「あッあッ・・・おにぃ・・・」(きれいな・・・かお・・・)
腰を振っていても乱れない、コハクの優しい顔を見ていると、淫らな行為をしているのだという意識が薄れてゆく。
ヒスイは両脚をほぼ直角に曲げ、膝を横倒しにして、膣を全開にしていた。
ぐじゅるるる・・・ッ!!
「っあッ・・・あ!!!」
ペニスと一緒に、自分の濡れ音が自分の中に入ってくる。
「あ・・・くぅ・・・」
にちゅッ!にちゅッ!
亀頭で捏ねられ、粘つきだした膣肉が、性器の密着をより強くする。
「あんッ!!あんんッ・・・!!!」
隙間なく擦れ合い。
ペニスにでこぼこと浮き出た血管さえも、ピストンの快感を増幅させていた。
襞を巻き込み、激しく動く。
「あッあ・・・おにいちゃ・・・!!」
何度も絶頂を迎え、膣が痺れていても。
コハクの肉の括れでそこを抉られるのが、もう癖になっていて。
こうしていると、すぐにまた絶頂が訪れる。
「あ・・・あ・・・ふぁぁぁッ!!」


「あ・・・ん・・・んッんッ・・・ん・・・」
徐々にピストンの速度を落とすコハク・・・これからするキスに集中してもらうためだ。
「ヒスイ」「ん・・・ぁ・・・」
湿ったヒスイの唇を指で撫でてから、自身の唇を重ね。
暗闇に乗じて、ヒスイの舌を引き出し、外で絡ませた。
「はぁはぁ・・・ん・・・」
ひんやりとした空気の中に立ち上る欲情の熱が、ヒスイを程よく興奮させ。
愛液がペニスを伝っていくのがわかる。
・・・が。
「あ・・・やぁ・・・」(なに・・・これ・・・)
いつしかピストンは完全に止んでいて。
コハクが腰を動かしてもいないのに、ヒスイの膣から、ぐちゃッ・・・ぐちゃッ・・・、と、セックスを堪能している音がするのだ。
そのうえ。大小四枚の陰唇が、くちゃくちゃとペニスの根元を甘噛みしていた。
「くすっ、いい気持ちになってきた?」コハクに声をかけられ。
「や・・・やだ・・・も・・・やめ・・・」
忘れていた羞恥心に火が付く。しかしそれも一瞬のことだった。


「あふぁ・・・ッ!!!!」


両方の手首を握られた状態で、突き出されたペニスに、膣奥を貫かれ。
左の方で鎖の音がしたが、気にかけている余裕はなかった。
「あぁぁぁぁぁ!!!!」(だめ・・・これ・・・だめぇぇぇっ!!!)
子宮口が逆に子宮に押し込まれてしまいそうな亀頭の圧力。
「はうッ・・・!!ふはぁ・・・ッ!!!」
背中がシーツから離れるまで反って。代わりに頭部が沈む。
「あ・・・ひ・・・」
全身をビクビク震わせ、快感に悶絶するヒスイ。
白目の中の黒目がブレて、度々消えかかっていた。それほどまでに感じているのだ。
「ひッ・・・ひぃんッ・・・おにぃ・・・」
「ほら、奥がぬるぬるしてるよ、ヒスイ」
コハクは囁きながら、ぷちゅッ、ぷちゅッ、そこを突いてきた。
「あッ!!あぁッ・・・・!!」
絶頂を繰り返した女体ならではの、極上の蜜。
子宮口と亀頭の間で、ねっとり糸を引いていた。


「あッ・・・ふぁッ・・・あ!!!!」
子宮をまるごと押し上げられて、また達するヒスイ。
「あぁぁぁぁぁ!!!」
どくんッ・・・新たな絶頂液が、コハクに向けて吐き出され。
それを浴びた亀頭が更に熱を帯びた。
「あッ・・・おにいちゃぁぁんッ!!」(あつい・・・あついよぅ・・・)
その熱を子宮口に移そうとするかのように、激しく擦り上げてくる。
「ひぁ・・・ぁ・・・ああ・・・ッ!!!」
次第に、男と女の境界が曖昧になり。
「ひッ!!!んぐ・・・ッ!!!あー!!!!」
こうして、ヒスイと完全に溶け合ってから、コハクは尿道口を緩め。
ヒスイの中に、たっぷりと精液を放った。


(あたま・・・くらくらする・・・)
座位で体を抱き起された時にはもう、ヒスイは目を回していた。
コハクのペニスに跨ったまま、向かい合わせで体を預けると。
乳房をそっと掴まれた。
「あふ・・・」
コハクの指の間で、いやらしく曲がる乳首。
「は・・・ぁ・・・」
快感の涎が、揉まれる乳肉の上にまで垂れ。
コハクに突き上げられるままに、カクンカクン、細い首が力なく前後する。
「あ・・・あぁッ・・・・!!」
そんなになってもまだ、達することができるのだ。


それから幾度目かの、絶頂のあと。
「あッあッ・・・あうぅんッ!!」
(おにいちゃ・・・すき・・・すき・・・)
イキ狂ったヒスイが、突然コハクの首筋に噛み付いた。
「よしよし・・・」
コハクは驚く様子もなく、ヒスイの髪と背中をゆっくり撫でながら血を与えた。
ヒスイは喉を鳴らし、しばらくコハクの血を啜っていたが。
「・・・ヒスイ?」
吸血半ばで、眠るように、意識を失っていた。
「おやすみ、僕の眠り姫」
抱きしめて、頬にキスをしたところで・・・異変に気付く。
「違う、これは・・・」



と、その時、携帯が鳴った。



「トパーズからだ。出ても良いかね?」と、セレ。
コハクのものだが、セックスに際して、セレに預けていたのだ。
「はい」コハクが返事をすると、セレは携帯を耳に当て、用件を聞いた。
そしてこう、コハクに告げる。



「オニキスが、突然倒れたそうだよ」








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