ。ちゅっ。何度かキスをしたあと、乳房の麓から頂に向けてゆっくりと舐め上げる。
「あ・・・ん」
ヒスイは焦点の合わない目を細め、開きっぱなしの太腿を震わせながら、爪先を曲げたり伸ばしたりしている。
イキながら感じているのだ。


「あ・・・おにいちゃ・・・あぁ・・・」
ヒスイは自ら指を咥え、牙を弄りはじめた。
コハクの舌で解禁されたそこには、快感の余韻が残っていて。
興奮しながらそれを貪る。
「あ・・・はぁ・・・」
(きもちい・・・これ・・・ひさしぶりだも・・・)
触れたところで、普段は何ともないのだが。
あのキスのあとは別なのだ。
ヒスイ自身、その原理がわからない。知っているのはコハクだけだ。
「あ・・・あ・・・ん・・・」
頬が緩み、表情が蕩ける。
するとコハクが・・・
ちゅぽんっ。舐め転がしていたヒスイの乳首を口から出し、顔を上げた。
「そこは自分で触っちゃ駄目だよ、ヒスイ」
引き抜いた指先にキスをして。低い声で優しく躾ける。そして・・・


「そろそろこっちで気持ちよくなろうね」


そう言いながら、軽く腰を捻り、ヒスイの内側を掻き混ぜた。
「あッ・・・おにぃちゃ・・・!!」
中に水が溜まっているせいか、グジュグジュと、いつにも増して淫らな音が鳴り響く。
「んッ・・・ふッ!!あ・・・ああ・・・ッ!!」
ピストン開始の合図とばかりにコハクが腰を振り抜き。
「あッ!!!!」
ずぷぷぷぷ・・・ッ!!じゅぷッ!じゅぷッ!
力強い抽送が繰り返される。
「あうッ!!あ!あッあッ・・・んッ!!」
膣襞から、氷ペニスの名残り水が抉り出されていく。
「あんッ!!あ!あッあッあッ・・・あ!!」
愛液だけになると、今度は膣肉に粘りが出て。
ぐちゅッ!ぐちゅッ!ぐちゅぅぅぅッ!
ピストンを受ける度、ペニスに吸い付く感覚が増し。
ねっとりとした肉襞に、快感が深く擦り込まれていった。
「あ・・・あぁ・・・はぁはぁ・・・」
(すご・・・きもち・・・い・・・これ・・・またイッちゃ・・・!!)
突き込みの振動でガクガク下腹が揺れる。
「・・・っ!!んはぁ・・・ッ!!」
牙の快感を忘れるほど、膣の快感に溺れるヒスイ。
「ひッ!!ん!!あぁ・・・ッ!!!!」
コハクの下で、思いっきり拡げた両脚の間、絶頂液を沸き立たせ。
震えては窄まる肉襞が、奥へ奥へとペニスを引き込んだ。


「やっぱりここが好きなんだね」


ふっとコハクが笑い、ヒスイの子宮口を擦り上げた。
「!!ひあッ!あ!あぁぁぁ!!!」
子宮だけでなく、周辺の器官までもが熱く痺れ。
「あ・・・ひ・・・あぁッ!!!」
胃も腸も膣さえも、甘美な溶解液に包まれたかのように、どろどろと輪郭を崩してゆく。
「あふ・・・ぁ・・・」
悦楽で混沌として。何がどこにあるのか、もはや認識できない。
(おなか・・・のなか・・・ぜんぶ・・・なくなっちゃ・・・)
快感ゆえの、幻覚に囚われるヒスイ。
「あ・・・あ・・・おにいちゃ・・・おにいちゃあんっ・・・!!」
コハクにしがみつくと、ちゅっ。耳元にキス。
「大丈夫、ちゃんとあるから。ここに、ね」
ヒスイの心情を察し、そう囁いてから、コハクが射精する、と。
「あ・・・ふぁぁぁッ!!!!」
精液を注入される子宮の位置だけは、はっきりとわかり。
体は昇り詰めながらも、心には安心感が生まれた。
「あ・・・あ・・・」
(おにいちゃんの・・・いっぱい・・・はいって・・・きてる・・・)
たぷん、たぷん、と、そこが重みを増してゆくのが、心地いい。
「あ・・・はぁ・・・」
コハクの首元に回していた手がほどけ、ヒスイは背中からベッドに落ちた。
「はぁはぁ・・・は・・・」


「今日も愛してるよ、ヒスイ」


コハクは、ヒスイの腰を掬い上げるようにして抱き起こし、唇にそっと口づけた。
「ん・・・」
四肢が痺れ、ヒスイは動くこともままならなかったが、最後の力を振り絞り、コハクのキスに応えていた――





その頃、客間では。

「呪いだって!?」
「呪いだと!?」

トパーズの説明に、ジンとコクヨウが同時に驚嘆の声を上げる。
「そうだ。“アレ”には強力な呪いが込められている」
“割る”ことで発動するのだ。
「じゃあ、ヒスイさんは・・・」
「割らずに溶かした」
「そうか、無事なんだな」と、ジン。
内心かなりホッとしている。
ヒスイが無事でなかったら、間違いなくコハクが荒れ。
協力を仰ぐどころではなくなってしまうからだ。
「何故一族の女が狙われたのか、現時点では謎だが――」
トパーズが煙草を咥え、言った。


「手口からして、北の魔物の仕業だろう」







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