梅雨の晴れ間のとある休日――

赤い屋根の屋敷には、住人のアイボリーと・・・ジスト、アクアの姿があった。
入れ替わり立ち替わり子供達が顔を出すため※主にヒスイに会いに※こういうメンバーが揃うのも珍しくはない。
「なぁ、コハク、ヒスイは?」と、アイボリー。
ついさっきまでクッションに埋まっていたのだが、いつの間にかいなくなっていた。
「ヒスイは寝室に移したよ」
コハク曰く。夕べは『春夏秋冬』の任務で帰りが遅く、ヒスイはかなり寝不足なのだという。
「じゃあオレっ!ヒスイが起きるまで待ってるよっ!!」
どうしても会いたいジストがそう言って。
「ま〜、しょ〜がないね〜」と、アクアも頷いた。


「それじゃあ、ゆっくりしていくといいよ」
コハクが紅茶とスコーンをテーブルに並べると、それぞれ着席し、しばらくは近況報告などをしていたが・・・
「なー・・・コハク」
「ん?」


「今までで一番エッチだったエッチって、どんなの?」


退屈を持て余したアイボリーが、突然切り出した。
「あ、それアクアも聞きた〜い」
「オレもっ!!」
アクア、ジストも続き。コハクは苦笑いだ。


今までで一番エッチだったエッチ。


「それを決めるのは、ヒスイだからね」
徹底したレディファースト。
ヒスイの快感をコハクが何より優先しているのは、覗きをする者なら皆知っている。
従って、コハクの言うことは理解できた。
アイボリーは前向きに質問を変え。
「じゃあさ、思い出に残ってるエッチとか」
「毎回、と言いたいところだけど」
コハクは少し考えてから。
「そういえば、この間・・・」
子供達のリクエストに応え、話し出した――


「ヒスイが、“夜のオーダー表”をくれたんだ」
夜のオーダー表・・・ヒスイが照れに照れながら、コハクに渡したそれは、クリップボードだった。
ピンク色の便箋が一枚挟んである。
「あの・・・ね、いつもして貰ってばっかりだから、今夜は私がお兄ちゃんの喜ぶこと、するよ。何がいいか書いて」と。


「うわぁ〜何それぇ〜・・・ママ可愛い〜」
「んでっ!?父ちゃん、何書いたのっ!?」
「何も書かなかったよ」という、コハクの答えに。
「マジかよ・・・もったいねー・・・」アイボリーが呟く。
「いつものように“僕”で気持ちよくなってくれることが一番嬉しいからね。ヒスイにもそう話したよ」
「で〜?ど〜なったの?ママのことだからぁ〜、ど〜せなんかやらかしたんでしょぉ?」
「そうなんだよね」と、笑いを堪えるコハク。
話の続きが聞ける!と、覗き組3名が身を乗り出した、その時。
「あ、そうだ」コハクが席を立つ。
キッチンの床下収納から、コハクは一冊の本を取り出し、それを子供達に託した。
なぜそこから、それが出てきたかは、とりあえず置いておいて。
それは・・・映像音声記録能力を持つ特殊な魔本だった。※詳細は番外編『ホワイト・マジック』にて※
「あとは、それを観ればわかるよ。僕は外で洗濯物を干してるから、何かあったら呼んで」


こうして、残された三人は期待に胸を躍らせ、魔本を開いた――





――そこは、見慣れた夫婦の部屋。

ランジェリー姿のヒスイが、ひとり、姿見の前に立っていた。
その手に、軟膏※缶入り※らしきものを持っている。

“コハク”で、もっと気持ちよくなるために。

ヒスイはなんと媚薬を自作していた。
「急だったから、材料足りなくて軟膏になっちゃったけど・・・大丈夫・・・だよね?」
ブラジャーを外し、左右両方の乳首に軟膏を塗り込む。しかし。
「ん・・・・・・あれ???」
特に変化がない。
「おかしいわね」
ヒスイは首を傾げながらショーツを脱ぎ、今度はクリトリスにたっぷりと軟膏を乗せた。
媚薬軟膏は、消えるようにヒスイのカラダに馴染んだが、やはり何の変化もない。
「こんなはずじゃなかったんだけど・・・」
ブツブツ言いながらベッドへ潜り込むヒスイ。
頭から上掛けを被り、配合成分の確認をしているうちに、家事を終えたコハクがやってきた。
「ヒスイ」コハクが優しく名前を呼ぶと。
ヒスイは上掛けから顔を出した。
その唇に、ちゅっ。キスをして。
「えっち、する?」
「ん!」



ヒスイの上に乗り、コハクが再び口づける。
「ん・・・は」
ヒスイは、コハクの唇と舌を順に受け入れ。
「はっ・・・はっ・・・」
導かれるままに、舌と舌で唾液を練り合わせた。
くちゅ、くちゅ、ちゅっ・・・
懸命に舌を使うヒスイの頭を、上手上手と撫でながら、コハクは空いている方の手をヒスイの割れ目へと差し入れた。
「ん・・・ッ!!」
あたたかな肉の亀裂に沿って指を動かし、そこが愛液でヌルついてきたところで、膣口をつつくように指先を浅く入れる。
つぷッ!つぷッ!つぷんッ!ちゅくッ!ちゅくんッ!
「ん・・・あぁ・・・」
ヒスイの膣口から、たちまち愛液が溢れる・・・
すると今度は、中指と薬指を膣内に滑り込ませ、激しく擦り上げ始めた。
「んッ!!あん・・・ッ!!はぁはぁ・・・あッ・・・はッ!!」
ぬぢゅッ!ぬぢッ!ぬぢッ!じゅぷッ!じゅぷッ!
指を根本まで入れ、膣肉を突きながら、手のひらで陰唇を撫で擦る。
「んッ・・・んんッ!!は・・・!!」
コハクとキスを続けながら、ビクッ!ビクッ!と、股間を反応させるヒスイ。
「ん・・・ふ・・・」(ナカ・・・どんどんひらいて・・・く・・・)
そこが、コハクのための“穴”になっていく感覚に、悦びの愛液が止まらない。
「はっはっ・・・おにいちゃ・・・!!」
ヒスイは昂ぶり、コハクと淫らなキスを交わした。
恥じらい、内側を向いていた膝は、いつしか外側に開き。
シーツの上の愛液溜り、それができる様までも、いやらしく晒していた。


「このまま一回イく?」


唇を離し、コハクが尋ねる。
「あッあッ・・・」
膣肉を裂く、コハクの指・・・鋭く甘い悦楽に、カクカク腰が揺れてしまう。
「あッんッ!!あッ・・・も・・・イキた・・・い・・・」
「いいよ。じゃあ――」
微笑んだコハクの指先が、膣奥の輪をゆっくりと撫でる。次の瞬間。


「あふぁぁ・・・ッ!!!!」


瞳の中をハートだらけにして達するヒスイ。
・・・だったが。
「ん?」と、そこで異変に気付くコハク。
「んぁ?」ヒスイもまた、自身の違和感に上体を起こした。すると。


「え――?」


乳首がいつもよりだいぶ大きく膨れ上がっている。
快感を孕んでも、ここまでにはならない。
正直、見たこともない大きさだ。
「な・・・」(なにこれえぇぇ・・・!!!!)







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