岩影にて。

背後からヒスイを抱きしめるコハク。

「ヒスイ」「おにいちゃ・・・ん」

コハクは下を向き、ヒスイは上を向いて。
唇を重ね、互いに啄み合う。
「は・・・ふ」
キスをしながら与えられた唾液が、早くもヒスイの口から溢れた。
続けてコハクの手がヒスイの肌を滑り、そのまま水着のアンダー部分へと入れられた。
「んッ・・・あ!!」
指先が最初に触れたのは、クリトリスだった。
まだ包皮に隠れていたが、剥いて、呼び出し。
「あ・・・んくッ!!」
そこがひとり勃ちするまで撫で回した。
「あ・・・あ・・・はぁ・・・」
充血したクリトリスの脈動に、感じるヒスイ。
更に外側から刺激を受けたら、ひとたまりもない。
「!!あふぁ・・・ッ!!」
完全に尖り出た肉芽を持ち上げられ、ヒスイの体も持ち上がる。
反らせた喉元が快感に震えた。
「んッ・・・んん・・・おにぃ・・・ちゃ・・・」
脚に力が入らず、立っているのも困難で。
背中を預けたまま、ヒスイはコハクに救いを求めた。
これ以上の前戯は無用とばかりに、水着の布目から愛液を滴らせて。
「じゃあ、ちょっと早いけど――挿れようか」
挿入のため、コハクが瞳を伏せる。
トランクスタイプの水着を軽く引き下ろし、逞しいペニスを露わにして。
ヒスイの水着のクロッチを横にずらすと、濡れてふやけた膣口にクチュッと先を食ませた。
それからヒスイの両腕を掴み、その体をゆっくりと自分側へ引っ張る。

ブチュルルル・・・!!

「っあッ!!あ・・・あぁ・・・ッ!!」
ペニスによって360℃押し開かれ、圧迫される膣肉から甘い汁が滲み出て。
「あッんッ!!んんッ・・・は・・・ぁ・・・」
(おにいちゃん・・・きもち・・・い・・・)
ヒスイのなかに熱く溶け込む。
そんな膣の快感もさることながら。
「んッ・・・ふ!!はぁはぁ・・・」
ペニスの挿入が始まったと同時に、乳首も敏感に反応していた。
ここも愛して、と、謂わんばかりに膨れ、存在を主張する。
(なんか・・・おっぱい・・・くるし・・・)
勃った乳首がパットに押し潰されているのだ。
するとコハクが・・・
「ここ、擦れて痛いでしょ」と、言い。
笑いながら、ビキニの先端をつついた。
「あんッ・・・」
ヒスイが恥ずかしそうに片目をつぶる。
「今、楽にしてあげる」
ヒスイの白ビキニは、背中と首の後ろで蝶結びにする形状となっており、コハクはそれを順に解いた。
「あっ!!おっぱいが・・・」
ビキニと一緒にパットが落ちていく・・・解放感と引き換えに、ヒスイの胸はいつもの大きさに戻った。
「っ〜!!おにいちゃ・・・の・・・ばかぁ・・・せっかく・・・おっきく・・・なった・・・ふッあッ!!」
コハクが膣内のペニスを動かし始めると、ヒスイの嘆きは途切れ途切れになった。
「あッあッ・・・はッ・・・おっぱいぃ〜・・・ひぁうんッ!!」
受精のため下りてきていた子宮を、元の位置に戻すかのような深い挿入とピストン。
「あ・・・ひ・・・あぅんッ!!!」
強く突かれた子宮が、ハート型でも作るような引き攣れ方をする。
ヒスイの細い腰で、強烈な快感が何度も弾けた。
「ん・・・ひッ!!あッ・・・ふぁ・・・」
(こんな・・・はずじゃ・・・なかった・・・のに・・・)
視界にピンクの靄がかかる。
「あとでまた見せて」
写真も撮ろう――と、コハク。
「だからね、ヒスイ」
チュクチュク・・・子宮口に男の蜜を塗り込みながら、こう続けた。



「拗ねてないで、奥、ひらいて」



「その方が気持ちいい、でしょ?」
上からヒスイを覗き込み、ちゅっ。額にキスをする。
それから頬にちゅっ。肩先にちゅっ。
その間も巧みな腰使いで、ヒスイを煽る。
「んくッ・・・!!ひ・・・ぁ・・・あぁんッ!!!!」
子宮口と亀頭がキスをする度、ヒスイの表情が甘く蕩け。
「んッふ・・・ッ!!は・・・んはぁぁぁん・・・」
そのうち元に戻らなくなった。極上のトロ顔で、幸せそうに喘ぐ。
「はぁはぁ・・・あッ・・・あはんッ!!おにいちゃぁ・・・」





「・・・・・・」×4
熾天使カップルが愛し合う様を思いっきり見てしまった。
イズとラリマーは真顔。ジョールとルチルは赤い顔で立ち尽くしていた。
ヒスイはまだ、喘いでいる。


「あッ・・・はぁッ・・・あぁ・・・んッ!!!」


「・・・そろそろ行きましょう、イズさん」と、ジョール。
明らかに動揺していたが、イズを連れ、何とか離脱した。
一方、残されたラリマーとルチルは・・・
「あの・・・」
「何ですか?ルチル」
「私達、ここにいていいんでしょうか?」
「偶然居合わせただけですから、問題ないでしょう。セラフィムは気にしませんよ」
ラリマーは取り乱す様子もなく答えた。
「でも・・・あの・・・ヒスイさんが・・・」
ひどく乱れているうえ、トップレス状態だ。
「ヒスイ?」
ルチルの発言に軽く首を傾げるラリマー。
「ああ」と、相槌を打つ。
ルチルの謂わんとしていることは伝わっているようだが・・・
「ヒスイとは一緒に暮らしていた時期もありますから、今更どうということは――」
「――え?」
何気なく語られたラリマーとヒスイの過去に、驚きを隠せないルチル。
同時に胸がチクリと痛む。
(ヒスイさん、そんなこと一言も・・・)
それはヒスイにとって、取るに足らないことだからなのだが。
「ヒスイに天使語を教えたのも私なのですよ」
「そう・・・なんですか・・・」
慣れない負の感情を持て余し、ラリマーの言葉がちゃんと耳に入ってこない。
「どうかしましたか?ルチル?」
ルチルの様子がおかしいと、ラリマーが気付いた時にはもう、走り出していた。


「ルチル!?待ちなさい!!」







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