「ヒスイ」
「おにいちゃ・・・」
互いに薄く開いた唇を寄せ合い、口づけを交わす。
それから、正常位での挿入・・・
「！！ひッ・・・うぅぅんッ！！」
筆おろしに使われた膣は、もう快感に狂っていて。
感じすぎるあまり、お腹がペニスで盛り上がっているような錯覚を起こしてしまう。
ヒスイは思わずそこを両手で押さえ、呻いた。
「んぐッ！！あ・・・あぁぁ・・・」
全開になった膣が、ペニスの熱に炙られ。
両脚の間から、じゅくじゅくと、淫らな肉汁が溢れ出す。
「ヒスイ？大丈夫？」（ちょっと筆で弄りすぎちゃったかな？）
ペニスを介して、膣の興奮が伝わってくる。
コハクは、体温を計るようにヒスイの額や首筋に触れた。
「ひっく・・・あ・・・うぁ」
それこそヒスイは言葉さえ満足に出ない状態だったが、とにかく頷き。
自ら腰を使って、膣内のペニスを揺すった。
イキたくて、イキたくて、しょうがないのだ。
汗だくになって急かすヒスイに、コハクは応え。


「あッ！！おにぃ・・・あッあッ・・・！！」


お腹に重ねた両手の下、ペニスが相当なスピードで往復しているのがわかる。
「いッ・・・あああ！！！」
皮膚の裏側を激しく擦られ、絶頂するヒスイ。
「けふっ・・・！！」
熱に咽ながら、唾液を吐き出す。
その様子をコハクは愛おしげに見つめ。
ヒスイの濡れた顎を拭って、艶めく唇を吸った。そして。
ピストンの速度を落とし、射精する――


「！！あッ・・・はぁはぁ・・・んくッ！！！あ・・・いや・・・」
次の瞬間、涙目で頭を振るヒスイ。
「なに・・・これ・・・や・・・あぅぅッ！！」
一度は奥に入った精液を反芻して、ペニスと一緒に、くちゃくちゃ、膣が味わっている。
信じられない、信じたくない、いやらしさだった。
「・・・ん？足りない、かな？」
そうコハクに言われて、全身が紅潮する。
耳を塞いでしまいたかったが、「大丈夫だよ」という囁きが続き。
「まだまだ出せるから」と。
コハクは、ヒスイの頬にキスをして、腰に弾みをつけた。
「んっ・・・おにいちゃ・・・あ・・・」

ぎゅぽっ・・・ちゅっ・・・ぎゅぽっ・・・

「あ・・・あん・・・あぁんッ・・・」
ペニスと膣と。ひとつに溶け合ったものを、引き剥がされる切なさも、快感のひとつであり。
程よく理性を麻痺させる。
「は・・・あぅ・・・あ・・・・・・」
ヒスイは、口と膣をぱくぱくさせながら、繰り返される射精を悦んで。
後ろの窄まりまでもが、膣の快感にあやかろうとしているのか、漏れ出たコハクの精液を引き込むような動きを見せていた。




コハクが腰を引くと、絶頂の連鎖が断たれ。

徐々に自分を取り戻してゆく・・・
「はぁはぁ・・・ふぅ・・・」
セックスの後の、安息の時間。ヒスイは静かに目を閉じた。
どれだけ時間が経ったのか・・・このまま、意識を手放してもいいと思った、その時。
「準備できたよ」と、コハクの声。
「？」（準備？何の？？？）
ヒスイが体を起こすと、そこには。
下敷き、半紙、文鎮、硯・・・
「書道の時間だよ」企みあり気な、コハクの笑顔。
漂う墨の香りは、嫌いではないが。
「・・・・・・」
（お兄ちゃん、絶対変なこと考えてる！！）
逃走を試みるも、失敗に終わり。
「どこにいくのかな？ヒスイちゃん」
コハクに楽々と抱き寄せられてしまう。
「ひぁ・・・おにいちゃ・・・！？」
ヒスイはパニックのまま・・・


数分後には、筆軸を膣に埋められ、半紙に跨っていた。


「おにいちゃ・・・なんで・・・こんなこと・・・」
「うん。記念に、ね」
「記念！？何の！？」
「あーくんとまーくんの合格記念・・・とか？」
「っ〜！！全然関係ないでしょっ！！」
何を書けばいいのかもわからない。
ヒスイの書きたい文字を書けばいいよ、と、コハクは言うが。
そんなに器用に腰を動かせる訳もなく。
「あッ・・・」
膣内に残されたものが色々と垂れてきて、半紙を汚し。
文字どころか、恥をかくばかりだ。
「お兄ちゃんのいじわる〜・・・」
（あ、泣いちゃった）
ヒスイの機嫌をこれ以上損ねてはなるまいと、コハクは一旦切り上げ。
「じゃあ、少し休憩しようか。フルーツパフェ、食べる？」
「フルーツパフェ！？」
たちまちヒスイを笑顔にする・・・これぞ本家の餌付けテクニックである。
「食べたら頑張れる、かな？」
「う・・・」
ここでＹＥＳと言わないと、フルーツパフェは食べられない。
ヒスイの返事は当然・・・
「・・・うん、頑張る」



残された部屋で。

「私だって・・・やる時はやるわよ」
ヒスイはひとり、先走っていた。
「今のうちに書き上げて、お兄ちゃんをびっくりさせちゃうんだから！」
（べ、べつに、フルーツパフェが食べたいからじゃないんだからね！！）
転がっている筆を拾い、穂に墨をつける。
膣に入れるのは正直勇気が要ったが、先程と同じようにして半紙に跨る・・・
「んッ・・・」
軸をしっかり固定するため、自分でアナルを弄って膣を締め。
ヒスイは懸命に腰を動かした。
「はぁはぁ・・・」（書けたよ・・・お兄ちゃん・・・）


「ヒスイ？」


お手製フルーツパフェを運んできたコハクが覗き込む、と。
ヒスイは、眠っていた。
「・・・ん？書けたのかな？」
半紙を翳して・・・ははは！爽快に笑うコハク。
（“好き”とか“愛”とか・・・ちょっと期待してたんだけど）
「せめて“恋”にして欲しかったなぁ」
書かれている文字は、なんと“変”。
漢字の得意なヒスイが、書き間違えたとは考えにくく。
「“変”ねぇ・・・まあ、“恋”と大差ないか」
コハクは自身の言葉に頷き、締めの一言。



「うん、名筆」




それから数日後のこと。

「お兄ちゃんっ！！何よ、これぇ！！」
ヒスイ直筆“変”の書が、立派な額に入れられ、飾られている。
「っ〜！！お兄ちゃんの変態っ！！」
これにはヒスイも牙を剥いて怒ったが、うやむやにできるレベルと判断したコハクは、ヒスイを抱き上げ、ところ構わずキスを浴びせた。
「怒らない、怒らない、今に始まったことじゃないでしょ？」
「そうだけど・・・も・・・おにいちゃ・・・てばぁ・・・」


窓の外は快晴。
コハクは、風になびく洗濯物を眺めながら。
（やっぱり２人だと、減るのが早いなぁ）と、苦笑いを浮かべた。
「お兄ちゃん？どうしたの？？？」
「うん、ちょっとね」
「？」
「そうだヒスイ、買い物に行こうか」
「買い物？どこに？」



「ランジェリーショップ」







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