ZZZ・・・ゴミ箱で快眠中のヒスイ。
決して広いとは言えないが、居心地は悪くなかった。
膝を抱えて眠ること15分・・・。
プラスチックの蓋が持ち上がる。待望の時間が訪れたのだ。
「ヒスイ?」
コハクの一声で、ヒスイは目覚め。
「お兄ちゃん!!」と、慌てて立ち上がった。
「ヒスイ、やっと見つけた」
何故ゴミ箱の中にいたのか・・・疑問に思ったが、コハクはまず先にヒスイを懐に収めた。
「おにいちゃぁ〜・・・ん」
ヒスイはコハクのシャツに顔を埋め、匂いを嗅いだ。直観的に、本物のコハクだとわかった。
大本命はやっぱり期待を裏切らない。
「おにいちゃんだぁ〜・・・」
感激のあまり、涙ぐむ。
「遅くなって、ごめんね。ヒスイ」
コハクは、ヒスイの腰に腕を回し、身を屈め。
ヒスイは、コハクの首に腕を回し、背伸びして。
唇と唇を重ねる・・・柔らかなキス。
続けて舌と舌を重ね、ちゅくちゅく音を鳴らし、互いを求め合った。
「ヒスイ・・・いい?」
「ん・・・」
立ったまま、ヒスイを壁に寄り掛からせ、シャツのボタンを外し、前開きブラのホックを外す・・・愛しい貧乳が現れた。
ちゅっ。首筋にキスをした後、尖った乳首を舌で舐め上げる。
乳輪までたっぷり唾液で濡らしてやると・・・
「あ・・・」
ヒスイは頬を染め、足をモジモジさせた。
(可愛いなぁ・・・)と、いつもながらに思いながら。
唇で挟んで先を引っ張り。もう一方を手のひらで包むと、先に指を添え、そっと揉んだ。
「あ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
(本物の・・・おにいちゃんの・・・手・・・きもちい・・・)
嬉しくて、泣きそうだ。
「ん・・・ん・・・」
コハクの髪に指を絡めながら、ちゅっ。ちゅっ。甘々キスを繰り返す。
「はぁはぁ・・・」
しきりに膝を擦り合わせるヒスイ。欲しがっている証拠だ。
コハクは、器用にスカートを脱がせ・・・そして、ヒスイのパンツに中指と薬指を入れた。
「あッ・・・おにいちゃ・・・」
コハクの指先が膣口に触れ、ぴくん!ヒスイが震える。
間もなく・・・クチュクチュ、パンツの中が鳴り出して。
「んッん・・・あッ・・・」
快感の波に、度々ヒスイが肩を竦める。
「・・・あれ?」と、そこでコハク。
膣口が随分弛んでいるように思えた。
(嫌な予感がするぞ・・・)
ツプッ・・・ヒスイの膣に指を入れ、直に触れると、明らかにそこは使用済みで。
その時、ヒスイが・・・
「お・・・にいちゃ・・・おしおき・・・おわり?ごめんなさ・・・」
挿入された指にビクビク感じながら、泣きべそをかいて言った。
「・・・お仕置き?」(僕はまだ何も・・・ん!?)
即、思い当たる。自分と等しい、分身BCDEの存在に。
(しまった・・・!!)
何があったか、容易に想像できた。
「ヒスイ、もしかして僕の分身と・・・」
「うん、いっぱいえっちした・・・よ?」
「・・・・・・・・・」(死ネ!!!僕!!!)
ショックで、一瞬目の前が真っ暗になる。
(揃いも揃って・・・ヒスイとヤることしか頭にないのか!?)
ヒスイを見つけるためにしたことが、完全に裏目に出た。
敵はトパーズではなく・・・自分だったというオチだ。
「お・・・おにいちゃん?どうしたの?ふるえてるけど」
自分への嫉妬。分身達に対する怒りで、だ。
「ははははは・・・いやぁ・・・何でもないよ」
コハクはわざとらしく笑って誤魔化し。ヒスイのパンツから手を引いた。
「・・・ごめんね、ヒスイ」
「え?なんで???」(悪いのは私なのに・・・)
ヒスイは訳がわからない。首を傾げるばかりだ。
「とにかく、あいつ等を抹殺・・・じゃなくて、同化してくるから。ヒスイはここで待ってて」
忙しなく、コハクが飛び立つ。
「ちょっ・・・おにいちゃんっ・・・!?」
ポツンとひとり残されるヒスイ。
「そんなぁ〜・・・」
脱がされ半分で、地面にへたり込む。
これまで、コハクの分身達と散々エッチをしてきたというのに・・・大本命とのエッチに限っておあずけだ。
「・・・なんでこうなるの???」
路地に座り込んだまま、ヒスイはしばらく空を見上げていたが。
「・・・寝よ」
制服を着直し、またゴミ箱に戻ることにした。ところがその時。
「ヒスイ」
去ったはずの、コハクの声。恐る恐るヒスイが振り向く・・・
「おにい・・・ちゃん」
そこに立っていたのは、4人目の分身、コハクEだ。
「・・・・・・」(も、無理かも・・・)
くらっと、眩暈。正直かなりセックス疲れしていた。
(でも嫌とか言ってる場合じゃ・・・)
愛ゆえの使命感と、性器を捧げる習慣。
(お兄ちゃんは、お兄ちゃんなんだから・・・)
再び自分に言い聞かせ。ヒスイは壁に両手をついて、コハクEにお尻を向けた。
「くす・・・偉いね、ヒスイ」
コハクEが早速パンツを引き下ろす。
「ん・・・ぁ・・・」
さっきまで大本命の愛撫を受けていただけに、生地の内側はベトベトで。
膣口とクロッチ部分が愛液の糸で繋がっていた。
その糸を断ち切るように、間に手を差し込むコハクE。
「ひぁ・・・ッ!!!」
きゅっ、左右の陰唇をまとめて握られ。
ふにゅっ、くにゅっ、揉まれる。
「あ・・・おにいちゃ・・・」
恥ずかしいやら。気持ちいいやら。ヒスイが腰をくねらせた。
「ん・・・んぅ・・・ッ!!」
何本ものペニスを受け入れてきた膣は、すぐに性交の準備が整い。
濡れ過ぎなほど濡れ、自発的に開いている。
「ここ・・・ずいぶん使ったみたいだね」
ヒクヒクしている膣口を撫でながら、コハクEが言うと、ヒスイは正直に認めた。
「もうしたくない?」と、コハクE。
ふるふる、ヒスイが頭を振る。
「おにいちゃんは・・・おにいちゃん・・・だもん」
もはやこれが口癖となっていた。
コハクEは目を細めて笑い。
「・・・今すぐ入れても平気かな?」
こくん、ヒスイが頷いた。
「ふ・・・ぁ・・・おにぃ・・・ちゃ・・・」
背面下からぐんぐん伸びてくるペニス。
正面から挿入されるのとはまた違った刺激だ。
「うッ・・・く・・・!!」
ぽたっ、ぽたっ・・・コンクリートの地面に愛液が落ちる。
「ヒスイ、すごく濡れてる」
ご褒美とばかりに、コハクEは、ヒスイの喉を撫で、耳の後ろを舐めた。
「こんなに濡れてくれたら・・・入れ甲斐あるね」
そう言って、後ろから前へ右腕を回し、ヒスイの肩を抱き。
下腹部を左手で支え、上半身と下半身をそれぞれ固定した。
ヒスイの膣に根元までペニスを嵌め込み・・・性器の接続が完了する。
繋がった二人の間に、愛という名の電流が流れ出した。
「あッ・・・はぁん・・・ッ」
ビリビリと感電し、膣が痺れる。更に・・・
ぶちゅっ!ぬぽっ!ぶちゅっ!ぬぽっ!
開く音と、閉じる音が、交互に響いてきた。
「は・・・あくんッ・・・」
開いて閉じて、また開いて閉じて。
コハクEがペニスを動かす度、ビチャッ!ビチャッ!愛液が飛び散る。
それだけ中が濡れているのだ。
「ふえっ・・・や・・・やだ」
どうしようもなく恥ずかしい。ヒスイは抗い、ペニスから逃れようとしたが、逆にコハクEはペニスを膣深く入れ。
「あッ!!!」
ヒスイの体ごとペニスで押し上げた。
「んは・・・ッ!!あ・・・ぁ・・・」
後ろ向きで爪先立ちになったヒスイの両脚がカクカク震える。
下からの圧力で子宮口まで開いてしまいそうだ。
「ん・・・んんッ!!んんんッ!!!」
骨盤がじんじん熱くなる。快感による発熱だ。
ヒスイの目尻に大粒の涙が浮かんだ。
「ひくッ・・・あ・・・」
しゃくり上げ、ヒスイがイキそうになると、コハクEは圧力を緩め。
「ヒスイの中、すごいよ。溺れそうだ」
そうヒスイの耳元で囁やいた。
改めて、ヒスイにペニスを意識させるために、だ。
「ほら・・・感じる?ヒスイ」
「あッ・・・うぅぅんッ・・・あッあッ・・・あぁぁッ・・・!!!」
にゅるにゅる、股の間でコハクEのペニスが泳いでいる。
跳ねたり潜ったりしている、それが、愛おしく。
ヒダが水草のように揺れて絡む。
「えぅッ・・・おにいちゃ・・・!!おにいちゃぁ〜・・・」
存分に感じ、喘ぐヒスイ。
「いいね、その声」
ゆっくりと腰を動かしながら、コハクEが言った。
「うん」と、ひとり勝手に納得し。
それから、ヒスイの髪を一束手に取り、口づけた。
「・・・この髪も、匂いも、体温も」
「好きだなぁ・・・」
「・・・って、つくづく思うよ。分身でもね」
「な・・・なにいって・・・も・・・おにいちゃんはぁ・・・」
コハクEの愛の告白で、ヒスイの赤面濃度が一気に上昇した。
「あッ・・・あッ・・・あ」
そのまま、膣を好きなだけ探らせる・・・手前も奥も、まんべんなく掻き混ぜられ、快感で下腹が破裂しそうだ。
「ひ・・・ッあ・・・あぁぁッ!!!」
取り乱し、ガリッ・・・壁に爪を立てるヒスイ。すると・・・
「だめだよ。そんなことしたら、爪が痛む」
コハクEが上からヒスイの手を包み込み、ぎゅっと握った。
「もうちょっとだけ我慢してね」
手と手を重ねたまま、射精のための腰使いに切り替えるコハクE。
「あ・・・ッふ・・・!!あッあッ!!あッあ!!」
それに伴い、膣への刺激が増強し、堪らずヒスイが先に達する。
「あー・・・」
自然と膣肉がペニスを締め付け、射精を促す・・・あとはもう、その時を待つだけだ。
「は・・・あぁ・・・」
膣はビショビショ・・・だが、喉はカラカラで。
けほっ・・・ヒスイは軽く咳込んだ。
(なんだかすごく・・・のどかわいた・・・血・・・のみたい・・・)
「あ・・・」
目がチカチカする。もう足にも力が入らない、が。
崩れ落ちるヒスイの腰をコハクEが両手で掴み。
射精寸前のペニスを激しく突き込んできた。
「っあッ・・・あぁぁぁぁッ!!!」
無視できない快感。再び愛液が溢れ出し、滝のように内腿を伝ってゆく。
「はッ・・・ぁ・・・」
濡れれば濡れるほど、渇きを感じ。
性的絶頂と吸血鬼的渇望で意識が朦朧とする。
(だめ・・・ちゃんと・・・さいごまで・・・あ)
次の瞬間、膣への摩擦がぴたりと止み、代わりに熱い精液が滲み込んできた。
「あ・・・あッ、うッ・・・」
「ヒスイ・・・喉、渇いてるでしょ。僕の血飲む?」
射精しながら、コハクEが言った。
唇を噛んで、ふるふる、頭を振るヒスイ。
「へ・・・いき、かわいてない・・・もん」
せめて血だけでも、本物のコハクから吸いたい。そのための嘘だ。
「・・・・・・」
分身でもコハクはコハク。嘘がバレない訳がないが。
「・・・無理強いはしないよ。僕は分身だからね」
その後の、ヒスイ。
「・・・・・・」(えっちしすぎたかも・・・)
体中の水分をセックスで使い切ってしまったみたいに。
本当に喉がカラカラだ。心なしか唇までカサついてきた気がする。
「お兄ちゃんが迎えにきてくれるまでの辛抱だもんね」
足も腰も、だるい。ヒスイは、のろのろとゴミ箱に戻った。
「・・・・・・」
膝を抱えて目をつぶる。しかし、喉が渇いて眠れない。
(忘れてたけど・・・私、吸血鬼だもんね・・・)
「はぁ・・・血・・・飲みたいな・・・」
補給に困ることは滅多にないので、尚更辛く感じる。
「う〜ん・・・」
渇きと戦うこと15分・・・ついに、ゴミ箱の蓋が開かれた。
「お兄ちゃんっ!!血ちょうだいっ!!」
夢中で胸元に飛び込み、寄せられた首筋にカプッ!噛み付く。
ごくごくごく・・・一気飲み、したのはいいが。
(あれ・・・?なんか・・・味が・・・)
渇きのあまり、違いに気付くのが遅れた。
(もしかして・・・お兄ちゃん・・・じゃない!?)
コハクと思い込み、顔も見ずに行為に至ってしまったのだ。
改めて相手を確かめ・・・ヒスイ、蒼白。
(ま・・・間違っちゃったぁぁぁっ!!!)
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