そして――夜空に丸い月が浮かぶ頃。夫婦の部屋では。


「はぁ・・・はぁ・・・ぁ・・・」
控えめに、それでいて艶めかしい息を吐くヒスイ。
全裸でソファに腰掛け、両脚を拡げ、その中心にペニスの抽送を受けていた。

ズプッ・・・ズプッ・・・

「あ・・・あ・・・はぁ・・・」
膣はもう開ききっていて。ペニスの動きもスムーズだ。
「あ・・・あんッ・・・」
グチュグチュと、ヒスイの感じる場所を擦るコハク。
(これやると、すごくえっちになるんだよね、ヒスイ)
前戯でペニスを使う。
当然緩やかなものだが、ヒスイは早くも快感を享受し、愛液の糸が床まで伸びていた。
「あッあッ・・・んッ・・・おにいちゃ・・・あ」(お○ん○ん、きもちい・・・)
ヒスイが夢中になるのも無理はない。
太さも、長さも、硬さも、完璧なのだ。
その上、同じカタチになっているため、密着感が半端なく。
「はぁはぁ・・・んッ!!」(なか・・・吸いついて・・・る)
ヌチュッ、ヌチュッ、股間に淫音を響かせ、ゆっくりと膣襞を揺らすペニス。
素肌を汗でしっとり湿らせ、ヒスイはそれを堪能していた・・・が。
「あッ――」
「続きはベッドでね」と、コハクがペニスを抜いた。




ベッドの上、対面座位で抱き合う二人。
待ちきれないヒスイが、コハクの首元に両腕を回し、情熱的なキスを交わす。
「ん・・・はぁ・・・」
揉み合うように重ねた唇が、くちゅくちゅと鳴る。
次第に、ヒスイの小さな口から唾液が溢れ、顎の先から鎖骨に落ちて、浅い胸の谷間を流れてゆく・・・
そんなキスを続けながら、コハクはヒスイのアナル皺を押し込むようにして左右両方の指で内側を弄り始めた。
「ん・・・んん・・・」
構わずキスを続行するヒスイだったが、アナル愛撫も気に入ったようで。
たっぷり浮き出た腸液が、コハクの指を濡らした。
その愛おしさに、キスをしたままコハクが笑う。
「・・・?おにいちゃ?」
唇の動きで気付いたのか、キスを止め、ヒスイが不思議そうな顔をする。
「何でもないよ」と、軽やかなキスで誤魔化しながら、コハクはまた笑って。


「ね、ヒスイ。あとでコッチでもしようね」




洗いたてのシーツにヒスイを横たわらせ、上からゆっくりと唇を塞ぐコハク。
それから、ちゅっ、ちゅっ、ヒスイの顔や首筋にキスの雨を降らせながら、両手でヒスイの乳房を包んだ。
「あ・・・おにぃ・・・ん・・・んん・・・」
乳肉の根本をやんわりと揉み、快感を沸き立たせ。
キュッ!強めに乳首を摘む。
すると、快感の行き場がなくなり。ヒスイの小振りの乳肉の中に、どんどん蓄積されていった。
「もう少し我慢ね」
「んッ・・・ふッ!ふぁ・・・ッ!!」
甘痒く、疼き。もがくヒスイ。
いつもなら、乳頭から抜けてゆくのに、そこを閉ざされ。
摘まれた両乳首が苦しそうにピクピクしている。
「あッ・・・はぁッ!!おにいちゃ・・・!!」
コハクはにっこり微笑むと、亀頭で膣口を探り、先端を埋め込んだ。
そこから一気にヒスイを貫き、同時に乳首から手を離す――


「――!!!!ひッ!!あぁぁぁ!!」


突き抜ける快感が掛け合わされ、ヒスイが腰を跳ね上げる。
「あ・・・はぁ・・・」
奥がじんわりと温かい。子宮が絶頂液を漏らしているのだ。
「よしよし」コハクは優しい声であやしながら、ヒスイの両脚を担ぐようにして自身の腰を乗せた。
「んぁ・・・ッ!あうッ!!あ・・・」
膣内のペニスがズンと重くなる。
続けて律動が始まると。ヒスイは素直に悦んだ。


「あッ!あッ!あッ!あぁ・・・んッ!!」
愛液とともにペニスが引き出され、陰唇が外へ外へと捲れてゆく・・・
「ん・・・ッ!!」
膣内ではペニスを引き戻そうとする力が働いていて、ねっとり、すぼまる。
そこにまたペニスが、ぶちゅんッ!ぶちゅんッ!と滑り込み、繰り返し快感を生んだ。
「あッふぁ・・・ッ!!」
美しく締まったコハクの下腹がリズムよく叩きつけられる度、膣内には甘酸っぱい刺激が走り。
降参とばかりに、膣襞が次々と泡を噴く。
ヒスイは喉を反らし、幸せそうに喘いだ。
「あッ!はうんッ!!あんッ!あんッ!あ・・・!!」


プチュッ、プチュッ、亀頭が子宮口に触れる。
「あ・・・うぅぅ・・・ん
子宮を愛撫されている時、ヒスイはそれとわかる甘えた声を出す。
「んぅ・・・おにぃ・・・
このまま、コハクのテクニックで開かれるのが通例だが。
「あ・・・はぁ・・・おにぃ・・・ちゃ・・・」
瞳を伏せ、乱れた呼吸に唇を震わせながら、ヒスイ自ら子宮口を弛めた。
「偉いね。いつの間に、こんなことできるようになったの?」
ヒスイの頬を撫でながら、色っぽい腰つきでコハクがペニスを挿入する――
「あ・・・」
全身が蕩け落ちるような、絶対的快楽。
そのあまりの甘さに喉を焼かれ、思うように声も出ない。けれど・・・
「あ・・・い・・・」
コハクが耳を寄せる。きちんと言葉にはできなかったが、コハクには伝わったようで。
「――うん。僕も」


「愛してるよ」


返答と口づけ。同時に、熱く滾る精液がヒスイの中に放たれた。
「――――
痙攣する子宮。
ヒスイは目の色を変え、限りなく深い絶頂に堕ちていった――





「――よし、これでいいかな」
ヒスイのカラダを綺麗に拭いてから、ベッド下に置いておいた、アクアからのもう一つのお土産を出す。
中身はガーリーなロングチュールドレス。クマのぬいぐるみがセットになっている。
オシャレ女子に大人気のルームウェア専門店の限定品だ。
娘アクアのセンスに感心しつつ、失神から睡眠に移行したヒスイにロングチュールドレスを着せ、クマのぬいぐるみを抱かせる。
「・・・・・・」(うん、最高!!)
えっちで、可愛いヒスイ。


「そのカラダで、僕以外、誘惑しないでね」


「・・・っと。もうこんな時間か」
ベッドサイドの置時計を見ると、23時過ぎている。
(ヒスイとえっちしてると、時間忘れちゃうんだよね)
「さて、っと」
家事のため、ベッドを離れるコハク。
「皆、泊まってるし、明日は揃って朝食にしよう」


――それも、贅沢のひとつだからね。







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