携帯から聞こえてくるコハクの声に従い、裸になってベッドに乗るヒスイ。
「仰向けになって」
「ん・・・」
瞳を閉じ、視覚と引き換えに聴覚を高める・・・
好きな人の声は、聞いてるだけで気持ちいい。
骨盤に響いて・・・内側の性器が痺れてくる。そこで。
「ヒスイの体に、いっぱいキス、したいんだけど」と、コハク。
「おにい・・・ちゃん・・・あ・・・」
耳から注ぎ込まれた甘い言葉が、愛液に変換され、膣口から出てきた。
ヒスイは、両膝を閉じたまま、三角の隙間に手を入れると、窪みの中へ指先を忍ばせた。
そこは・・・粘膜地帯。
「んッ・・・」(もう・・・こんなになってる・・・)
タッチした瞬間、指の腹を愛液が濡らす。
すでに、糸となって絡みつくほどの粘着力を持っていた。
「もっと中、触って、ヒスイ。どんな風になってるか、僕に教えて?」
「ん・・・」
コハクに褒められたい・・・その一心で、ヒスイは頷き。
人差し指と中指を揃え、膣口をグチュグチュと捩じり開いて。
自身の膣肉に、自身の指をしゃぶらせた。
「あ・・・はぁはぁ・・・ん・・・」
「どう?」というコハクの問いかけに。
「湿った布みたいに・・・巻きついてくる・・・よぅ」
涙目でヒスイが答える。
「うん、そうやってね、いつも僕を包んでくれるんだ」
大好きだよ――と、コハクは囁き。ヒスイの膣描写を続けた。
「よく触ってみると、細かい粒々がいっぱいあるでしょ?それが竿に擦れて、すごく気持ちいい」
そう、愛おしげに語る。が。
「・・・・・・」
「ヒスイ?」
「も・・・お兄ちゃんがえっちなこと言うから・・・っ!!」
電話口に向かって怒った後、ヒスイは小声で言った。
「びちょびちょ・・・だし・・・奥のほう・・・なんか動いて・・・あ・・・」
「ヒスイ、音、聞かせて?」
「ん・・・」
コハクのリクエストで、携帯を耳から離し、股間へと近付ける。
「はぁはぁ・・・」
(もっと・・・指・・・入れた方がいいのかな・・・いっぱい音出さなきゃ・・・)
濡れていることを伝えるため、粘膜を弄り回し、懸命に膣を鳴らすヒスイ。
「んッんッ・・・」
2本の指で、膣口を伸ばしたり縮めたりして。
くっついたり、ちぎれたり、こぼれたりする愛液の音を送った。
かぱかぱ・・・ぷちぷちッ・・・こぷ・・・ッ・・・
くちゅくちゅ・・・ぴちゃぴちゃ・・・ぷしゅ・・・
淫らなこの音を。コハクが、耳を澄まして聞いている。
途切れさせてはなるまいと、ヒスイは膣深くまで指を入れ、素となる愛液を夢中で掻き集めた。
「あ・・・あぅぅんッ・・・」
陰唇が捲れ返り、クリトリスが膨らんできても、なりふり構わず続ける。そして。
「はぁはぁ・・・おにいちゃ・・・聞こえ・・・た?」
「うん、偉いね、ヒスイ」
ちゅっ。電話越しにご褒美のキスを与えられ、嬉しそうに目を細めるヒスイだったが。
どうしても聞きたいことが、ひとつ。
「あの・・・おにいちゃん・・・も・・・」
その先は、恥ずかしくて言葉にできない。コハクは察して。
「うん、勃ってるよ、僕も。ヒスイに挿れたくて、先から液垂れしてる」
「!!あ・・・やぁ・・・」
甘い言葉責めに、ますます掻き立てられる性欲。
コハクのそこに吸い付きたくて、膣が窄まり、ぷちゅり。音がした。
「ひぁ・・・おに・・・ちゃ・・・ど・・・しよ・・・」
孤独な疼きに、怯える。
ヒスイはペニスに愛され慣れているため、ひとりえっちでは、満足できない体なのだ。
「ヒスイ、これから僕の言うこと、よく聞いてね」
「ん・・・」
まず、キャスター付きの鏡をベッド前にセットさせ。
それから、袖机の一番下の引き出しを開けるよう、ヒスイに言った。
そこには・・・クスコが入っていた。
クスコとは、金属製の医療器具で、鳥の嘴に似た形状をしている。
膣口に挿し込み、手元のハンドルを操作すると、嘴部分が開き、それに伴い、膣が拡張される仕組みになっている。
そのまま固定することも可能で、内部の検診用に使われるものだ。
目にするのは初めてではないが、とても久しぶりだった。
「よく鏡を見ながら、先を挿れて」
「ん・・・んぅ・・・」
鏡の前でM字開脚。
すっかり熱くなっている膣肉に、冷たい金属器具を埋め込む。
「ひゃうッ・・・」
ヒスイは、戸惑いの声をあげながらも、愛液でしっかりと保護膜を作った。
「ゆっくり開いて・・・そう・・・僕の・・・の直径と同じくらいまで・・・ね」
「あ・・・ぁ・・・・・・」
クスコで、膣がどんどん開いてゆく・・・鏡に内臓が映し出される様は、とてもじゃないが、直視できない。とはいえ。
「あ・・・あんッ・・・あはんッ!!んぅ〜・・・・」
安定した拡張感に抗えず、性交時さながらの顔になる。
「あ・・・あぁ・・・」
無理だとわかっていても。
欲情した膣をこんなに開いてしまったら、貫かれたり抉られたりすることを、漠然と期待してしまう。しかし。
ぽっかりと開いた穴に、何を挿入するでもなく。
「おにいちゃ・・・おなかのなか・・・からっぽ・・・だよぅ」
欲しがって、泣いたところでどうにもならない。
すると、コハクは言った。
「いつもそこに入ってるの、思い出せる?」
「!?」
その声は、膣に直接届き。一瞬にして、あるはずのないペニスを認識させた。
「!!あぁんッ!!」
銀髪を乱し、ヒスイが並々ならぬ反応を示す。
「ほら・・・僕のが、そこで、動いてる」
「あ・・・あんッ!!」
あたかもそこに存在するかのように・・・感じる。一種の催眠だ。
ヒスイは、開ききった膣にエアペニスを迎え入れ、喘ぎ始めた。
「あうッ!あうッ!ふぁ・・・ッ!!んふぁ・・・あんッ・・・んん〜ッ・・・!!」
少しの間、もどかしそうに、股間を弾ませたり揺すったりしていたが、次第に快感が克明になり。
「んふッ・・・!!あッあッあッ・・・」
ついに、腰を縦に振り出した。エアペニスに激しく突き上げられているのだ。
スライドする尻肉でシーツに大きな皺を寄せ。
「おにぃちゃ・・・!!!あぁぁぁッ!!!」
「ヒスイ・・・すげ・・・エロい・・・」
夫婦の部屋の前で。早くも前屈みになるジスト。
なかなか戻ってこないヒスイの様子を見に来たのだ、が。
「やっぱり父ちゃんからだったんだ」
まさか電話でえっちに至っているとは思わなかった。
引き返そうとしても、もう遅い。
「ふぁ・・・ぁ・・・ふぁぁぁんッ!!」
部屋の扉は開いたまま。
ダダ漏れしているヒスイの喘ぎ声が、ジストのひとりえっちを誘発する。
「っ・・・!!!」
(鏡にモロ映ってるしっ!!!)
挿れてくださいと言わんばかりの空洞。
ヒスイは携帯を肩と耳の間に挟み。
膣奥まで晒しながら、両手で乳首を摘みあげ、腰を躍らせている。
「はぁはぁ・・・あんッ!おにいちゃ・・・」
「ん・・・ッ・・・やば・・・」
勃起したペニスで、ジャージの股間部が持ち上がる。
すぐ傍の壁に寄り掛かり、下着ごと引き下ろすジスト・・・
ぷるんと、見事な上向きで現れたペニスの先端には、べっとりカウパー液が付着していた。
卵は、服の下。人肌で温めるのがベストらしいので、腹部に括り付けてある。
ジストは左手で卵を守り、右手でペニスを扱き始めた。
なにせ、本日のオカズは最高級だ。ご馳走になるしかない。
「あ・・・あんッ!あッ!あッ!うぅぅぅんッ!!」
「はぁはぁ・・・っ・・・」
茂みから雁首へ、雁首から茂みへ。
握り手を上下に動かしながら、ヒスイの声に合わせて腰を揺すると、自分が喘がせているみたいで・・・堪らない快感だった。
「っ・・・ヒス・・・」
「おにいちゃ・・・も・・・イッちゃ・・・イッちゃぅッ!!あッ!はぁッ!!」
そこにコハクがいるかのような、リアルな腰づかいと息づかい。
驚きながらも、ヒスイの絶頂ボイスに聞き入って。
「あ!!!!!」
「うッ・・・!」
部屋の中と外で、同時に達する母と息子。
ヒスイは、シーツにたっぷりと愛液を滲み込ませ。
ジストは、床にたっぷりと精液を撒いた。
それからしばらくして。
「「あ」」
部屋からシーツを抱えて出てきたヒスイと、雑巾でせっせと床を拭くジストが遭遇。
「「あのっ!!これはそのっ・・・」」
互いに口ごもり・・・揃って、真っ赤な顔で俯いた。
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