その頃――

「まー、起きてる?」
アイボリーが、マーキュリーの部屋のドアをノックした。
「・・・・・・」(あー・・・くん?)
精神疲労から、マーキュリーは机でうたた寝をしていたが。
「生えっち、見に行こうぜ!」
アイボリーのとんでもない提案に飛び起き、慌ててドアを開けた。
「あーくん、何、馬鹿なこと言ってるの?行くなら一人で行って」
「・・・・・・」
マーキュリーの冷たい態度に、アイボリーは軽く口を尖らせ、くるりと背を向けた。
それから、「あーあ」と、わざとらしい挑発。
「もしかしたら、混ぜて貰えるかもしんねーし。俺だけでも行って―」
と、そこで。マーキュリーが肩を掴んで引き止めた。
「まー?」
「・・・・・・」
アイボリーのことだ。本当に突入しかねない。
阻止するには、これしかなかった。
「・・・僕も行くよ」



こちら、夫婦の部屋。


『この大きさが一番好きだよ』


そう愛の告白を受けた乳房が、コハクの手の中にすっぽり収まっている。
「あ・・・」
汗をかいているからだろう。乳肉が手のひらに吸い付くようで、気持ちいい。
「ん・・・は・・・おにい・・・」
ヒスイは横向きで片脚を上げたまま、与えられたペニスを味わっていた。
「あ・・・んんッ・・・」
きゅんきゅんと、膣が快感で窄まり。その中でペニスが動くと、癖になりそうな貫通感があった。
「あ・・・ふぅ・・・」
目を細め、表情を蕩けさせるヒスイ。
甘やかされるまま、イキたくなったらイッて。キスを貰う。
何度繰り返しても、飽きることはなかった。


「・・・・・・」(今日は“公開日”じゃないんだけど)


双子の気配を察するコハク。
そういえば、扉を締めていなかった。
(まあいいか)
精通してから、初めての観賞となる。
(反応も気になることだしね)
そうとなれば。
ヒスイが気付く前に目隠しをしてしまおうと、一旦腰を引く。
「あ・・・やぁ・・・」
奥に気持ちよく刺さっていたペニスを抜かれ、ヒスイの眉間に皺が寄る。
そして・・・
「お・・・おにいちゃん?」
「どうかな、この柄。明日から使う新しいネクタイなんだけど」
よく見て欲しいから、と。コハクはそれでヒスイの目元を覆った。
「・・・・・・」(ぜんぜん見えないんだけど・・・)
なぜ今目隠しなのか、ヒスイにはわからない。
「???」(へんなの・・・)
コハクが手招きで双子を部屋に入れ、ベッド脇に立たせても。
ヒスイは首を傾げているだけだった。


「あ・・・」
足首を掴まれると、挿入を意識して、急速に性欲が高まる。
見られているとも知らず、ヒスイは大きく両脚を広げた。
小陰唇がウネウネと捲れ出て、ペニスを忘れることができない膣口が蠢く。
そこに、誘いの蜜をたっぷりと滲ませ、一刻も早い再開と続行を熱望していた。
「戻りが少ないね。みんな飲んじゃった、かな」
中出しした精液を吐き出す気配がなかったので、コハクがそう言うと、ネクタイの下、ヒスイは顔を真っ赤にした。精子を隠し持っている子宮が、かぁっと熱くなる。
すると、じゅくり、膣肉が大きな音をたてて動き。
「あッ・・・」思わず、声が漏れた。
「はぁはぁ・・・お・・・おにちゃ・・・どこ?」
無数の襞がざわつく。ヒスイは慌ててペニスを探した。
けれども。視覚を奪われているため、なかなか掴まえられない。
追いすがら、肉の合わせ目が擦れ、股間がぬちゃぬちゃと鳴った。
「や・・・あ・・・おにいちゃ・・・」
耳まで赤くしたヒスイが、半ベソをかくと。
「こっちだよ」
コハクが手を引いて。勃起ペニスを握らせた。
「ひぁ・・・」
ぬるっとした手触りにヒスイが驚く。
「くすっ、さっきまでヒスイの中に入ってたからね」
頭を撫でて、コハクが笑う。
ぬめりの正体は愛液だ。ヒスイでもわかる。
もう一度、取り戻したくなるのは当然の感情で。握った手に力が入る。
(あ・・・おにいちゃん・・・)
サオに浮き出た血管。太さも増している。
射精が近いのだと思うと、欲しくて欲しくて堪らなくなった。
理性がどんどん稀薄になってゆく。


それを見計らってか。


「開いて待ってて」コハクが耳元で囁いた。
「ん・・・」ぼんやりしてきた頭でも、意味は理解できる。
ヒスイは、中指と人差し指、2本の指で濡れた粘膜を引き裂き、欲情した膣を男達の目前に晒した。
「おにいちゃ・・・まだ・・・?」と、ヒスイ。
「うん」と、コハクは返事をしたが・・・
「!!んひ・・・ッ!!あ・・・あうぅんッ!!」
ペニスではなく、指が入ってきた。Gスポットを探られ、ヒスイが身を捩りながら、後ろへと倒れる。
何度もイッて、快感に弱くなっているため、抗えない。
「いっぱい出せたら、挿れてあげる」
そう言って、膣壁の1点を押し上げるコハク。
「あッ・・・あぁぁ・・・ッ!!!」
つられてヒスイの腰が浮く。
無色透明の液体が、尿道口を突き抜け、勢いよく発射された。
「あ・・・あぁ・・・」
潮吹きの爽快感。認めてしまうと、もう止まらない。
「んッんッ・・・おにいちゃ・・・」
「ヒスイ」
潮を吹きながら腰を揺らしているヒスイに、ご褒美のキスを、と。
コハクが唇を寄せるも。重ねる前に躱されてしまう。
「・・・・・・」(あれ?)
見えていないせいか、とも思ったが。
「いっぱい・・・ぴゅって・・・したよ?やくそく・・・」
今のヒスイには、唇よりペニス、らしい。
コハクは苦笑いを浮かべ。
「そうだね」


「僕のコレ、好き?」


正面から、ヒスイの膣口を亀頭で押し開き、尋ねるコハク。
「あッ・・・すき・・・すきっ・・・おにいちゃ・・・すきぃ・・・っ」
早く奥で感じたくて、ヒスイが腰を震わせる。
「よしよし、いい子だね」
コハクはゆっくりとヒスイの膣にペニスを沈め、子宮へ至る道を確保してから、抽送を開始した。
「あッ・・・あふッ!!」
ペニスが膣に入ってくる度、ぴゅっぴゅっ、上の穴から潮が飛び出し、コハクの陰毛を湿らせてゆく・・・
「ひッ・・・あ!!おにいちゃ・・・!!」
ヒスイの潮を滴らせながら、律動を激しくするコハク。
「あッあッ・・・すご・・・あッ・・・あッあッ・・・ああッ!!!!」
ぬぶッ・・・ぎゅぷんッ!ぎちゅぎちゅぎちゅッ!ずぼッ!ずぼッ!
びっしり生えた襞が、ピストン音を増長し。
膣内で深く反響する。それが肉層に混ざり込み、二重の快感となって、ヒスイを絶頂へと導いた。
「んッあッ・・・はぁはぁ・・・ッ!!!あ・・・はぁ・・・」
苦しそうな呼吸の割に、ヒスイは頬を緩ませ、幸せそうな顔をしている。
続けてコハクがぴったりと腰を密着させ、ヒスイと擦り合わせた。
「はふ・・・あ・・・」
射精が始まると、ヒスイは震える唇の間から、艶めかしい吐息を漏らした。


「ちゃんとキス、させて?」と、コハク。


今度はヒスイも応じ。舌が痺れるほど濃厚な口づけを交わした。




射精を終え、コハクが顔を上げた、その時。マーキュリーと目が合った。
マーキュリーは頭を下げ、足早に部屋を出ていったが。
(最後まで粘るとはね)
アイボリーはやむを得ない男の事情で、途中退場したというのに。
(やっぱり、まーくんは負けん気が強いなぁ)
瞳を伏せ、静かに笑うコハク。
双子が、ヒスイしか見ていなかったのは承知の上で。



さて、君達は何を想う――?




こうして、朝がやってきた。
コハクは朝食に使う野菜を摘みに行っている。起床にはまだ早い時間だ。
大欠伸をしながら、裸足で廊下を歩くヒスイ。
寝間着のままだが、珍しくキッチンに一番乗り・・・かと思いきや。
「お早うございます。お母さん」
「おはよ、まーくん」
マーキュリーが潜入捜査用の制服を着て立っていた。
ヒスイと同じ学校の、白いブレザーだ。王子度がますますUPしている。
「その制服、似合うね!まーくん!」
親しい者の、服の袖や裾を掴むのは、ヒスイの癖だ。今朝もそう。
無邪気に駆け寄り、マーキュリーに手を伸ばす、が。
パシッ!触れる直前で手を払われた。
「・・・え?」(まーくん???)
「すみません、ちょっと・・・気分が悪くて」と、マーキュリー。
ヒスイは目をぱちくりして。


「あ・・・そう・・・ごめんね」






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